いらっしゃいませ

にほんご べんきょう してきて ください
いらっしゃいませ。ずっと試運転中です。予告なく変更しまくるつもりが仕様変更については手付かずです。

2012年12月22日土曜日

名人伝

美味しい料理は永遠に絶えない人生の喜びである 村上信夫
料理は不思議。同じレシピでも作る人によって差が出たり、同じ人が作ってもその日その時で味や見てくれがバラついたり。プロは常に同じ料理を再現できて、それこそが素人との違い、なんて聞いたことがあるけど、二度とは同じ料理を作ることができない私は恥じ入るばかり。人生も料理も一期一会なのさ
さて今回は帝国ホテルの伝説の料理長、村上信夫氏のレシピを再現したコースを食べに行った時のレポートを。食べたのは随分前なのですが、年を越してしまう前に&前置きが長くなる前に行ってみよう!
アミューズにはフォアグラの一口コロッケ。シャンパンと一緒に料理の始まりを待ちかねるひと時。そこへ運ばれて来た一皿目が 
自家製うなぎの薫製レモン添え
レモンどこ?と思ったら皿一面に薄くレモンジュレが敷かれてる。皿の縁には山椒が散らされてお好みで味の調整を。かすかなスモークの薫りと柔かいがシッカリした鰻の味。これが爽やかなレモンの風味と不思議に合うあう。この創意工夫の妙に、続く料理への期待感が増すます。さて二皿目は
 珍しい冷たいトマトスープ フヌイユのバヴァロワ入り

村上シェフの時代は珍しかったでしょうが、普通に美味しいトマトの冷製スープ。フェンネル=ウイキョウのムースと二層になってる。確かに馴染み薄い香草だが、トマトの風味に完全に隠れてる感じ。添え物はエスカルゴのフリット。スティックにしたウイキョウの茎を噛んで風味を楽しむ。珍しいのはこっちの方ですな。前菜の鰻インパクトに負けた感で期待値がやや失速。


舌平目のスフレー小海老添え ロブスターソース
やってくれました!三皿目。諸手を上げて美味しい!舌平目も海老も素材の味を堪能できる上に調和が取れていて味の混乱を起こすことなく食べられる。ロブスターの風味はやや控えめかな。計算された上での味付けならば、もの凄い料理だと思う。見た目も楽しい。今回のイチオシ料理は、やはりコレかな。




シャラン産鴨胸肉のロースト ピーチ添え
鴨大好き〜。一番楽しみにしていた四皿目。期待以上の味でした。予想に反してリンゴソース。そして短冊状のピーチが鴨に鎮座。これが食べたことないピーチ!なんでしょうね、コレ。何度も首をかしげて堪能。鴨が柔らかくて美味しいのはもちろんだが、アクセントとして桃の果たす役割があまりに見事すぎて感動した。添えられた野菜の塩味も完璧に美味しい。



フルーツのグラタン インペリアル
興奮冷めやらぬままデセール。パイナップルをカスタードクリームでくるんでバーナーで、しゅごーーー! 添えられてるのはカシスのソルベかしら。記憶が曖昧。パインとカスタードの合わせ技があまりに美味しくて、そちらに意識が集中しすぎた。デザートは正直、あまり期待してなかったのですがどうしてなかなか、こちらも技アリ。



どうです。ブラッセリー=居酒屋なんて思ったら大間違いでしょ。オシャレした奥様の群れやお姉さん率も高いのですが、銀座生まれの銀座育ちみたいなお年を召した旦那衆が、おそらく竹馬の友なんでしょうね、「よぅ、むーちゃん」「あ、こーちゃん、アレさ聞いた?」みたいにラフな感じでお昼食べに来てるのを見るのも楽しい。ラフな風情でもそこは銀座の旦那衆。肩肘張らないのに粋な格好でキメてますよ。あとは結婚式で集まった親族かな、曾祖父を筆頭にドレスを着た小ちゃい女の子を含めた一族が来店して、てんやわんやオーラを出してるのも楽し。そう全体的になんて言うかハレやかで華があるお店です。店内はまるで一幅の絵画。絵の中の登場人物になりきるつもりでお出かけしましょ。

2012年12月15日土曜日

いきなり次回予告


帝国ホテルのレ セゾンの話は何度か出ているけれど、ラ ブラスリーの話がまるで出ないのは片手落ち。ということで、この夏に出かけた村上信夫料理長を偲ぶ企画「人生はフルコース」を食した時のレポート。張り切って行ってみよう!

ラ ブラスリーのデザート
anniversary plate
の、前に。フレンチレストラン、ブラッセリー、ビストロ。三者の違いがわかりますか?いずれもフレンチのお店。三者の使い分けは諸説紛々。「レストラン」は厳密には予約をして出かける正餐の場。多くの日本人がフレンチと言われて想起したものが、まんま正解なんだと思います。問題はブラッセリーとビストロ。歴史的には「ブラッセリー」の方が古い形式の食べ物屋で、これはぶっちゃけ醸造所。しかもブリュワリー、つまりビールを出す店が起源です。お酒を前提に食事をとる場所なので居酒屋と訳されることもあります。対して「ビストロ」は大衆食堂と訳されることが多く、廉価なフレンチとして日本人に浸透しつつあります。ここは言わば町の定食屋さん。ウソかホントか知らないが、ロシア兵がパリ遠征の折に開店前の定食屋で「はよ開けんかい!はよ酒出せや!早く=ブイストル!」と大声で叫んでいたのが名前の起源になったとか(さすがに関西弁ではなかったと思うけど)。ちなみにフレンチレストランは革命後にお払い箱になった宮廷料理人達が町で一旗揚げたのが始まり、なんて話もあるので三者の中ではやはりブラッセリーが一番古株ということになるのでしょうか
ビールで食事をするのがブラッセリー、ワインで定食を食べるのがビストロなんて大雑把に紹介してるサイトもありました。さてここで印象の差し替えが起きるのです。ビールよりワインが格上と思いがちな日本人にとって上記の記述ではブラッセリーよりビストロが格上と刷り込まれてしまったりする。事実、そのように位置づけてる人もいる。でもね、一部ヨーロッパは日本と違って衛生的な飲料水に乏しい土地。昔から水のかわりにビールやワインで食事を摂っていたわけですよ。ワインでゴハン食べてりゃ高級というのはとんだ勘違い。どっちのランクが上か下、なんてどっちゃでもいいような話ではあるのですがCLASS にウルサイ西洋のこと、ひとつ豆知識としてご笑納ください。
んで、結局どっちがハイ&ロー?実はですね、本場フランスでも両者の立ち位置は不明瞭らしいです。小ぶりで家庭的な店ならビストロで、それよりも少し大掛かりならブラッセリーという感じ。お客の歓待で使うならレストラン>ブラッスリー>ビストロになるのですかねぇ。イタリアンならリストランテ>トラットリア>タベルナと…。和食なら料亭>割烹居酒屋>定食屋…って合ってるのか、コレ?

さて、ラ ブラスリー@帝国ホテルのお話。壁面をミュシャのデザイン画で彩られ明るく広い店内は華やか。居合わせた客層によっては成る程、ビアホールのような賑わいになることがなくもない。しっとりと落ち着いた雰囲気のレ セゾンとはまるで違う世界。セゾンは敷居が高いからまずはブラスリーから始めようという人も多い。でも実際のところ、入り口に陣取ってる黒服さんの印象は…セゾンの方が暖かみがあって私は好きかな。あくまでも印象なんですが、ブラスリーの黒服さんはなんか、すごく、こう…眼光が鋭すぎ。店内が広くて客層もイロイロなもんで、対応に目を光らせてるのかな?とは思うけどそれにしたって忙しそうに予約リストに目を通しているので声をかけづらい。つか、入り口で声をかけないと一瞥も貰えなかったことが過去に2度…。店内で働いてる人達は総じて感じが良いのですが、とにかくテキパキと働いてます。客席も多く土日はそれらが予約で完全に埋まるので忙しいことは確かでしょう。セゾンがヒマすぎと言われればそれまでですが。(いや、こちらも埋まる時は埋まるんだろうけど^^)
お値段的にセゾンより入り易いですが、予約で満席という点ではなかなか入りにくいお店。それにお値段も料理もかなりキチンとしたものが出ます。格下の店、なんてなめてかかると火傷するぜ。^^

さて前置きが長くなりました。次回こそ村上料理長の「人生はフルコース」を紹介するぞ。というわけでまた来週!

