いらっしゃいませ

にほんご べんきょう してきて ください
いらっしゃいませ。ずっと試運転中です。予告なく変更しまくるつもりが仕様変更については手付かずです。

2016年8月27日土曜日

おまけの上高地

初めて上高地を訪れた時のこと。松本インターから沢渡駐車場へ向かうルートをシミュレーションしていてふと気になる蕎麦屋を発見した。あの界隈だと風穴の郷(道の駅)の道路を隔てた向かい側にある蕎麦屋も美味しいと評判でしたが、その直前にある何の変哲もない地元民御用達蕎麦屋に「手打ち蕎麦わたなべ」という店があり、これがまた不思議な評判を得ている。今回は上高地番外編としてリベンジ最終段階 稲核で蕎麦を食べるぞ!の巻をお送りします。
つるっと美味しい綺麗な蕎麦
この町は稲核と書いて「いねこき」というらしい。至近にダムがあり、山の中にひょっこりと現れる小粒ながら色々揃って住みやすそうな、そんな地域。松本から沢渡へ向かうルートの左側に店舗があり、ちょうどカーブにさしかかる所でもあるので振り返らないとそこに蕎麦屋があるとは分かりにくい立地。上高地初訪問の折りはわざわざ振り返って場所を確認したものの、結局食べずに帰宅してしまった。なので今回は沢渡入りする前に絶対に行こうと決めていた。

うん、美味しい。ずば抜けてウマいというのとは違うけど、実に良いお蕎麦。何より安価。もりそば普通盛りを二人で食べてお会計が900えん。都内なら一人前で支払う値段。蕎麦汁は醤油が効いてなんだか懐かしい味。特筆すべきは蕎麦を待つ間に出される漬け物やサラダの数々。珍しい山菜の漬け物はどれも醤油味が効いている。店内の雰囲気とあいまって、田舎の親戚の家を訪れて昼ごはんを食べているようないい感じ。
目にも楽しい木彫りの数々
一番上の獰猛そうな小動物がかわいい!
店内には家人が趣味でこしらえたとおぼしき木彫りの数々が展示されていて、これもなかなかの不思議空間を演出。いやでもこれ、なかなか簡単に彫れるものじゃありませんよ。どれも作り手の心を反映するのか愛嬌がある。

愛嬌?といえば壁に掛けられたお品書きの木札。なぜか一番端っこに「ラーメン400円」の表記…え?!…ラーメン??次に訪れる時は絶対にこれを食べようと心に決めた私であった。

上高地にお越しの際は是非オススメ

2016年8月20日土曜日

ああ、上高地

デラックスなベランダからの眺望
翌日は見事に晴れて気持ちの良い天気。GWを過ぎて梅雨に入る直前のこの季節を選んで良かった。バイカモの咲く頃は7〜8月とのことなので残念ながら見ることはできませんでしたが、それは次の楽しみにいたしましょう。日向を歩くとやや汗ばむ程度で暑くも寒くもない良い気候でした。デラックスベランダからの眺望は想像以上に素晴らしく、一日中ここで山に移る陽光を眺めていたい。日暮れ時もさぞ美しかろう。
連泊したかったけれど今回は休みの都合がとれず一泊で帰宅。一泊だからお部屋を奮発したという側面もあるのですが、これだけ素敵な部屋だと実に名残りが惜しい。なので出立ギリギリまで部屋でゆっくり過ごしました。早めの朝食の後に河童橋を散策して命の洗濯。清流に心洗われ、川岸を歩いて内面の湿り気もさっぱりと乾かす。山に登るのは信仰の一つの形だという。山登りというほどのことはしていないが、それでもこれだけ清浄な気持ちになれるのは山に神様がいる証拠だなと思う。つれづれ

濃厚派
しっとり派
ではでは朝ごはん。今回はフレンチトーストにしてみました。あまり食べる機会がないから味の良し悪しは正直わかりません。普通に美味しかったです。フレンチトーストはパンケーキに比べて蜂蜜の味が際立ちますね。でも蜂蜜食べるならやっぱりヨーグルト!朝からたくさんヨーグルトを食べて余は満足じゃ。今見るとやっぱりベーコンか何か、肉類が欲しいところだが ^^;
朝食メニューはこちら
クリックで大きくなる、かな?
駆け足ですが、お土産も買っておきましょう。今回は朝の河童橋で購入。安曇野タルタルディップが大変美味しかったのでオススメです。あとは飛騨の名物らしい蜂蜜豆板。いろいろ買ったけど美味しかったのはこのあたり。
ディップは空っぽになってるし
今回もやりたい放題の上高地。リベンジその7 バーホルンでダーツ!なんかもちゃっかり達成してきました。春のパリ行きもそうだったけど、今年は盆と正月が一遍に来たみたいにやりたいことをやりたいように遂行して「私、死期が近づいてるんじゃないかしら…」とか考えてましたが、禍福はあざなえる縄のごとし。今になって来てますよ、恐怖の大魔王が。いやはや、いろんな課題が怒濤のように押し寄せてきた。
でもね、ものは考えよう。出来るうちに出来ることをやって悔いのない人生を送る。それも大事なことだなと、この歳になって思えるようになりました。心の底から楽しんだ思い出はその後の生きる糧になる。さて山の神様から遠く離れた空の下、また頑張って行きますかね。

