いらっしゃいませ

にほんご べんきょう してきて ください
いらっしゃいませ。ずっと試運転中です。予告なく変更しまくるつもりが仕様変更については手付かずです。

2017年3月29日水曜日

有終の美

タイトルに「美」が続いたからなんとなく今月最後のタイトルも「美」で終わらせたい。と、思ったもののこれといって何も思い浮かばないな。
そもそも「美」ってなんだろう。漢字の成り立ちを見ると「羊の頭をした人物がおおらかに手足を伸ばしているところ」だそうな。大きくて立派な羊を意味している、とも。
ひ、ひつじですかっ?!バフォメット…は、山羊頭か。しかしなんですな、美味しいという漢字がこの羊由来だったというのは意外というか、なるほどというか…。

人間に従順に飼いならされ、毛皮も肉も重用され、確かに羊は有用な美しき生き物。大きくて立派な羊が人々に賞賛されるのも納得がいくというもの。また伸びやかで大らかなる人が安心感を与えて美しいというのも理解できる。
そう考えると私が本能的に「綺麗な人」と「キレイにしている人」というくくりで美女を分類してきた事にも一つの基準が見えた気がする。すなわち綺麗な人は見目麗しい上でおおらかさを感じさせる人。キレイにしてる人は精一杯に手足を伸ばし自分を大きく見せようと頑張ってる人。というふうに私には見えていたのかな?
前回、自らを美しく飾り立てる系の女性達(の一部)の思考が自分の美学とかけ離れていて、いささか面食らった話をした。彼女らの赤裸々で忌憚の無い意見をいくつか耳にしたあとで言いようのない歪(いびつ)でアンバランスな不安感を掻き立てられたのは、羊の仮面を纏(まと)って誇張で伸びきった手足を触手のように広げる有様が、もはや美の追求を通り越して黒魔術めいて見えたからなのか。
正直、こんな奇術で捕まる「ステータスの高い男」なんて本当にいるんだろか?と思わないでもないのだが、世の中は実に良くできたもので「男はステータスが高ければ人間性なんて二の次よ」と思う女性には同等の「パッと見で周囲に自慢できる女なら中身なんて二の次さ」と思ってる風味の男性とうまく利害が一致するようです。それで結婚まで行き着くかどうかは、また別のお話ですが…。

さてさて、他人のお付き合い事情なんてどうでもよい話。ゴシップネタには事欠かず、ある意味ネタの宝庫だった今の職場とは今年度でおさらばです。(書きたい衝動をこらえて良くぞ今までやって来れたと、自分で自分を褒めたいくらい面白ネタはあった。んが、そこは秘すれば華。またの機会にでも^^)。今まで私の周辺にいなかったタイプの人達ともお近づきになれたのは、良くも悪くも人生経験の貴重な一幕でした。良き人との出会いや有益な経験もあったし、思い返せばどれも愛しき日々。
過大に手足を伸ばす事なく、さりとて過小に自分を縮こめる事なく、自由でおおらかに次なる着地点を楽しみたいと思います。4月を控えて新しい生活に夢と希望と緊張感を抱く皆様におかれましても、どうぞよい旅立ちの時をお迎えください。