2012年12月8日土曜日

右脳左脳な片付け術

右でも左でもない手袋
 a failed glove I made...
これなむ備忘録。御用とお急ぎで無い方はまずはミサでお祈りする時みたいに指を組んでみて欲しい。組みました?そのまま組んだ手を自分のアゴにくっつけて。ハイ!いまアゴに付いてる親指は右手?左手?つまり上に来てる指は右か左か?これが右手なら、あなたは情報を左脳でインプットする傾向あり。理詰めで理解しないと物事が頭に入ってこないタイプということ。左指が上の右脳タイプは「こんな感じ〜」てな具合に感覚的にインプットしていることでしょう。(私は左脳タイプなので想像つかんです^^;)
では次に腕を組んでください。どちらの腕が上に来てますか?上から見おろして前腕(肘から手首まで)が見えてる腕が左腕なら、情報のアウトプットを右脳で行っています。
「ややこしい」と思われた方は理科の時間に習った「体の左側は右脳が、右側は左脳が支配してる」を思い出して。上に来る側の指や腕を支配してるのは実は反対側の脳みそ、とご理解ください。指で口にモノを運んで取り込み(イン)、腕を伸ばしてあれこれ放出する(アウト)と覚えればいいかな?
私はこれを何時だったか雑誌のお片づけ特集で読みかじりました。タイプ別に掃除の方法を工夫しよう、てな企画。そうです、前回に引き続き今回も掃除のお話デス。

上記のタイプ分けでは私は左脳インプットの右脳アウトプット人間。インプットを理詰めでする、というのは思い当たる節があるあるあるある。ですがアウトプットをインスピレーションでこなす、というのがどうにもピンとこない。雑誌の記事では、左脳インプットは片付け開始前に理詰めで道具類を分類してまとめましょう、とありました。んで、実際にまとめた道具類の置き場所は感覚的に決めてゆく、と…。ピンときませんねぇ。
この記事を読んだのはかれこれ5年前くらい。結局、右脳的アウトプットの方法がわからないまま今日まで生きてきました。しかしここ数週間、年末掃除をだらだらやりながら突如ひらめいた。つまりこういう事だったのです。

左脳インプットの私は掃除の手法や段取りを理詰めで頭に叩きこむところまではできる。ところが実際に行動に移す際、体が左脳の指令通りに動かない。具体的に言うと…
どの場所をどんな段取りでやるということをリサーチしてマニュアルを作成、効率的に動くスケジュールまで左脳の奴が決めてしまう。
ところが実行日になるとノリ気になれなかったり、なんだかんだでやらなかったりするものだから計画がなし崩し的に丸つぶれ。(ダメ人間ね…^^;)その繰り返し。
これを今年はスケジュールを作成せずに「やればいいのに〜」と思う箇所を紙に書き出して冷蔵庫に貼り付け、眺めるだけにしてみた。するとアラ不思議。朝、一通りの家事が終わった所で「いっちょコレやってみるか」と、なんとなく体が動いてる。これはまるで「ぶらり旅」あるいは「シェフのきまぐれ風」。掃除の段取り自体はここ数年、左脳に叩き込まれていたので自然と体が動いていく。紙に書いた箇所を視覚的に取り入れた右脳が「行ってこいや」という指令を出して体が素直に動いてる感じ(実際に右脳インプット派は図形とかを利用して見た目で物事を理解するタイプらしいです)。終わった箇所は棒線で消しておけば残った箇所が一目瞭然。するとなんだかヤル気スイッチが入って翌日も体がスイスイ動く。右脳でアウトプットって多分こういうことだったのね。て、今気がついたけどこの方式って過去の自分が書いてた手帳術とほぼ一緒じゃん。掃除が進まない悩みについても至近で書いてるし…
 デス・テチョーの作り方 
 シュフのおと 
フットワークを軽くするには、あまりアレコレ考えちゃダメなのね。


2012年11月30日金曜日

年末だよ!全員烏合!!

年末といえば大掃除。日頃の愛顧に感謝を込めて家族総出で家のお手入れを頑張りたいところですが、悲しいかな「大掃除」の前には我が家のメンバーは烏合の衆。気ままに乱れて統率も取れない、てんでバラバラ家族。全員集合してる大晦日こそが大掃除のチャンスなんだろうけど、たった一日の大掃除でどうこうなるような綺麗なお家に我々は住んでいませんことよ。

インペリアル本館の浴槽
キレイってステキ
というわけで十一月頃からグダグダクネクネしながら少しずつ掃除をするわけなのですが、気がついたら明日から十二月!というわけでアゲイン!掃除はたいがい今、月をまたぐ瞬間である今現在に行うことが多いです。というわけで3rd、換気扇フィルターに重曹ふりかけて汚れが浮くのを待ちながらブログ更新してます。油汚れを落とすのは 重曹より炭酸ソーダらしいけど 家に在るもので済ませよう。私に言わせれば油を落とすのはお湯だ。
換気扇フィルターをシンクに置いてヤカンのお湯をじゃばじゃば。これだけでも目詰まった油が剥がれ流れて行きました。ここに重曹をお菓子の粉糖がけのように振りかけてまさにイマココ。捨てる予定のスポンジでサカサカと汚れをぬぐい流したらお湯をかけてすすぐ。今日はこの辺で勘弁してやる。根詰めてやるとフィルター掃除がキライになっちゃうからね。簡単掃除で切り上げて、その代わりにこまめにやるようにいたしましょう。半年くらい前も同じ考えで簡単洗いしかしなかった記憶が甦ったけどキニシナイ。小まめの頻度は人によりけり。コマメは人のためならずってね。(?)

さてフィルターを洗って乾かす間にもう一筆。
実は昨日、風呂場掃除を行ったのですが今年はなんとエプロン外しという大技に挑んだのであります。エプロン無しで裸で掃除とか思ったそこのあなた、それ勘違い。ユニットバスの浴槽の洗い場に面してる部分がエプロン。これを外すと隠れた浴槽の下側と横の部分が洗えるというわけ。話には聞いてたけどやったことはなかった。実際問題、恐ろしい世界がエプロンの向こう側にはあるとかないとかいう話。勇気がいるわ〜。とりあえず、参考資料に他所の方のサイトなんぞ。
 エプロンの外し方 
 ナチュラル掃除な方 

結論から言うと思ったほど酷くなかったです。腐海が広がり王蟲みたいのがうごめいてたら…というのを想像したので思ったほどではなかった、くらいにご理解ください。掃除方法については上記サイトを参照していただくとして、実体験に基づいた追加情報を。

  • エプロン外しは浴室が乾いた状態でやるとよい。
  • 外したエプロンは巨大なので置き場所を確保してから外す。
  • 掃除の前に、はめ方も体得しておくこと。コレ重要。

外したはいいが、なかなかハマらなくて苦戦という体験談が多数ありました。形状は会社によって違いますが、概ねエプロン下に両手をかけて真上にぐっと持ち上げ、弧を描くように手前上に引っ張り上げることになると思います。
はめる時は上部の突起をはめ込んでから左右がまっすぐ収まるように下ろして行きます。下部をはめる段階で頓挫する人が多いようですがエプロン下の面を「ばちーん」と手で叩き込むと収まります。壊さない程度に思い切りよくいっちゃってください。
月に一回はエプロン外し、とか言う人もいるけどあんまり開け閉めしてると留め金がバカになりゃしないか心配。年一で良いよね?
風呂場がなんか匂うという人にはここの掃除はかなり匂い消しに有効みたいなのでお試しください。…つーことは匂ったら開ける、でいいのでは…ごにょごにょ

2012年11月23日金曜日

残り香あるいは残渣考

前回「土地の記憶」なんて言葉に触れた。本来は地理的な事象で刻まれた形跡とか歴史的に継がれて来た文化なんぞを指す言葉なのかもしれませんが、今回はもっと曖昧でうろん臭い^^; オカルトチックな話なんぞをいたしましょう。
夢幻紳士(高橋葉介)
Anything left after the people died.
It's like a cigarette SCENT.
 食い道楽の私達夫婦は年に一度か二度の割合で南千住にある鰻屋に出かけることに決めている。たいがい初夏の頃だけど、行きそびれると秋口になったり春先になることもある。先日、強風吹きすさぶ中を久しぶりに訪れてある事に気がついた。道すがら風がぱたりと止む場所がある。前に一度、やはり強風の日に出かけた折に同じ事があったことを思い出したので、帰りしなに風が止んだ周辺をぐるりと見回してみた。高架下に入るからその関係で止むんだろう、くらいな感じでいたけれど眼前に小さな寺があることに初めて気がつく。場所は葵の御紋がやたら目立つ南千住回向院のホントに目と鼻の先。

さてお立ち会い。この時代劇でもお馴染みの回向院は吉田松陰やら角界、おっと違った、けどきっとお相撲さんも居るに違いない各界の著名人(?)の墓や供養塔があることで有名。そして忘れちゃいけない、解体新書の腑分け場所。そうです、お江戸の処刑場、小塚原(こづかっぱら)にあることで有名なお寺。ただし刑場跡地そのものは別のお寺になっていると聞いたことがあり、回向院前を通っても刑場のことなど露ほど考えたことがなかった。今、立ち止まった私の目の前にはまさにそのお寺、延命寺の石柱が…。
脳裏に「骨ヶ原」という字面が浮かび、歩き慣れた道で瞬時に見知らぬ土地に跳ばされた感覚に襲われる。あるいは時空を反復横跳びで瞬時に行きつ戻りつしたか。これがゾッとするということなのね。帰宅してすぐに刑場跡地について調べるとドンピシャで今日立ち止まったソコ。そしてふと浮かんだ骨ヶ原という字面も、かつてそこが実際にそう表記されていたことを知った。
オカルト好きや自称霊感持ちの人ならこういうの「引き寄せられた」とか言うんだろうけど、私はそこまでのオカルトファンじゃない。誰がなんで私ごとき一般人を引き寄せたりするもんかい。風が止まったのは高架下に入ったからだし、不吉な字面が脳裏に浮かんだのは多分、昔そういう記述をどっかで読んだ記憶が突如甦ったから。心霊スポット?冗談じゃない。あっこには何もありゃしないよ。だって行きつけの鰻屋があんだよ?心霊スポットなんてアンタ、…冗談じゃないよぅ。