2016年8月13日土曜日

おもいでの上高地

木がはぜる音を聞きながら
床をはじめ手入れを怠らないからこそ
続く伝統のマントルピース
リベンジその5 おもいでのマントルピースを買うぞ!前回、職場のバラマキ土産に「おもいでのマントルピース」なるお菓子を買っていこうと思ったのに売り切れで入手できなかったのです。上高地帝国ホテルの名物、マントルピースを模したこのサブレ菓子、今回めでたく自宅用土産として購入。プレーンとココア生地の二種類が入ってます。バターの風味で大変おいしゅうございました。…はっ!写真がない。またしてもお土産は撮影前にペロリとたいらげてしまった。

リベンジその6 暖炉に火が入る頃を狙え!これはリベンジという程の強い思念があったわけではないのですが、はからずもマントルピースに火を入れる時期にあたった模様(六月初旬)。通例だと夕刻になると担当者がささっと来て火を焚くだけだったようですが、今年からは宿泊客に告知して鑑賞タイムを設けるようになったそうです。
読書室で時間を潰してから早めにグリンデルワルトに向かうとすでにマントルピースを囲む形に椅子が配されていた。腰を落ち着けると飲み物を奨められたのでチェックイン時に頂いた飲み物券でホットワインをいただきます。オレンジの香りが高い美味しいワインでした。夜間はマントルピース回りは宿泊客に開放されているので、不要な人はムリにオーダーはしなくても良いようですよ。火を囲んで心ゆくまでくつろぎましょう。
暖炉に頭をつっこんで
奮闘中の新人くん
時間が近づくと若手の従業員さんがせっせと薪の支度を始め、その様子を眺めながらしばし歓談。やがて新人だという彼の自己紹介から始まって薪に火が入れられます。自分も経験がありますが薪に火を灯すのは意外と難儀な作業。簡単には灯きません。新人くんは悪戦苦闘しながらもマントルピースや薪についての説明、火を熾(おこ)す苦労話などで繋ぎつつ何とか無事に点火。観客も炎が立ち上ると拍手を送って彼の健闘をたたえます。なるほど、これはちょっとしたイベント感。その後はそれぞれが思い思いに過ごすひととき。なかなか素敵な時間でした。

就寝前に見に行くと
暖炉もまどろんでいる様子
火が揺らめいているのを見ていると、人の心は不思議と落ち着くもの。加えて薪からは燻した良い香りが立ち上って何とも言えない風情を宿に添える。位置的に見てもマントルピースから上った煙はそのまま細い管を通って三角屋根のてっぺんにそびえる煙突から天空に抜けているはず。その管の通り道に今回私達が宿泊した部屋がある。果たせるかな、食事を終えて部屋に入るとほのかな燻煙の香りが部屋に充ちていた。匂いの思い出というのは近代的なホテルでは決して味わえない懐(ゆか)しい体験。燻煙が苦手という方には向かないでしょうが、木の香りに包まれた山の中の眠りは得難いものでありました。例によって羽布団は暑かったので足元にだけ掛けて寝ましたが^^
明日は何して過ごそうか。あれをやっておかなければ、という課題から解放されてゆっくり過ごすリゾート地の休日。物見遊山とは違う寛ぎがリピート旅行にはありますね。

2016年8月5日金曜日

くうこともがな上高地

リベンジその3 鉄板焼きであわび!お待たせしました。心残りの多くは食べ物関係と決まってる。 前回の上高地録を見て頂けばわかる通り 、一度食べようと決めたものは執念深く食べるのが私達夫婦。というわけで追加項目リベンジその4 ガーリックライスの注文を忘れるな!の二本立てでお送りします。

