いらっしゃいませ

にほんご べんきょう してきて ください
いらっしゃいませ。ずっと試運転中です。予告なく変更しまくるつもりが仕様変更については手付かずです。

2016年12月11日日曜日

ノロイのおはなし

さて今年も残すところあと3週間。天中殺やら断捨離やらのお話が続いたのでこれを機にかねてから気になっていたある「呪い」のお話でもしておきましょうか。例によってオカルトチックな話を期待して読むと拍子抜けな結末を迎えるよっと前置きをいたしまして〜

趣味でやってるタロット占いをしていると時々その「呪い」について考えさせられることしばしば。ここで言う呪いとは過去の呪縛=自分で自分にかけてしまった縛りのことでございます。
思い当たるフシはないでしょうか?「このスイッチ入ると絶対うまくいかないわ〜」みたいなツボとか。「この流れはアカンやつや〜」とか、長く生きているとダメの予感が働く時ってありますよね。あるいは妙な苦手意識が働く人や物や場所がある、なんて経験はありませんか?これらの大半は過去にあなた自身があなたにかけた呪いのせいであると認識してください

あなたはおそらくその過去の経験でとても傷ついたり深い悲しみを感じているはずです。そこからくる苦手意識が物事を停滞させている=呪いになっている可能性はないですか?
この呪縛から逃れる手立てはズバリ、その時の悲しい苦しい傷ついた気持ちを素直に受け止めて認めることです。嫌な思い出に蓋をして考えないようにしてしまう傾向が人にはあります。でもそれでは嫌な思い出は消えずにずっとそこに残され続けるのです。
もし昔の自分に相槌を打つように「あ〜ありゃ酷かったね、辛かったよね〜」と認めることができれば、それが実は遠い過去の出来事で今起きている出来事とは全く関係ないことだと思えるようになります。それが大事。「またダメなんじゃないか…」という意識を断ち切ることが、すなわち呪いから解放される方策なのだとご理解ください。

タロットカードは引いたカードのキーワードから自分の深層心理を掘り下げて自分を顧みる作業で成り立つ(と私は認識している)。自分でも忘れていたような思い出が実は自分の足を引っ張り続けていた、なんて発見があったりしてタロットは実に奥の深いナニカなのでございます。

というわけで今年の禊は今年のうちに。良いお年をお迎えください

2016年11月30日水曜日

冬支度

人生を四季に例えれば、生まれ出ずる芽吹きの春→勢いを増し繁茂する夏→実りを刈り取る収穫の秋→次の芽吹きに全てを託して土に還る仕舞いの冬となるのでしょうか。今回はその冬支度、なんちゃって終活のお話。
まだ早すぎるだろと人から言われるようなお年頃ですし縁起でもないと煙たがる向きもございますが、今生の別れとなる友人もちらほら出てくる今日この頃。思うところも多いのでございます。

なんて言うとしんみりしちゃいますが、このところ続いてた天中殺撲滅のための断捨離運動の一貫です。メールアドレスを刷新する必要が出て、そのついでに死蔵していた諸々の登録の見直しをしていました。
ありませんか?気軽に登録したものの活用することなく放置してるシステムの数々。不要と思いつつ買い物ついでに登録させられたショップ会員証の数々。この際、自分が何を持っててどれが本当に必要なものか吟味し、不要なものは切り捨ててスッキリしようじゃありませんか。使えるものは使い、使わないものは処分する。これ断捨離の基本。
至近で一番困ったのは郵便局のネットバンキング。極初期のネットバンキングは漏洩問題が頻発で油断も隙もなかったのですが、それがようやく実用向きになった頃に登録手続きをしていたんです。ただあまり世間に浸透してなかった&まだ不信感が拭えなかったために活用する機会がないまま幾年月の放置プレイ。今回の断捨離運動でパスワードのメモを見つけたので21世紀の初ログイン!そうしてみたら仕様が色々変わっていて登録更新手続きがどうしても必要になっていた。しかも20世紀当時に登録したメールアドレスがすでにこの世にないものだったから、さー大変。窓口に出かけないと処理できない状況に陥っていたのでありんす。
本当はメアドが変更になるたびにこまめに手続きするべきだったのですが、ログインしたいときにはパスワードを失念していたり、メールアドレス自体もネット人口の増加に伴いプロバイダ側の都合でコロコロ変わったりした時期があったりなんかして、なんだかんだで「あー使わないし、もういいや」という形で放置されてきた。放置の甲斐あって持っていたことも含めて全て忘却のかなたの悪循環。つくづく面倒臭い。こういうことを防ぐためにも所持カードとパスコード&登録メアド情報の一覧を作って置くべきだなと痛感
今までは防犯上こうした一覧を作ることに懐疑的でしたが、考えてみればその一覧を盗られる事態が起きたらもう何もかも盗られてるような状況でござんす。カードと覚え書きを一緒にしておいていっぺんに盗られるみたいなヘマをしない限りは、備忘録一覧をどこかに温存しておくことは決して悪いことではなさそう。