ま、不思議なお話は嫌いじゃないけどね。ちょっと違う空気の場所がある、というのもあながちウソではないと思う。特別な場所には特別な念(雰囲気?)のようなものが宿るらしいけど、今回刑場について調べていたら面白い話に行き当たった。吉田松陰の亡骸を埋葬に来た桂小五郎が、その日偶然腑分けに来ていた大村益次郎(花神@司馬遼太郎 の主人公)に出会ったのもここ小塚原。私に言わせれば幾多のドラマがあった場所こそが特別な場所。こもっているのは土地や建物に刻まれた念なのか、そこを訪れる人の念なのか。たぶん両方。

2012年11月16日金曜日

いつか来た道、還る道

私の知る限りでも30年来変わらぬ憧れの飲み屋。
こんな店は滅多に無い。店主はさすがに代替わりしたけどね
久しぶりに神楽坂。昔なじみとの会食場所は古民家を改装した料理屋。最近、多いですね古民家改装。神楽坂でそうした店に入るのは初めてなのでワクワクイソイソして出かけましたが、さてどうしたものでしょうか、この違和感。

十代の多感な時期に神楽坂芸者が出入りするような店(の、出入り口^^; )を眺め育った私には「神楽坂でござ〜い」と取り澄ました裏路地の小料理屋のほとんどがもはやテーマパークにしか見えない。新しいモノを敬遠してるわけではない。なぜなら取り澄ました店舗の多くは、古い建物に手を加えたものが多く、古さでいえばそれなりのもの。実際に今回うかがった料理屋は戦後昭和のかほりを色濃く残す「日本のおうち」だった。
違和感の原因はこの、オウチはお家でしかないという所にあるのかな。昔から続いてる料理屋が一線を画しているのは目に見えぬ「空気」。におい?あるいは建物に刻み込まれた「記憶」なのか?実際の花柳界の人間やそこで起きた出来事が培い醸してきた何かが古民家には欠けている。いやむしろ、古民家には古民家の歴史が諸処に刻まれており、それらが嗅ぎ取れてしまうのにお店のコンセプトは「神楽坂の小料理屋!」を全面に押し出してくるところに違和感。ということなのだろうか。
どれが古くてどれが新しい店、なんて観光客にはわからない。そこそこ歴史ある割烹で廉価なまかない風ランチを出してくれる店がむしろ「普通」と評され、体裁をそれらしく整えた店で観光地プライスな気取った料理を出す店が「お値段も神楽坂〜!」とヘンに納得され高評価を得るのは何ともムズ痒。神楽坂って本来そんな街じゃござんせんからと誰かに言ってやりたい衝動。というわけで今回のお話になった次第。^^;

お店だけではない。観光客に人気の裏路地も全てが昔から続いた道じゃないんだから驚きだ。こんな所に小路はなかったよなんて場所に、体裁を整えた裏路地がここ十年くらいでいくつか増量されているのには恐れ入る。これらも醸されている空気が昔の小路とは全然違うので歩くと居心地がなんとなく悪い。整備されてるから歩き心地だけはバツグンに良いんだけどね。
とまあ、ちょいと批判的に書いてるように見えて実はこうも思ってる。この歴史の浅い裏路地も人々が行き交ううちに醸されていくのであろうな、と。きっと誰かの大切な思い出の道になるのでしょう。道を歩くという行為は人と道に確かに何かを遺すもの。「土地の記憶」なんてシャレた言葉は私はタモリさんの口から聞いたけど、なるほど携帯を鞄にしまい耳栓?! も外して、時には道を歩く行為に没頭するのも一興でござんす。そうして歩いた道はあなたの歴史の一部となり、あなた自身もまた道の記憶に刻まれるのだ。なんちゃって。

ところでトップの写真の店。どの小路だかわかりますか?お向かいには連日大賑わいの店舗が出来ており撮影時も右手塀を回り込めば御婦人がたの入店待ち大行列ができてました。そんな場所にひっそりと残っています。創業は昭和12年。戦後に建替えて以来ずっとこの形。中学生時代の私でも夕刻にこの店の前を歩くとピリッとした異様な空気を感じ背筋の伸びる小路だったのですが…静謐は破られ新たな歴史が刻まれる

2012年11月9日金曜日

シミ盗り物語

昨年の読み物 豆乳ローションのコメント欄 にチラリと書きましたがピーリングのお話です。
大きな声じゃ言えないが体毛の濃い私。脱毛効果があるという触れ込みを聞いて豆乳ローションをせっせと作って利用してる、というのが前回までのあらすじ(?)。この豆乳ローションの情報をゲットした際に同時にシミを薄くする方法というのも小耳に挟んでおりました。
豆乳ローション作成時に利用する10%クエン酸水(台所掃除用クエン酸小さじ1=5gに対して水大さじ3=45ml)を色素沈着の気になる部分に2分間パック。その後きれいに洗い流すというもの。平たく言えばクエン酸で肌を痛めつけて、そこから立ち上がる肌の再生力で美しくなりましょうというスパルタ人もびっくりの処方。誰にでもオススメというわけにいかないので「オススメラベル」は外しておきます。

で、効果のほどなのですが、まるでダメならわざわざ記事にしたりしませんことよ。私の場合、こめかみ部分にジワジワと出現していた小さなシミに効果が見られたのでその驚きを今回書き記すものなり。本当はもっと違いのわかる写真が撮れてからup と思っていたのですが、そんなの待ってると忘れちゃうから拙速にチャチャッと書いちゃいますよ。御見苦しい写真をup しますがご容赦のほどを。 ←見直すとつくづく見苦しすぎたので、とうとう削除しちゃいました。長らくご迷惑おかけしました^^;

洗顔後の綺麗な状態の肌に上記のクエン酸水をコットンにてペタリと2分間パック。その日のコンディションでピリピリする日もある。あまり刺激が強いようならパックを早めに切り上げて洗い流してあげましょう。
さて、パック初日。コンディション次第では肌が赤らんでチリチリすることもありますが概ね何の変化もなし。パック二日後は赤みも引いて何もなかったかのよう。

カサブタが取れた後
一番下のシミが薄まった
三日目。ふと気がつくとパックした辺りの肌がガッガサで触れると気になる状態に。洗顔時にこのガサガサを指の腹で優しく撫でとるようにして剥いてしまいましょう。イメージとしては玉ねぎの薄皮を剥ぐような感じ。四日、五日と丁寧に洗顔を続け肌が落ち着いたら再びピーリング処置。
これを3巡くらいした頃、一部のシミがカサブタ状になっていることに気がつきました。実はその前も洗顔時に小さなカサブタが外れる感触を持っていたのですが、ここに至って一部のシミがカサブタになってはがれてるらしいことを発見。シミ部分の言わば半死半生状態の肌が酸によってトドメをさされカサブタ化。それによって肌から離脱していくということなんでしょうか?
※コレ、仕組みについて確認したわけじゃないし、飽くまでも私の場合なのでやってみたい人はまず皮膚の目立たない場所でテストしてから徐々にお試しください。肌トラブルを起こしてシミどころじゃない痕を残すと大変なので

洗顔については言うまでもないことですが、こするの厳禁。
私は脅威的にオシャレにお金をかけない人間なので普通の石けんで顔も洗ってしまうのですが、それでもゴシゴシ洗いはしませんことよ。石けん泡を顔の上に乗せて泡の粒子を肌と指の間で転がす気持ちでクルクルクルっと馴染ませて行く。ナノ単位のスキマが肌と指の間にあることをイメージ!これにより毛穴の汚れが浮き上がってくるので(イメージですけどね)そこですかさず、すすぎ水(お湯)をぺちぺちと肌に叩きこんでいく。これは洗濯の叩き洗いイメージ!浮いた汚れを肌にこすりつける事無く、毛穴内の汚れと綺麗水を置換させます。泡が取れて汚れも浮いたところで初めて指の腹で優しくコスコスと撫でると肌についた皮脂や汚れがボロボロと取れるのを感じる時があります。有り体に言って垢ですな(すんません ^^;)。ピーリング三日目はこの死んだ皮膚カス?を丁寧に丁寧に外す気持ちで洗顔してみてください。

私の肌で試した感じでは、古いシミはもう落ちない様子ですが、最近出来たような新参者のシミはかなりあっさりとカサブタになって取れました。その下に痕跡が残る場合もありますが、シミを目立たなくさせる作用は充分あります。
しかし今回、この写真はup して本当に良かったのだろうか…。見苦しくて本当にすんませんでした ^^; ←前述のとおり、見苦しさゆえ比較写真は削除しました