あずさ庵の鉄板焼き。今宵の鉄板紳士は熟練の空気漂う貫禄ある調理人。腕に覚えあり感がアリアリとみなぎっている。実際、その手際の良さには幾度も目を奪われてほれぼれした。話術も巧みで日比谷帝国ホテルでのエピソードからテレビドラマの裏話まで話題に事欠かない。作る人と食べる人という構図よりは3人で楽しくわいわいと鉄板を囲んだという風情があった。
食材が良いのも大事だが、味は調理の手際に負うところも大きいと今回の鉄板焼きで感じ入った次第。さて前置きが長くなった。今夜の饗宴をご覧じよ。
前菜はお上品。箸をつけている間に調理人が現れてご挨拶。テキパキと準備が整います。
前菜 じゅんさい、胡麻豆腐、鱧茄子
梅酒も付きます
フォアグラ!いい香り
フォアグラは美味しい!と思わず口に出た。あわび目的だったのに、あわびが出る前から「このチョイスにして良かった〜」と幸せを噛み締めた一品。しつこい所が一つもないイケメンなフォアグラでした。ワインのお供にいつまででも食べられそうな味。
お待ちかねの活き鮑のステーキ
あわびはすぐに固くなってしまうので新鮮さが命との由。伊勢の海女小屋でたやすく噛み切れる鮑を食べた経験からさもありなん、と思っていたけれど今宵のあわびも至福の食感。あおさの香りとあいまってなんて美味しいんだ。でも一番惹き付けられたのはやはりその手さばき。サラサラシャラン、と薄くスライスする様は手品師のカードさばきのように目が離せない。見とれてる間に一品を完成させるとこの出来映え。あっぱれ!としか良いようがない。
あわびの肝、エスカルゴ風
肝を利用した小皿。日比谷帝国のラ ブラスリーでリピーターが多いというエスカルゴに使用するガーリックバターでささっとおつまみ。もー、この人持って帰りたい!なにこれ、美味しい!添えられたトーストでバターをぬぐい取って後ろ髪ひかれるように完食。

ここで小休止のサラダ。その間に焼き野菜が供されます。おぅ!写真撮るの忘れてる。野菜なんて飾りです、エライ人にはそれがわからんのですなんてうそぶいてるからこういう事態を招く。焼き野菜はアスパラガスと椎茸と、ん〜思い出せない。私も老いたな。どれも程よい塩加減が美味しい。しかもこの椎茸は口に含むとバターの風味が広がる。驚いた。ずっと鉄板での焼き作業を見ていたのにいつの間にこの椎茸にだけバターを施したのか…。野菜でひと心地ついた所でお肉が登場。
美味しさ広がる焼き加減
本日は二人ともフィレ肉チョイス。宮崎牛でございました。前回は肉に辿り着く頃にはかなり満腹感があって、鱸が絶品だった事と相まって肉の印象がやや薄かった。この日はフォアグラ、あわびと贅沢が続いたからお肉はどうかしら?と思っていたけど…美味しい!いくらでも行ける感じがするこれが職人技か。肉の印象がまるで違う。塩と胡椒が添えられて、たしか醤油なんかも出された気がするが、供されたこのままでぱくぱくと夢中になって食べた。お肉の味わいが深くて後を引く美味しさだった。
炊き込みご飯みたい
季節のお菓子 水無月
さて今日は注文を忘れなかったガーリックライスの出番です。すり下ろしニンニクを取り出して鉄板に広げた…と思いきや、これが微粒子サイズに刻みこまれたニンニクだった。どうやったらそんなになるまで刻めるのか…。鉄板紳士が手早くご飯をまとめて良い香りが立ち上る。赤出しと一緒にいただきます。ふうぅ〜〜、美味しい。再訪して良かった。ガーリックライスは脂ギッシュな仕上がりになりがちだけど、これは全然違う。ほんとうに炊き込みご飯みたいにもくもくっとした味わい。鉄板の仕舞いを終えた紳士はここで退場。ありがとう、ごちそうさまでした。
やり遂げた感に包まれ一息ついたところでデザートの和菓子。この水無月というお菓子は氷室の氷を模したもの。宮中行事では六月に氷を食べる風習があり、庶民がそれに倣ってういろうの上に小豆(魔除け)をのせて食べたのが始まりとか。暑気払いと厄払いを兼ねた季節のお菓子。風雅な気分で締めくくり。ああ、日本人で良かった。

夢の饗宴は決して安い買い物ではありませんでしたが、ああ神さま、銀婚式の記念ディナーだったので多少の贅沢は許しておくんなまし。普段ならやらない贅沢ですが、おかげで目いっぱい&お腹いっぱい堪能しました。どんなものでも後悔しない買い物はよい買い物。今でも、そして多分これからも、思い出すたびに幸せな気持ちを反芻できるから、私の場合は十二分に元が取れてると思います。←こーゆーところが小市民的なのよね〜

さて、次回はマントルピースのお話など。お楽しみに