さて、謎の赤毛のダン=シャーリーに背中を押されるように重い腰を上げて郵便局へ。この際だから、もやっとした事柄全般をキッチリさせて天中殺とはお別れよ。通帳、印鑑、IDと書類を提出すると…「お名前が違うのですが」オーマイガーッ!通帳よ、お前もか 私の名前はやたら画数が多いので口座開設の際にひらがな表記を採用していた。これは今は完全にNGですが昔は割と普通に行われていた。前世紀の名残を引きずった通帳を前に、私の断捨離運動はまだまだ続くのであった。結局手続きに一時間もかかっちゃったよ。通帳の書き換え作業に奔走してくれた郵便局のお姉さん、ごめんなさいね。

でも待っている間につくづく考えた。本人でもこれだけ手こずるのに、もし本当に私が急死でもして諸々の片付け手続きを家人がするのだとしたら大変なことよな。先ほどの話に立ち返って、持ち物リストと開けゴマリストは絶対にあれば役に立つはず。私が死んだら遺品整理がしやすいように今から貴重品は一箇所に集めておこう。ガラクタの類はしばらく放置されるかもしれないが貴重品なら血眼になって真っ先に見つけるはず(^^;)その際、家族の思い出の品をそばに置いておけば家族ならきっと手にとるはず。普段は何でもなくても、なんせ死んでるんだからっ!そこにリストを忍ばせておけば整理の苦労も軽減されるというわけさ。ナイスアイディア!
…見つけてもらえないかもしれない?
私との思い出には目もくれず通帳だけ取って行くような輩は遺品整理に少しくらい苦労すればいいんだわ、ほほほのほ。

なんて夢想を繰り広げていたら、今時はデジタル遺品、デジタル終活なる言葉もあるんですね。PC内やネット世界に遺した故人の諸々は遺族に見つけ出しにくいもの。「PCに遺言入れたから」と言い残して旅立ち、肝心のパスワードがわからないばっかりに故人の遺志がそこにあることを知っていてもなお手が出せないで途方にくれる遺族の話なんかもありました。
いやはや、冬支度も何やら時代とともに変わりますことよな。しかし誰もがいつか通る道。万が一に備えておくのも大切です。

2016年11月20日日曜日

いざ、上田!

上田城の櫓 なかなか立派
今回は上高地旅行の帰りに立ち寄った上田市の話でござる。「真田丸」効果で上田城内には特設展示場ができ観光バスがひっきりなしに出入りしてそりゃもう大変な盛況。お城に関しては櫓(やぐら)を見物する程度だったのですが、上田市の街中を歩いて思った感想をとつおいつ…。

上田市は不思議な魅力にあふれた街だった。古くから城下で栄えた下地があるにしても、そうした場所の大抵は近代ではそこそこ鄙(ひな)びてるもの。なのに上田は妙な活気があふれている。駅から北上してお城をめざす西方には大きな商店街が鎮座しており、そこに半端ない熱気を感じる。お城が出来てからずーーっと勢いが衰えない街だったんじゃないかと思わせる。古くから栄え、今なお近隣から人々が集まり中心地の役割を果たし続けている…ということなのか。

近年の地方都市はどこも判で押したような没個性化が進んでいる。皆が皆と同じものを欲しがり、その結果として全国展開の店舗が乱立し、どこも同じ品揃えと町並みが続く。どんな地方へ出かけてもお馴染みのロゴ看板が目について、規模からしてもドイツもコイツもどんぐりの背比べ…ところが上田の街にはそれが無い!少なくともこの商店街は個性の塊だった。何がそう思わせているのだろうか、と考えてみるに一つには店の壁にかかげられたキャッチコピー(つーか、むちゃくちゃ長い宣伝文句^^;)の群れ。何だか笑える昭和テイストの宣伝を掲げている店が多いのだ。個人商店が栄えているのはイマドキ珍しい昭和な風景。
百聞は一見に如かず。実際に足を運んで見て欲しい。抱腹絶倒に意味不明なキャッチコピーがそこここで見られる。商店のショーケースに「編みぐるみ(毛糸で編んだ手芸人形?)」がやたらと飾られてるのも不思議といえば不思議な光景。流行ってるんですかね?そこも含めて昭和にタイムスリップしたような感覚。ああそうか、あの時代の近隣住民に必要とされ愛され続けている商店街の感じがここにはあるんだ。