※2014年6月追記
やっぱりこの写真は見苦しすぎて心苦しい。というわけで近日写真の取り下げを予定中。見直しついでに検索したら、クエン酸ピーリングにおけるカサブタについての注意喚起記述を発見。カサブタ状況によっては新たな色素沈着の元になるのであまり良いものとは言えないっぽい感じです。元来、私は顔のシミとか、自分に見えてないもの^^; はあまり気にしない性格なのでこの記事up の後も顔面のピーリングは熱心にやってませんでした。むしろスネ毛や脇の脱毛処理跡の黒ズミが時々気になって、豆乳ローション作成時にあまったクエン酸水で黒ズミ部分をふきとる程度のことしか今はやってません。効果はあるような気もするし劇的な変化までは無いような気もするし…。
てなわけであまり役に立たない追記もアレなんで一点だけ。小林製薬の「アットノン」という塗り薬。これは傷跡や打撲の色素沈着を消す薬なのですが私の場合、猫の引っかき傷の跡には劇的に効きました。CMで「去年の傷にも効いたわ〜」とやってますが、マジである程度の古傷跡にも効いた気がしてます。シミに効くかはわからないけど、気がむいたら実験して効果があったらup しますね。

※2014年7月追記
クエン酸水を使った変形爪のお手入れについて別の記事をupしました。〜巻く子も黙る爪〜 足の爪のトラブルでお悩みの方は興味があったら覗いてみてください。

※2014年11月追記
アットノンによる顔シミ実験についてup しました。〜シミは生き延びることができるか

2012年10月30日火曜日

神在月のころ

突然ですが寝台特急「サンライズ出雲」に乗ったよ!インドア派の私には珍しく今年は旅の当たり年。巡り合わせの妙と、機会を与えてくれた人々に感謝しながら、はるばるきぬる旅をしぞ思う。
折しも時は神無月。神様が集会を開き神在月となる出雲へ出かけられるなんて、なんてステキなことでしょう。と、勇んで出雲大社入りしたらガイドさんいわく、神様は旧暦で生活しているそうな。さようでござるか…。今年は11月23日から神集会らしいです。社へ急げ! 神在月 in 出雲 
上記サイトに面白い事が書いてあった。
神在月に神在餅(じんざいもち)が振る舞われ、これが訛って ずんざい→ぜんざい になり京に伝わった
旅っていいですね。随所で思いがけないトリビアに触れるのもまた旅の醍醐味。すぐ忘れちゃうんですけどね。さて前置きはそれくらいにして寝台特急のお話。

ドアを開けて中に入ると
鞄一つ分のスペースをあけてすぐにベッド
出雲市駅を18:55に出発して東京駅には翌朝の7:08に到着。今回私が乗ったのはこの特急の後に特別編成で出た電車。そのためなのか随所で鉄ちゃん達から熱い歓迎を受けました。
ちなみに東京駅からは22:00出発で出雲市駅に9:58に着きます。出雲市→東京は朝の富士山が拝めるので富士山ファンには良いかも。車両の左右どちら側からも富士の勇姿を見る事ができた。富士山が近づくと「間もなく右手前方に見えます」「今度は左手に見え始めます」なんて車内アナウンスしてくれるのも嬉しい。富士山が見え出す時間は朝八時前だったので通常運行の電車だと冬場は富士山鑑賞はちょっと難しいかな。というわけでサンライズ号東京行きに乗るなら夏が狙い目!
寝台は在来線のスキマをぬって走るので終電を迎えるまでやたらと駅で足止めをくう。それがまたなんともいえない風情あり。誰もいない小さな駅のプラットフォームにほのかな灯。やがて向かい側に家路を急ぐ人達をのせて急行列車が入って来る。この人達はさっき私が出立した出雲市へと帰ってゆくのね。終電以降は在来線の車両基地に並んで眠る電車を眺め、擦れ違う貨物列車を見送り、あ〜もう寝てるヒマがない!寝るのがもったいない。でも寝ないのももったいない。そんなこんなで夜が明ける。
シンジくん、ここが根府川よ
今回、携帯があって便利!と思ったのはGPSで自分の位置がわかること。もうすぐ鉄橋を渡るとか、山陰本線が終わるとか、随時追跡できるのでそれが意外と楽しかった。
さて東海道線を東進し、朝の相模湾の風光明媚な様子に携帯カメラを向けるとちょうど小さな駅を通過した。撮った写真を拡大して標識を確認するとまさかの「根府川」。碇シンジくんの先生がセカンドインパクト時にお住まいだった場所じゃあ〜りませんか。思いがけない出会い。それもまた、旅の醍醐味。
ノビノビ座席2階部分
写真はシングルルーム2階の車窓から。こんな風に少しホームを見下ろす形になります。これが1階だとホームに並ぶ人達の足を眺める位置になるので、チケットとるならやはり2階がオススメ。内装は住宅メーカーのミサワが手がけているので小さくてもスッキリ綺麗で快適。通りすがりに別車両のノビノビ座席をパチリ。こちらは運賃+指定席料510円で乗れるお得な車両。ただし頭部に仕切りがあるとはいえ、フェリーの二等客船のようなカーペット敷きにゴロリと横になる仕様なのであまりよく眠れなかったと実際に利用した人は言ってました。眠れないなら起きていればよろしいのよbyマリーアントワネット^^; というかね、大勢の仲間でここで夜明かししながら旅ができたらすごく楽しそう。
なかなか快適だったのでクセになりそうです。寝台特急の旅。 参考 サンライズ号 
次はどこへ行こうかな。

2012年10月22日月曜日

ぶらっと+

どんな運命が待ってるんだろ〜♪などと大げさなことではなくて、どんな場所まで行けちゃうんだろ?という小さな好奇心から、普段使いの路線をいつもと違う方角に乗り込んで、どこか遠くへ行ってやろうじゃないのというのが今回の企画。いつもと違う特別な空間が、実は見慣れた風景からヒョンと繋がっている不思議。そうです、これもまた結界破りの一つの形。日常の殻を破り、いざ、ぶらり旅へ出発!

きっかけは神奈川方面に出かける際に経路や運賃を調べていた時。よくよく見れば、うちから日光に行くのと時間的にも金額的にもほとんど変わらないじゃ〜ありませんか。しかも都内で電車を何度も乗り継がねばならぬ神奈川方面よりも、日光は乗り換え一つでスイッと行けちゃう手軽さに目からウロコ。それを知ったら早速やってみたくなった。漂泊の思いやまず、という松尾芭蕉っぽくソラソラとお出かける。
田母沢の秋。紅葉にはまだちょい早い
ブログをご覧の方はお気づきでしょう。日光って二ヶ月前に行ってきたばかりじゃん?Yes!ブログでは紹介しませんでしたが、前回の日光旅行では地元の人から愛される中華屋「 翠園 」でおいしい広東料理を食べてきたばかりです。ちなみにA定食「牛肉の豆豉炒め」を食べました。今回はB定食「イカとエビのXO醤炒め」を食べに行くぞ、おー!

では旅の概要を。
家事全般を片付けてから地元駅を出発。某駅で日に数本しかない快速電車(^^)に乗って日光に十時過ぎに到着。特急を使わないので料金は千円ちょい。時間は二時間強。時間は多少かかっても鎌倉に行くより安いなんて!
まずは東照宮のそばにある 田母沢御用邸記念公園 へ。こちらは大正天皇のご静養地だった所。元は赤坂御所(さらに元をただせば紀州徳川江戸屋敷)であった建物が移築されており、殿上人の邸内を自由に見学できるというのがなんとも嬉しい。庭園の紅葉が見事と聞いていたのですが、さすがにまだ時期が早かった。
田母沢を辞した後は、前回足を伸ばせなかった 憾満ヶ淵 を散策。御用邸正門前から住宅地をまわりこんで大谷川の向こう側に出る。古き良き昭和の風情を感じる宅地を歩く事十五分ばかり。川からは離れており、淵とは無縁な風景に「ここで合ってる?」と不安になる頃、広い公園に出てその奥に憾満ヶ淵を抱く慈雲寺があります。淵そのものはちょっとしか見えません。渓流を眺めながら散策と思って出かけると拍子抜け。反対側の東大植物園から見た方がよく見えるなんて話もチラホラ…。でもお地蔵さんの並ぶ小径はちょっとミステリアスで悪くないかも。時間に余裕があって散歩が好きな方にはオススメ。公園入り口には小さな茶店もありました。

往復三十分程の散策を終えてお腹もいい感じに空いてきた。田母沢邸前の道に戻っていよいよ中華屋へ。と、その前に 石田屋 でおせんべ買って行こう。甚五郎煎餅が有名ですが、ここの梅ざらめが絶賛オススメ。かなり美味しいです。お取り寄せもできるけど、あえてここで袋煎餅を買い手提げ袋をゲット。後で翠園でお土産餃子を買ったらこの袋の下に隠し持って帰れるという寸法。どうよ、万事ぬかりなし。すべては餃子のために。餃子はみんなのために
さて翠園。いかがです、このむっちむちの餃子。これが名にしおう肉餃子六個で525えん。肉と野菜がぎゅぅぎゅぅに詰め込まれ「本物の餃子」と呼ぶにふさわしい一品。今回、お土産用にニラまんじゅうも買いましたが、こちらも複雑でおもしろい味わい。ますますこの店のトリコ。次は海老シュウマイを買ってこなくちゃだわ。そうそう、ここは杏仁豆腐も美味しい!お土産用もあるのですが今回は見送りました。