それでは、また。って、コレ最終回じゃありませんので、念のため。

2017年3月20日月曜日

美は誰がために

ふと気がつけば私の友人にはカワイコちゃんが多かった。生まれたときから側にいる姉からして近所でも評判のべっぴんさんだったので、常に美人母娘と褒めそやされた後で「妹さんは…お父さん似なのかしらね?」と聞かれる事にも慣れていた ^^
そんな姉から衝撃の発言を聞いたのは学生の頃。その日、私は中高生の頃から撮りためた写真の整理をしていた。横から覗いた姉が「あんたの友達って可愛い子が多いのね」と話しかけてきた。友達を褒められてちょっと嬉しくなった私は高校時代のイチオシの子の写真を得意になって見せていたのだが、そんな私を憐れむように彼女は言った。「その友達はあんたのことを引き立て役だと思ってるよ」
なんてこと言うんでしょうねこの人は!つか考えたこともない発想
いやちょっと待てよ。考えたくない事だが我が美人なる姉は友達に対してそーゆー考えをする人なのか?姉は美人だがどちらかと言えば質実剛健な性格だと思っていたのでその発言には驚かされた。正直「女ってナニ考えてるかワカンネーな」と思った。
ところが似たような経験をその数年後、別の美人さんから受ける事になる。その人は後に芸能界入りを果たすくらい別格の美人さんだったのだが、小さい頃に一部女子からつまはじきにされるイジメを受けていて異常と言えるほど控えめで優しい性格の人だった。ある時、私の姉の写真を見た悪友どもがひとしきり「姉さん美人だ、妹とは血が繋がってない」と盛り上がった事がある。後にその美人さんと二人きりになったとき彼女は「お姉さんが美人でずっと嫌だったでしょう」と切り出してきた。「え、なんで?」「だっていつも比べられちゃうでしょ、嫌だったんじゃないかな
姉をネタにしてからかわれていた私を慰めてくれるつもりだったのか、今となってはわからない。だけど比べられて嫌という発想は自分には皆無だった。むしろ姉が美人と褒められるのは子供の頃から誇らしいことだったのだ。

自分が顔の美醜にこだわらない性格になったのはあまりに比べられすぎてあっしには関わりのねえ事でござんすと早々に戦線離脱したからなのか?そりゃキタナイよりはキレイにこしたことはないけど当社比で恥じるところがなければなんら問題ない。
姉にしろ友人にしろ、私の周辺にいたカワイコちゃん達は過剰に自分を飾り立てるようなことはしない人たちだった。そういう意味では視覚的な美よりも内なる美徳こそが近しい人になれる価値判断の基準だったと思う。
と、そんなことを考えるようになったのは医療関係に近い仕事に就いてから。ここは今まで私の至近にいなかったキレイキレイにしてるお姉さん率がバカに高い。キレイなお姉さんとキレイにしているお姉さんは似ているようでチョット違う。私の考えるキレイにしているお姉さんとは自分を飾り立てる事に熱心な人たちの事。
私の数少ない聞き取り調査によると、彼女達はより良い配偶者を得るために自分の価値を高めるべく美を追求する、という事らしい。(余談だが、美しい私と食事できるんだから男は奢って当然という話も聞けた)なるほど価値観が合わないからこの系統の人と今まで親しくなるチャンスはなかったわけだ。
とはいえ、私はその考えを否定はしない。良い配偶者というのが「諸条件の良い配偶者」の事だったり、「自分はメシを奢られるだけの価値がある」という考えは人間味としていささか疑問の余地は残るが、生物として考えるなら実にメスの本能に従った行動だと納得できるからだ。貢物をさせて値踏みして、安心して子供を産み育てる環境が整えられる好条件のオスを選ぶのは動物としては至極まっとうでヨキカナ善き哉。

と一人合点していた私はまたも衝撃発言を耳にする事になる。「エリートと結婚して生まれた子供がバカだと私のせいにされるから絶対子供は産まないんだ」
え〜!動物的本能じゃなかったのー?!つがいの目的が個体保存のためだけなんて…
やっぱ価値観違うとナニ考えてるか、さっぱりワカンネーな。多分お互いさまだけど ^^;

2017年3月12日日曜日

美味いものが食べたい

ロビーの生花は百合水仙と桜!
久しぶりに美味しいものの話でもしましょうかね。お祝い事があったので帝国ホテルのレ セゾンへ。いやもう本当に久しぶり。ブログにはupしてないけど前回は何を食べたかしらと思ったら、とんと思い出せない。脳裏に料理は焼き付いてるのに、ご覧の通りティエリーヴォワザンの皿はイッチャッテルのが多いからそれが何だったのかを思い出せなくなっている。いつだって食べ物の記憶は鮮明だった私としては由々しき事態。