六文銭にちなんでなめこが六粒…
さて、街歩きで出かけたオススメ店舗をご紹介。まずは昼餉で向かった蕎麦「刀屋」。池波正太郎が通ったことでも知られる老舗。観光客も多かったですが、地元の人にも人気があることがうかがえた。信州味噌を溶いた出汁で食べる真田そばは珍しかったけど、次回があれば普通にもりそばを食べてみたい。醤油ツユが合いそうな美味しい田舎蕎麦でした。
そして絶対に行って欲しいのは「みすゞ飴本舗 飯島商店」。信州土産として長く君臨してきた名菓のお店。正式名称はこんなだったんですね。関西出身の旦那は知らなかったみたいですが昭和期に関東一円で過ごした人間なら一度は食べたことのある名産品です。平たく言えばオブラートでくるまれたペクチンゼリー。子供心にはゼラチンとまったく違う味わいの半端なゼリー、と思ったものですが今食べると懐かしさも手伝ってしみじみと美味しい。美味しいはずです、丁寧につくられたジャムを下地にして昔ながらの製法で作った伝統のお菓子。地元の人々はゼリーよりも季節限定のジャムを買いに大勢が足を運んでいる様子。またこのレトロな本店は店内そのものに一見の価値がある。
世の中がどんなに変ろうとも、この地域の人達はここに集い、ここを愛し、ここを次世代に継承していくのだな…と、そんな感慨を持った上田歩きでした。

2016年11月15日火曜日

天中殺2

思い出ボロボロシリーズ。今回は、お盆シーズンに遭遇した接触事故のお話。
地元のホームセンターへ出かけた帰りのこと。駐車場内を徐行中、脇腹から脇見運転の車に突っ込まれました。相手運転手は駐車スペースから前を見ずに車を発進させた模様。それというのもこの車は親戚同士で2台並んで駐車しており、隣の車の助手席側外に立つ叔母さん(推定)と話し込んでいた。運転手はおばちゃんの方を向いたまま「じゃあ、またね」と車を発進させて、目の前を通過中の私の車にためらいも見せずダイビング。死ぬかと思った…。
どちらも最徐行速度だったし、危険を察知して私が回避したので大きな事故にはならなかったものの私の愛車は右後部を接触されて破損。こちとら必死で逃げてるのに相手はにこやかにハンドル切ってわざわざ追いかけてきてぶつけてくれやがりました。