翠園から駅までは三キロ位かな。バスに乗ってもいいけれど、たらふく食べたし天気もいいし、そぞろ歩いて金谷ホテル詣でにでも行きますか。五分ほどで神橋にたどり着いたのでワル乗りで朱塗りの橋を渡ってみる。お渡り料は300円。通り抜けは出来ません。橋を行って戻るだけ。昔の私なら渡らねぃよ!と思う所だけど、折にふれ目を楽しませてくれるこの神橋には愛着もある。このお金が維持費になると思えばお布施と思い御易い御用。
金谷ホテル大黒山散策路入り口の変なモニュメント
昔は高貴な人しか渡る事を許されなかった神橋を神妙に渡り、橋の真ん中で大谷川を臨む。う〜む初めての風景を堪能。写真もパチリ。ついでに後ろ側の風景もパチリ、としようとして気がついた。神橋と平行にかかる橋から観光客がこちらにカメラをズラリと向けているじゃないか。もしかして私、ここに居ると邪魔?行きはヨイヨイ帰りはコワい。復路はいつだってちょっとさびしい。

金谷ホテルの売店で百年カレーパイを買い、ついでに 前回撮り損ねた散策路入り口の石像 を撮影。盛りだくさんの一日はこうして終わった。神橋から駅までは約二キロ。駅に向かうコースはゆるい下り坂なので私の足で歩いても十五分程。土産物屋を冷やかしながらのんびり帰りましょう。
A田母沢正門 B慈雲寺 C石田屋 D翠園
次は東大植物園(田母沢の南側の灰色部分)に行ってみたい
え、権現様にお詣りしないのかって?あ〜、東照宮は好きだけど家康って何か好きになれないのよね〜。というわけでまた今度ね。夏もそう言ってた気がするけど気にしない。多分近いうちにまたC定食を食べに来ると思うし、それまでどうぞ御達者で!
帰路は特急を利用して二千円ちょい。二時間かからずに帰宅。なんだかクセになりそうです。鞄に本をしのばせて、ゆったりと時間をつぶしながらの日帰り観光地。いかがでしょうか

2012年10月16日火曜日

色に出にけり我が乞いは

パーソナルカラーってご存知ですか?平たくいえば自分に合う色味。以前から興味があったパーソナルカラー診断に出かけたのですが、とても面白かったのでちょいとステマってみます。私が試したのはこちら パーソナルカラー診断 

すっぴん肌に色布を合わせて反射の具合を見て、合う合わないを見極めていくのですが、素人目にはこれが難しい。そこを診断士さんが納得いくよう巧みに説明してベストなカラーを見つけ出してくれます。
私はサマータイプでした
私の肌のウィークポイントは赤ら顔&目尻に出る茶色いクマだったのですが、診断士さんが提示した布をアゴ下に持って来ると、アラ不思議。スッと肌の赤みが消える色布が確かに存在します。茶グマが消える色とアゴのラインがすっきり見える色を見分けるのは私には困難だったのですが、そこはプロ。合う色と合わない色を交互にした布をフラッシュカードのように顔下でめくってみせて、なるほど違いがあるということをしっかり理解させてくれました。
地肌で診断するため、すっぴんにならなきゃならないのが難点ですが、診断後はプロのメイクを体験。色の選び方から乗せ方までわかりやすく説明しながら顔を作ってくれました。
今回、打ち解けて話し易い雰囲気の診断士さんにリラックスした状態で見てもらえたのが何よりも良かったです。料金はHPにもありますがベーシック2時間おひとり様で一万円オーバー。昔の私なら食べ物以外でこんな大枚はたくのは有り得ない!ですが、この年になると若い頃の服は冷や水的なムリが生じてもう着られないという事実。and オシャレから何億光年も離れた人間だったので、いざ服を買うとなると何を買ったらいいのかもわからない。then せめて色で思い悩んで買い物を断念するのだけはもう返上したいものだ、というのがパーソナルカラー診断に踏み切った最大の理由。オシャレにお金をかけてこなかった酬いと思って今回エイヤ!と支払いましたよ。(とはいえ私のリサーチではこちらの診断はむしろ安価な方でした。受講を数回に分けてる所も多いので一回完結なのも良心的だと思います)

派手な化粧は嫌と思っていた私は漠然とブラウン系で顔を描いていたのですが、実はピンクやプラムが合うと知り愕然。でも確かに診断士さんに施してもらったお化粧は肌になじんで自然なのに華やかになる。帰宅途中に東急ハンズに駆け込んで手持ちになかったピンク系メイク用品をあわてて買ったですよ。翌日から早速、見よう見まねでメイクチャレンジ!家人からは「別人だ!」「キレイ〜」という評価をもらったのは良いけれど、なんだか今までの私を否定されてる気分がしないでもない。別人認定されるほど変わっちゃいない……はずなんだ…けど…/_;)

2012年10月9日火曜日

カナヤのおまけ

ちょっと野暮用が入ってブログup をサボってしまいました。遅ればせながら今回は日光金谷ホテルに関する諸々を徒然と。
まずはウェルカム歯磨き粉 ブレスパレット をパチリ。スイートの宿泊客限定なのかな?チェックイン時に31種類の歯磨き粉の中から好きなフレーバーを一人一本プレゼントされます。今回私達が選んだのはカリフォルニアオレンジとレモンティ。ドギツクない淡い香りで、しっかり美味しい味のする不思議ペーストでした。ホテルの売店でも売っているので自分土産にローズとジンジャーも購入。使うのが楽しみ。

夜の写真は宿泊客ならではの記念品よね〜、というわけで金谷ホテル入り口をパチリ。おりしも140周年のイベントを秋に控えて玄関脇には横断幕が飾られています。


バーに行けるのも夜まで居られるからこそよね〜、というわけでバー「デイサイト」もパチリ。こちらは店内が真っ暗なので写真はかなり修正を加えています。でもおおむねこんな雰囲気。暖炉に火が入るシーズンに伺ってみたいものです。


こちらは知る人ぞ知る、家族風呂。本館2F通路の写真展示を見回っていると行き当たります。古くて狭い水回りが苦手だからクラシックホテルに泊まるのはちょっと…と敬遠してる方はこちらを利用するのも一興。こちらも年季が入っているのは一緒ですが。

と、いろいろ楽しんだ一泊旅行でした。
最後に第二新館に宿泊する方に入れ知恵を少々。第二新館側から食堂に入るとそのまま新食堂の席に案内されます。テラス側で朝食を食べたかったらグルリと回り込んで正式なダイニング入り口から入りましょ。やっぱ朝の光がいっぱいに差し込むテラス席で食べる朝食は格別だもんね。
というわけで長きにわたり書き綴った金谷ホテルシリーズは今回でおしまい。ご清聴ありがとうございました。また見てね〜

2012年9月27日木曜日

時の過ぎ行くままに

前回、お楽しみに〜と風呂敷広げたものの期待に添えるようなレポはできません。なぜなら食べ始めると夢中になって料理の撮影ができないから >_<。よってメインダイニングの食事内容は、例によって 参考ページ をご覧ください。
とはいえ写真はなくともブログは育つ。うまい、マズイが混在する口コミ情報について今回は私なりの見解を述べさせていただきましょう。と風呂敷広げてみたりして。

さて、お立ち会い。
好きか嫌いかで聞かれたら、私は金谷ホテルの料理が好きです。惜しむらくは料理によって力の入れ具合がアンバランス。これがコース料理を食べた時に違和感を醸す原因と見た。例えば途中で出て来るサラダがですね、喫茶店のランチサービス生野菜みたいだったりするんですよ^^; 。例えこのスタイルが古き良き時代のニッポン洋食なんだとしても、眉目麗しい外食を食べ慣れてるイマドキ日本人には手を抜かれた感が否めない。観光地価格で麗わしのお値段なわけですし、同じ金額で都市部ならどんな料理が出るか…とか   雑念の多いじゃなくて   経験値の高い人ほど「えぇっ?!」と思ってしまうのでは?
前菜の魚料理。味付けは抜群に美味しい!
んが!コンソメゼリーのキューブに注目
写真をご覧ください。お魚、美味しゅうございました。切り込みが入った団子状のゼリーキューブが載ってたんだけど、コレ絶対バラしたキューブを散らして完成品にするつもりだったはず。値段との兼ね合いで残念感が出ちゃうのは多分こういう部分^^;  お茶目で好きだけどね、こういうの。想像するに少数気鋭のプロが作った料理を多数の素人さん(失敬!)でサポートして切り盛りしてる感じ。これは実は金谷ホテル全般に言えることではないかと今回の宿泊で気がつきました。
味の評価はズバリ独創的。「ありそうで無い味」が多い。名物の虹鱒ソテー、アレに類する料理は他でお目にかかった事が無い。百年ライスカレーしかり、チーズブロートしかり。一見(一味?)どこにでもある普通の料理。だけど注意深く咀嚼して、その味のオリジナリティを堪能して欲しい。考えてみれば江戸から明治、大正にかけての日本人にとっての洋食とはどれだけキテレツ風味であったことか。バタ臭いなんて言葉が示す通り、昔の日本人にとって洋食がかなり苦しいモノだったことは想像に難くない。調理人にとっても、西洋人のお客と自分の舌の折り合いのつく着地点を探りながらレシピを構築してきたのではないでしょうか。その古き良き時代の味を踏襲してきたのが金谷の料理なのだなと思います。今風ではないけれど、懐かしい日本の舌に根ざした味、との認識で是非一度、試してみて欲しいダイニングです。