てなわけで、備忘録。いつものようにランチ訪問。ランチムニュは3皿か4皿かを選ぶ形式ですが、今回は5皿というのがお目見えしてました。前菜、魚、肉、デセールの4皿ムニュに加えてシェフの日替わりアントレがもう一皿つく組み合わせ。でも4皿でお腹いっぱいになるからいつものように、カトルプラ シルヴプレ〜。
アミューズ
キャビアみたいな蓋つきの容れ物で登場
アミューズからして既に趣向が変わってた。何ですかこれは、美味しい!海苔のムースの下にカンパチ(おそらくタルタル仕立て?)が仕込んである。コメハゼやピスタチオの食感と合間って刺身のプニプニした舌触りが楽しい。何よりも海苔の風味が食欲をかきたてる。

話が前後しますが、アミューズはメニューを選ぶ前に運ばれてきます。席に着いたらまず乾杯のための飲みの物選び。旦那は割と迷いなくプレステージシャンパンを選びます。グラスでも普通の外食ディナーに匹敵するお値段なので、通常の感覚なら私は猛然と異を唱えるところですがここへ来た時は共に頭がトチ狂ってるんでむしろ夫婦でやりたい放題。自分では目利きのできないハイクラスのシャンパンをここで試飲するつもりで臨む。実際にここで味わったシャンパンの数々は贈り物をする時の基準として大変役に立つ。高価なものを贈る時の品目としてシャンパンはお薦め(呑兵衛限定だが)。贈られる人がおそらく自分では買わないクラスの記念になるような銘柄は、ここ一番の祝いの席にきっと華を添えてくれるはず。それが美味しいとわかってるものなら贈って安心。飲んだあとは文字通り中身が泡と消えるのもまた良し。
今回は瓶に描かれたアネモネが春めいて嬉しいペリエジュエで乾杯。(自宅なら2万円強払わないと飲めないシャンパンを半額以下で夫婦で味見できるんだから、そう悪い話じゃないと思うんだけどな。←この感覚は食い道楽じゃない人から見るとイカレテルのかしら?)濃厚な蜂蜜のような後味が、アミューズの後にはキュッと引き締まるのを感じたところで黒服さんが今日の献立決めに現れる。前述のようにここで4皿ムニュをむにゅっとオーダー。
アントレは赤座海老
ポワソンは金目鯛の蒸し焼
一つ一つのお皿がまるで絵画のようですが、いつものようにひょいぱくっと平らげる。どうして私たちはゆっくりと食べられないのでしょう。心の病気なのかしら(^^)
ヴィアンドは鶉のファルシー
美味しくてつい夢中になってしまう。コロネのように横たわった赤座海老と並んでいるのはジャガイモのピュレでポロネギの甘い風味が効いている。金目鯛はホタテ料理かと思うような出で立ちで登場。雲丹のソースとのことですがそんなにウニな主張はなく魚の味が楽しめた。
アミューズが立派だったのですっかり終わった気持ちでいたところにヴィアンドのウズラ。
私の焼くウズラと違ってなんて上品なんでしょう。ソムリエに選んでもらったグラスの赤(シラー)とともに優美なひと時。ワインの特徴について色々と教えてもらえるのも嬉しいサービスの一つですね。しみじみ

フォレスト
てっぺんのクッキー生地がアクセント
デセールはフロマージュに差し替えてもらう。赤ワインも温存しておいたのでバッチリな展開。なのに写真は撮り忘れ。今回は付け合わせのドライフルーツがジャム仕立てに変わってました。
あ〜、美味しかったな。また頑張ってここに来よう。

お土産ガルガンチュワはフォレストを。マカダミアナッツとほのかなキャラメル味のマッチングが楽しい大人味のパウンドケーキでした。
ほんとはクラシックショコラケーキを買うつもりだったんだけど、食事してる間に売り切れになってた。次回の楽しみを残して本日はここまで