さて食後は1Fにあるバー「 デイサイト 」でターンダウン。薄暗い店内から通路の明かりをぼんやり眺めながらカクテルを。店内は真っ暗と言っても過言ではないのに、これが不思議と落ち着く空間。居間に転がした空き箱の中に猫が潜みたがる気持ちがなんとなくわかった。ただ、静かに。漆黒と沈黙を楽しむ時間。
ダイニングの装飾はやっぱりステキ!
と、突如頭上からすさまじく物をひきずる怪音が轟く。なんだろこれ、すごく懐かしい響き。そうこれは上の教室で掃除が始まって児童が机と椅子を一斉に移動させてる響きだ。Yes!バーの真上はメインダイニング。時計を見ずともダイニングが終了した時刻であることがよ〜〜〜くわかりましたよっと。
金谷ホテル、ここはプロと素人が手をとりあって切り盛りするホテル。それが持ち味でもあり、コストとのギャップに苦笑する部分でもある。金谷でかかるコストは有形文化財の維持費と割り切りましょう。そうしましょう。て、ちょっと待て!有形文化財なんだからダイニングの床をひーきーずーるーなーーー!ww

2012年9月21日金曜日

おいでよ散策の森

金谷ホテルに宿泊するにあたって楽しみにしていた事の第二弾。ホテルの散策路を歩くぞ!この日のためにトレッキングシューズも用意した。部屋で野良着?に着替えていざ出発!
大谷川散策路を降りるとこんな風景に逢える
金谷ホテルのロビー前にある奥庭から大谷川(オオヤと書いてダイヤなのね)に出る大谷川散策路はよく目につくので降りて行く人は多い。しかしもう一つの大黒山散策路、こいつが謎に満ちている。まず入り口がどこにあるのかわからない。ホテルの人に聞いて行けば良かったのですが、奥庭をさらに奥へ入った駐車場方面にそぞろ歩くうち、それらしき小径を発見。そこに分け入った私達夫婦が目にしたものは…。

仲間由紀恵と阿部寛の『 トリック 』てドラマありましたよね。横溝正史ばりの怪しげな村落に出向いては奇怪な事件に巻き込まれ、トリックを暴き…そう、あの舞台に使えそうなぁゃιぃ風情の散策路入り口を発見。大きな狛犬風の石像と、苔むして半ば朽ちたこれは…大魔神?!驚きのあまり写真撮るのも忘れた
なんというかね、深閑とした森の中でヒトの作りしものが野ざらしになった風景ほどぎょっとなるものはありませんね。まさに震撼。諸行無常というか「お前もこうなるぞ」という自然界からの無言の威圧感。誰かに見張られているような、田舎の山で子供の頃に感じた懐かしい「怖じ気」を思い起こしながらの入山。
その割りに、歩き出すと途端に猿みたいになって急峻な山道をえっほと駆け上ってしまいましたよ。子供時代、こういう崖みたいな斜面で遊ぶのが大好きだったんだ〜。そう、これは散策路と言うよりガケ。いろは坂よろしく、つづら折りになった細い小径を先導する私は何度も蜘蛛の巣を顔面突破しながら登頂。この事からも、このコースを利用する人が居ないことがわかる。猿と化した私は旦那に半ば呆れられながら10分程で頂きに到着。小さな社に手を合わせて周囲をぐるりと見渡すと、あらこんな所に農園が。
休眠中っぽく見える農園
後で知ったが、ここは金谷ホテルがGHQに接収されていた頃テニスコートとして利用されていた平地だとか。マッカーサーもここに立ったのね、と感慨もひとしお。打ち捨てられていたこの平地は現在 金谷菜園 として復活。…復活…してる?

 登ってきた反対側に別の小径を発見して、帰路に利用。こちらは一部、急峻な場所があったものの全体的に緩やかな斜面。やがて広けた空間に出るとそこは、あらやだ、ここって竜宮ですわ。
大黒山を降りると右手に竜宮出現
左手に第二新館が見える。避難路を渡るとここに出る


冬は氷が張るスケートリンク
本館3Fから出入りするために分かりづらく、意外と知られていない「竜宮」はプール、スケートリンク、展望室を備えたホテルファシリティ。空中庭園を思わせる高台にあり、オリエンタル情緒たっぷりな展望室(今は一階部分のみ写真展示室として使われている)と西洋式アミューズメント施設という異色の組み合わせは竜宮の名にふさわしい不思議時空。というか、大黒山散策路に入る人はここから出入りするっぽい。ちゃんと案内板も立っていた。
夏の終わりのプールはさびしい

ホテルHPには大黒山は健脚向きと書かれてる。所要時間を見ると…一周30~40分。うげっ、20分程で駆け上って駆け下りて来てしまったよ。どうりで下山時にヘロヘロになったわけだ。しかも次の目的地、大谷川散策路に向かうには、この汗だくでドロドロな状態でホテル内を通過せねばならぬ。正面玄関から「行ってらっしゃいませ」と見送られたばかりなのに恥ずかしい。というわけで二つの散策路を制覇したい方は、最初に竜宮経由で大黒山→大谷川というコース取りをおすすめします。
大谷川は岩場歩きができる靴を推奨。川縁に降りるのはただのフラットシューズで充分ですが、岩場も歩けるとなると楽しさ倍増。石の形状を見極め、足裏の感覚を頼りに岩場を渡り歩いて気分はすっかりなんちゃって渓流遊び。こんな風に自然と戯(たわむ)れるのは何年ぶりだろう。ただしトップの写真を見ても分かるとおり、本流はかなり流れも速く深いので自然となれ合うのだけはご用心。山遊び、川遊びの愉しさと怖さを記憶の奥底から甦らせて、なかなかに楽しいひと時でした。
お腹もいい具合に空いたし、次回はドラマ「白州次郎」でダンスシーンにも使われたというレトロなメインダイニングで夕飯だ!お楽しみに〜

2012年9月13日木曜日

眺めのいい部屋

引き続きオレンジスイートの景観について。
リビング部分の開口は二カ所。こちらは本館3Fと同レベルで窓が向き合う形になるため、かなりキツイ展開になるであろうと予測していたのですが…どうでしょうか。私は許容範囲。各自、写真を見てご判断ください。
下の二枚はホテル正面側の窓から身を乗り出して別館側を臨む形で撮影。視界に入る本館客室は屋上に面した三部屋だけで、他は実質ホテル施設室(スタッフルーム?)でした。左写真に見える煙突はバーの大暖炉のものと思われます。
本館屋上部分
屋上の下には新食堂がチラリ

ソファ横の窓から見えるのは
竜宮(プール)に繋がる通路の施設室

お次ぎは書見台窓の外を見てみましょう。
書見台の窓は左手が大黒山
窓から右手を覗くとこんな感じ
こうして見ると第二新館は2F以上であれば遥か遠くに山々を見渡せる眺めのいい部屋かもしれません。1Fをアミューズメント部屋に改装したのは賢明でしたね。
ソファ横窓から竜宮方面を臨む
田舎の祖父宅を思いだす
おまけ
寝室に寝転んで見る風景

部屋の中は広々しているので実に快適でした。中でも気に入ったのはカッシーナのソファ。座面が低いソファも良いものだな、と座り心地の良さにうっとり。バーコーナーにあった紅茶「クリームオレンジ」の本当にクリーミーな味わいにもまったり。そしてウェルカムミュージック?の鳥山雄司のギター演奏DVDに不覚にも癒されてしまった。(このDVDはわざわざ鳥山さんがこの部屋に来て演奏してる映像というおもしろ企画品)
さて部屋で少しくつろいだことですし、今回の宿泊の目玉の一つ、散策路探検に出かけてみましょう。詳細は次回で

2012年9月6日木曜日

第二新館を探せ

歴史有る日光金谷ホテルの4棟のうち3棟は有形文化財登録を受けた建物だというのに、あえて登録がされてない第二新館に宿泊。この酔狂な企画の理由を尋ねられても明確な返答ができない。強いて言えば、金谷ホテルは日光をドライブする際によく利用しており、その都度「あ〜、いつかここに泊まってみたいわ〜」と羨望の眼差しで別館を見上げるのがお約束のようになっていた。本当に泊まっちゃったら、その台詞はもう言えなくなる。憧れは憧れのままにとゆーか、お楽しみを先延ばしにして長く楽しむとゆーか…自分でもよくわかんないや。(旦那のホンネは古い水回り設備がキライ、という所にありそうな気もしますが^^;)私達夫婦はこうした変な思いつきで行動することが多々あるために、今回の旅行もいろいろと…それはまた別のお話。
クリックすると拡大する  かも

それはともかく第二新館潜入記。行ってみよう!まずは避難経路案内図から。本館はレトロな装飾がステキなメインダイニングのある建物。図の手前側がホテル正面で、18号室の1F部分が回転扉のある入り口。本館と第二新館1Fを繋ぐ余白部分は本館2Fの屋上にあたり、この下に新食堂(メインダイニングの拡張スペース)と厨房がある。ちなみに本館奥に斜め通路で繋がれた建物が新館(の2F)。別館を新館と紹介しているサイトも多々ありますがそれは間違いですので宿泊の際にはご注意下さい。
どうでしょう。本館入り口は回転扉が有名ですし、別館は専用の立派な玄関があるから良いとして、第二新館の入り口がどこだかわかりますか?
答えはこちら。
1F珈琲ショップ、メイプルリーフ脇の通路をカレーの匂いに包まれて進むと階段が出現。ここを登ると左手に新食堂の入り口があり、右手前方には立派な構えの内扉が(左図の新食堂横通路が右に折れた所)。この門をくぐればそこが第二新館のB1。通路を左に折れて(図の切れ目付近に)折り返す形で振り向くと階段室とエレベーターがあります。
これが第二新館入り口
よく見ると眠り猫が居ます












そう、つまり入り口は案内図にはない第二新館B1=本館2F部分にあったのであります。なんとも複雑怪奇。 カリフォルニアのミステリーハウス を彷彿とさせる。あれよりはずっと快適ですが。
さあ、ずんずん参りましょう。今回宿泊したオレンジスイートは第二新館の1F。階段をとことこ登るとすぐそこが目当てのお部屋。
扉を開けると…
地階に続く階段

 オレンジスイートの詳細はこちらをクリック 
部屋の写真はプロのページに任せるとして、私は誰も書かない部分についてリポートしましょう。なんせ景観のまずさから人気がなかった部屋という話ですからね。そこんとこは誰しも気になるところでしょう。
寝室奥からの眺め
ちなみに我が家の居間の眺め
 まずは謎に包まれていた寝室の窓外風景から。第二新館はホテル裏側の大黒山斜面に貼り付くように立てられています。よって当然のことながら寝室側の窓の外は大黒山…を掘って石垣で固めた風景。景観は期待できないと最初から分かっていたので、むしろ誰が通るわけでもないこの風景はこれはこれで許容範囲。というより、これ・・・ウチの居間の風景とあまり変わらないかも。
今明かされる第二新館の外観 の、裏側
左の写真は大黒山散策路から第二新館の裏側を撮影したもの。3F非常口から渡り廊下で大黒山に繋がってた。(つか、この古い避難路は本当に渡れるのか? ^^; )
写真右手へ進むとすぐに竜宮(プールとスケートリンク)に出られる位置関係。
山の緑に覆われ、成る程どのサイトに行っても第二新館の外観が見られないはずだわ。次回はリビング部分の窓外風景をリポートします。お楽しみに〜

2012年9月1日土曜日

歌を忘れたカナヤには

歌を忘れたカナリアは象牙の舟に銀の櫂
月夜の海に浮かべれば忘れた歌を思い出す
こちらが有名な別館
Nikko Kanaya Hotel is a famous historic hotel
帝国ホテルに続くヒストリックホテルシリーズ(シリーズ化できるのか?!)第二弾。日光金谷ホテル宿泊記でございます。御用とお急ぎでない方はごゆるりとご観覧くださいませ。時は明治の始め…と、 来歴について はネットで沢山出てるのでそちらを参照ください。今回の私は誰も書かなかった金谷ホテルの第二新館の謎に迫る!をテーマにしております。
明治の建物がそのまま使われている金谷ホテルは正統なるクラシックホテル。中でも箱根の老舗 富士屋ホテルの華御殿 の手本となった別館の風情たるや、ため息の出るようなクラシカルっぷり(別館は昭和10年竣工)。「いつかは泊まってみたいものだ」とずっと考えておりました。その憧れの金谷ホテルに泊まる機会がついに訪れたのでございます。

正面玄関と右手の別館が有名ですが
視線を左にそらすと本館奥にひっそりと第二新館の姿が
日光金谷ホテルには明治期に建てられた本館、新館、そして昭和初期に建てられた別館の他に謎のべールに包まれた第二新館なるものがある。この第二新館、戦後に建てられた鉄筋コンクリート建てで、どうやらスタンダードタイプの部屋が集結している様子なのですが驚く程情報量が少ない。そもそもこの建物だけは外観写真を見つけられない。どこから入っていくのかも謎。スタンダードに泊まった人の体験記を見てもロビーやダイニングルームのすんばらしさに言及してもお部屋、ましてや第二新館を取り上げた話はほとんど全く出て来ない。これは…早くもオケラのかほり。イメージ的に戦後の高度経済成長期にヒョイと建てられた団塊チックな棟。それが第二新館。それはそれで平成の今となっては歴史の一つと捉えられなくもないですが。

口コミ情報で情報を得ようとしてさらに驚いた。スタンダードで予約をしたお客様のほとんどが当日アップグレードで別館や本館に「泊まっちゃいました♪」みたいな話がちらほら。もしかして第二新館というのは実在してないのでは…な〜んて新説をぶち上げたくなる程の謎っぷり。
いいでしょう!これは私がやらねば誰がやる。第二新館に泊まってレポしてみようじゃないですか!というわけで?第二新館に一つだけ作られた小山薫堂プロディースのスペシャルルーム「オレンジスイート」に泊まることにしましたよ。
国指定登録有形文化財に指定されている、本館や新館、別館などの客室に比べると、昭和36年に増設された第二新館にある150号室は、時代的にも若干中途半端な印象を受けてしまう。スイートルームで広いけれども、客室からの景色が良くないという理由で、あまり利用されていない部屋です。ホテル側に、この150号室を好きに使っていいかと打診したことが今プロジェクトの始まりです。(小山薫堂オレンジスイートプロジェクトより抜粋)

あ、やっぱりそういう場所なのね。果たして歌を忘れたカナリヤは歌を取り戻しているのか否か。詳細は次回より。謎の第二新館情報をたっぷりとup する予定でっす。お楽しみに〜

2012年8月26日日曜日

此岸と彼岸のはざまで一服

喫茶店は良いですね。カフェじゃなくて喫茶店。私の中ではカフェは人が入れ替わり立ち替わりする気ぜわしいニュアンスがあって、喫茶店とは何か違う感じ。私のイメージする良い喫茶店とは、店主の個性が感じられ、扉の内外で時間の流れ方が違う店

店主の個性は店の設え(しつらえ)に現れるし、メニューに独創性があればそれはもう間違いない。大切なのは画一的なもの(あるいは大量生産的なもの)からは距離を置いているということ。これが結果的には結界となり、店内に入った時に時間の流れが変わる魔法を醸し出しているんだと常々思う。
トーストも喫茶のたしなみ
Let's make a toast ?!
学生の頃まではそうしたお気に入りの喫茶店をいくつか持っていて、その日の気分で渡り歩いたり友人と紹介しあったりして楽しんだもの。社会に出るとそうした時間を持つこともなくなり、親しんだ店自体も畳まれたり今風に改築されたりで足を運ぶことも無くなった。一番の決定打は昔ほど胃袋が大きくなくなったことでしょうけど(^^;)

さてそんな私が久方ぶりにアンテナ立っちゃう喫茶店に巡り会いましたよ。つくばエクスプレスみどりの駅にほど近い、と言いたい所だが実はちょいと距離がある 珈琲店 カ タ ミ 。これがなんというか、荒野の一軒家。な〜んにもない所にぽつねんと建っていて最初は全然気がつかなかった。この沿道には個性豊かな店が他にもあって、その名も「生そば もとむら」。昭和の喫茶風店構えにして「そば」の暖簾を掲げ、その横には「うどん」ののぼりアリ。さらにあろう事か夏になると駐車場に「冷やし中華はじめました」の旗まではためかせる始末。こちらに目を奪われていたため珈琲店の存在は完全にかすんでしまっていたわけです。
興味はあるものの、もとむらに入る勇気は到底なく、その変わりと言ってはなんですが黄色い荒野の一軒家に初トライ。むせるような夏の日差しから逃れ、駐車場から店に入ると思いがけず広々とした吹き抜けの下、清潔なカウンター席が目に飛び込む。お店には可憐な印象の女性二人が涼やかな接客でお出迎え。一歩店内に入ったら別世界。これよ、これぞ喫茶店の醍醐味!結界の中に踏み込んだ確かな足応え。この世のあの世はここにある。

結界を破りし者、決してそこに長く留まってはならない。必ず元の世界に戻ることが肝要。喫茶店の不思議時空に浸りながら、私のこの一ヶ月が異界に暮らすようなものであったことに思いを馳せた。時に自分の立ち位置を確かめるためにも、違う時間の流れに身を置くのは大事。良い喫茶店にはそんな浄化作用があるんです。
さて、しっちゃかめっちゃかだった8月に別れを告げて、此方と彼方を行きつ戻りつゆらゆらと我が道を見失うことなく進みましょうぞ。
来月は旅の話なんかを重点的にしたいと思っています。お楽しみに〜

2012年8月11日土曜日

事実は小説よりげんなり

さてエライこっちゃ。ネット犯罪に巻き込まれましたよ。進行中なので詳細は書けませんが、これは絶対いつか本にして印税を手に入れないことには腹の虫がおさまらない。犯罪そのものよりも警察の対応についてはいろいろと思うことあり、これだけでも一冊書けちゃうかもね。というくらい、これは酷い。
それっぽい写真がない><

犯行発覚の翌日に届け出たにも関わらず、あれからもう3週間。未だに「届けを受けるの受けないの」で膠着状態。地元警察はネットに詳しくないという理由から(←この言い訳はいかがなものかと…)最初の一週間は返事保留でムダに待たされ続けた。届けが受け付けられないと捜査ももちろん始まりません。
犯人と戦う前に警察と戦わねばならぬとは、お釈迦様でも知るまいよ。ネットを利用してるので残した足跡は歴然。犯人に繋がる手がかりは他の犯罪にくらべりゃ断然有利(現行犯逮捕を除く)。例えばそれがネットカフェで行われた犯行だとしてもイマドキは防犯カメラが記録してるし、早く手を打てばそれだけ犯人に到達するチャンスも大きい。
だがしかし!ネットカフェの防犯カメラ記録だってそんなに長い間残してる保証はない。迅速な対応で動かぬ証拠を素早くゲット!と思っていた私も、さすがにもうそんな夢は見らんない。百歩ゆずって犯人逮捕はあきらめるとしても、そうこうしてる間に事態はもっと悪い方向に進展していたものだから、もーー段違い閉口房。

と、そんなこんなでブログ更新も手が回らなかったのですが少し気持ちを切り替えて、感じたことアレコレを。
警察にゃ警察の言い分があるんだろうな、と念頭に置いた上で言わせてもらうけど今回の対応、あまりに人の話を聞かなさすぎた。実害がない、事件性がない、と言われて届出をお断りされるのはよく聞く話なんだけど、そもそもそれって誰が判断すること?はなから否と思い込んでる人に説明をする徒労感ときたら半端なかったです。せめて事件性がないかどうかは、ちゃんと調べた上で言ってもらえないものかと…。今回、事件発覚時に見えなかった場所できっちり実害は出ていたんです。調べてくれたならすぐに分かった事なのに。

最初の一週間で警察を頼れない事に気がついてからは各方面に向けて問い合わせの全力疾走。その活動中に見えてきたのは、話を聞く気がある人とない人とでは事件の扱いが全然変わってしまうという事。してみるに、犯罪被害者が被害者として問題解決にコマを進められるかどうかは、誰が、何処が対応したかの運次第ということになる。そういう意味で私は完全にハズレくじ。そもそも犯罪被害に遭う事自体、大ハズレ。

ハズレが出たらもう一本。実はこのすったもんだの最中に別件で通り魔的事件に巻き込まれてしまった。丸腰で出向くと警察に丸め込まれてお家に帰されちゃうと学習してしまった私は疲労困憊して110番通報が出来ずにいた。(←正常な判断力を無くしてた^^;)「こんな事で通報して良いかわからないんですが…」と謝りながら話をすると電話口で「こんな時こそ110番じゃないですか!」と励まされちょっと泣きそうになった。駆けつけてくれたお巡りさんも、じっくり話を聞いて現場検証も炎天下の中で黙々とこなしてくれた。現場の人達の頑張りには頭が下がる思いをしたし、本当に頼もしく有り難かった。そ〜れ〜に、ひ〜き〜か〜え…げふんげふん。その辺りはまた追々。

2012年7月28日土曜日

ジャストなアンサーにご用心!


はい!ネット検索で辿りついたそこのあなた!
記事を改訂しました。コメント量が膨大になり必要な情報が引き出せなくて困惑するお急ぎの方々と何割か顕在するうっかり八兵衛な方々のために、追記部分を先に掲載します。母親ならきっと誰だって「履歴書も申込書もSNSも、全ては書き込みの前によく読んでからやるのよ〜」と注意喚起します。てなわけで、最初によく読んでくらはい
                    
追記 
コメ欄が長くなったために分かりにくい様子なので浮上。
サービス停止解約メールはユーザー向けメアドに送信する事になっているようです。『日本語でお問い合わせください』という項目があるので現在は日本語オッケーのようです。サイトのデザインが不定期に変化するのでその都度メアド変更してないか確認に行くのも正直面倒なので各自探してみてください(^^;)お問い合わせとか、利用規約というワードがどこかにあるはずなのでそれを探してクリック!その中に問い合わせメアドが明記されているはずです。
解約を希望する人はメールで「月極会員契約をする意志は無いことと解約を求める旨」を明記してサクっと送信。これでなんとかなるハズ。嫌なことあった後には良いことも必ず来るから、泣いちゃダメだよ〜(^^)/

追記2
2013/9/7 ネット素浪人さまより返金に対する有益な情報をいただきました。以下に抜粋します。
『回答が付いてしまった質問には、マイナスの評価で、対応してみてください。あとは、回答への対応時に「納得できないので返金希望」と、書いてみてください。』
回答者に返金手続きの権限はなく、返金そのものは事務局?の仕事なので上記の対応の後で返金がされないようであれば事務局(利用規約10にあるユーザー向けメールアドレスかな?)を相手に交渉することになるのだと理解しました。不安があったらその都度、事務局にどしどしメール送った方が早いみたいです。

よくある質問に対する即答!
必ずしもメールアドレスとクレジットカードの解約は必要ありませんので慌てないで!
知らない間に月極会員になってると毎月引き落としされるからソノ気が無い人は注意して!
サイト内の問い合わせメール欄や解約ページは機能してないらしいので連絡は利用規約10にあるユーザー向けメールアドレスに直接メールで問い合わせて!今は日本語オッケーよ!
転んでも泣かない!!日はまた昇る!!!
そんな感じです

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ではでは本文、いってみよ!

世の中いろんな商売がありますね。先日、諸事情から弁護士の回答を得られるようなネットの相談サイト巡りをしておりましたところ、とてつもなくタチの悪い相談サイトを発見。どうタチが悪いかと言えば、にもすがる思いでいる人にを差し出すような、そういうレベル。(^^;)

私の場合、(赤字はダメポイント紫字は覚醒ポイント
詐欺的な盛りつけの蕎麦
ブログで役に立つ日がくるとは^^;
「無料法律相談」で検索してグーグルの広告欄に出てきたのが「ジャス卜アンサー」。なので、すっかりそのつもりでアクセス←これがダメ1
トップページに詳しい説明は無くシンプル構造。紹介メディアと銘打った有名サイトのロゴにはリンクすら貼られてない。いちば〜〜ん下の会社概要、お問い合わせ等の小さい文字の中に「しくみについて」というリンクあり。重要項目のハズなのに自信なさげな表示←ここが引き返しポイント1

相談を入力して「質問」をクリックすると何度も追加情報を入力するよう求められ、その都度「質問をする」「回答をリクエスト」とクリックを繰り返すこと数回。クドくてヘンと感じはじめるが、質問送信という一つのことに意識が集中。私は質問前に登録をすませたが、多くの人はこの過程で登録情報を入力することになるのでは?登録時には当然メアドとパスワードを自ら提出することになります。

さてやっと質問送信できた!と思った頃に初めて不明瞭な料金の話が出てきます。「回答に満足した場合に支払う金額○○円」と小さな文字で書かれた下に「専門家に質問」ボタン。一体この段階で質問は出来てるの?出来てないの?そもそもここに至って支払い方法は明記されてないし、だいたいそんな感覚的な支払い方法が成立するもの?クレジット情報の入力には人一倍過敏(ケチ)な私は不安を感じてこのサイトの評判・口コミを検索。すると、でるわでるわ。「助けてください」「解約できません」「お金を取り戻すにはどうしたら?」…やはり藁のつもりで糞だったっぽい…。

苦情に目を通した限りでは、クレジット情報入力の際に意図せぬ形で月極会員契約を結ぶことになるらしい。これが毎月定額を引き落とされる契約。解約の仕方なるページはあるもののリンクはなく、解約ページを見つけられた人はどこにもいない、と。
どうなんでしょう、こういうの。噴飯ものなのは、ここの専門家達に解約できない人達から悲鳴のような質問が寄せられているという事実。回答者は解約説明ページを親切に教えるのですが上述のようにそのページから解約にはこぎつけない。所属する専門家達はこの事態をどう捉えているんでしょう?あ、そうか。専門家達がみんな匿名で登録されてるのは、つまりそういうことなのか?!

この情報が何かのお役に立てればと思い、恥をしのんで体験談をUP しました。実際に該当サイトでお困りの方はコメ欄にその旨お知らせくだされば、私の知る限りの対処方法をUP いたします。←書いたら長くなっちゃったから今回対処編は割愛してます。
人から騙されそうな時に注意するポイント(赤字紫字)はリアルもネットも同じと思います。思い込まない、立ち止まる、第三者の話を聞く、普段から情報出力時は敏感になる。皆様も注意深く慎重にして、便利で楽しいネットライフをお過ごしください。

余録
登録メアドに来た推定悪い人からのウェルカムメールにはリアクションをしないこと。こちらが有効なメアドであることを教えてやる必要はありません。それと老婆心ながら、クレジット情報が関わる場所で使用するメアドとパスワードは普段使いとは別に用意しましょう。パスを抜かれない、抜かれても被害を最小限に抑える工夫も普段からしておくことが大切です。