さてここからはお役立ちシミュレーションの時間です。
深呼吸して車を降りて周囲の安全を確認。車を速やかに安全な場所に移動。
私の場合は車を降りたら先述の立ち話おばちゃんが目の前に立ちはだかっていて「警察にはこっちが連絡するから、あなたは車をあそこに止めなさいよ」と指示を出す。あまつさえ「そこの破片とかも拾っときなさいよ」と仕切り上手ぶりを発揮。その上「大丈夫、私、ちゃんと見てたから」とニッコリ微笑んですらくれた。ああ、ちゃんと見ててくれたなら話は早いやと思いおばさまの指図どおりに動く私。
しかし追突してきた運転手のそばに近づくと事態は一変。運転手は携帯で誰かと通話中。おばちゃんは私に「私ずっと見てたんけどぉ、あなたがぶつかって来たのよね、ね?」
は?
何をどう見てたらそうなるのか、ババア(^^;)の目は節穴かっ!せっかく深呼吸して落ち着かせた私のハートは一気に火がついて燃え上がれガンダム!
どうやったら私がぶつけてあんな風になりますかね。あなた一体何を見てたんですか?
ね?どうやって私がぶつけて
こうなるのかを聞きたい
おばちゃんはたじろぎつつも甥っ子(推定)のために踏ん張る。私の言葉は完全無視で「これくらいの事故だったら示談で済むんじゃないかしらねぇ、警察もいらないんじゃないかしらね」と畳み掛ける。
ん?あなた警察には自分が連絡するとおっしゃいましたよね。もしかして、まだ電話してないんですか?どういうことですか?そこに運転手くんが電話を終えて登場。
お連れの女性は私がぶつけて来たとおっしゃってるんですけど、あなたの見解を聞かせてください。あなたもそういう認識なんですか。どういう事故だったとお考えですか
相手がどういう人かもわからないけど燃え上がったガンダムはもう止まらない。詰め寄るつもりは無かったが若造にそう問いかけると彼は素直に謝ってくれた。それでも事故の原因=脇見については歯切れがすこぶる悪い。まあ、彼も私という人間がどんなもんかわからないんで危ぶんでいたのでありましょう。
横ではおばちゃんが「警察はいらないと思うのよぉ」と甥っ子に一生懸命訴えている。すかさず私も彼に訴える。警察に連絡入れてくださってるものと思ってましたけど、一体どこに電話なさってたんですか?結局警察に連絡はまだしてないんですか?
それに対して彼はあ、今のは農協にかけてましたは?あ、保険です、車の…
お役立ちシミュレーションその2。
警察と保険会社に連絡を入れましょう。
どっち優先かといえば、まあ警察が先だと思うんですけど。自信がないから後で調べたら大体は保険屋には事後報告でいいらしい。レッカー移動とかあれば別なんだろうけど。保険会社も詳細は警察から聞くことになるらしいのでお巡りさんに来てもらって報告書を作成してもらい、保険会社には都合のついた時にご連絡くださいとの由。実際、私もお巡りさんを待つ間に電話してみたけど、その時点でできることなんてほとんど無かった(農協さんは事故車の写真取りたいからそこで待っててと言って私まで足止めされましたけど。保険会社に依るのかな?うちの保険会社は修理工が写真撮るからそれで十分と言ってた)。
警察には事故の発生時刻と詳細な場所を連絡。今回は商業施設の駐車場だったから話が早かったですが、事故現場の住所がわからない時は電柱や信号機に書いてある地名を出すと覚えておきましょう。結局、先方がぐだぐだしてたので私が警察に連絡しましたとさ。
お巡りさんには免許証と自賠責保険証を提示。互いの連絡先を交換しあって事故の詳細を一人ずつ話す。互いの言い分があろうから飽くまでも自分はこうしてこうだった、と努めて簡潔に話しましょう。横のおばちゃんと喋ってて脇見したまま発進しやがったろう!と思っても実際に彼が脇見のままだったかどうかは憶測だけではどうも言えない。事故は一瞬の出来事だから「自分はこうしてたらこうなった」という以外の確実なことはないと思う。立ち話おばちゃんみたいな余程の嘘をつかれたら別だけど、事故車両を見たお巡りさんも修理工も保険会社もプロはみんな状況を照らし合わせて普通にしかるべき判断をしてくれます。…と信じたい^^。
お巡りさんの到着を待つ間、それまで悩んでた風味の若造は吹っ切れたのかとても平身低頭に謝り続けてくれました。それもあったからお互いに大怪我するような事故じゃ無かったから不幸中の幸いと思うようにしようぜ、と思えた。
お巡りさん曰く、「お盆のシーズンは事故が多いんで気をつけてくださいね」。言われてふと見れば私は地元ナンバー。先方の運転手もおばちゃんも車はそれぞれ遠方からお越しのナンバー。事故っても修理せずにチャリ感覚で自動車を乗り回す地域の人達には、私の車の今回の破損くらいで警察呼ぶなんて…と思われちゃったのかなあ。いや、届けはキチンとした方がやっぱりスッキリすると思うのよ、私はね。少なくともおばちゃんの方は修理なんかしなくても乗れるじゃないくらいに思ってそうだったけど、私の車は製造が終わった車なのでエンジンが死ぬまで大事に乗りたかったのさ。しくしく。
事後は保険会社同士がやり取りしてくれるので、言われた通りに過ごして処理終了。事故後はあの時はどうするべきだったかな、と逡巡して凹んだりもするものですが命あっての物種。命が無事だったことに感謝しつつ、皆さんも事故にはどうぞお気をつけて。

天中殺とか、悪いことが起きる時は寺社仏閣にお詣りしたり、掃除をして周りを清めると良いそうです。お賽銭弾んだり、断捨離したり、もう大変ですわ。

2016年11月6日日曜日

PCアップデート

ブログ更新から遠ざかっていた要因の一つにPCメンテがありました。以前もチラリと書いたけどOSアップデートのせいで特定のソフトが利用できなくなることを危惧して、ずーーーと放置していたのをこの度エイヤっとバージョンアップ。気がつけばこの2年あまり、不具合を騙し騙し使っていたのでバックアップもろくにとれていない有様。いざアプデ前のバックアップをとるぞと思ったらPCの言うことにゃ処理終了まであと2日
と来たもんだ。何?!2日って??!!secでもminでもないDAY単位の待ち時間なんて初めて見ましたよ。かっちり2日分のバックアップをとってようやくアップデート。いやもうエライ目にあいました。

いらないものを処分して、仕様も色々と変わってしまったソフト達と悪戦苦闘。家の中もそうだけど、時々風通しをよくする作業をしないとダメだな〜と考えることしきり。保管場所と作業場所はキチンと分けることこれが、快適空間の鉄則ですってよ。その観点からするとPCに入るからといって何でも詰め込んで放置するのは良くありませんな。PCはあくまでも作業台。保管作業はディスクに任せて、必要な時に取り出して作業して保存して保管。この繰り返しが大事と悟った一ヶ月でした。はい、ここは年末大掃除に効いてくるから皆さん、ご留意を!

今回特に手間取ったのは動画の処理。昔のビデオカメラからPCに取り込んだ動画を未練がましく保持していたけど、素人ビデオの見られるシーンなんて本っ当に少ないもんでござんすよ。潔く編集作業を重ねて保管ディスクに落としたらPCからは削除だ、削除!撮った当時は大事だった映像が数年たつとそうでもなくなったり(例、新生児が転がってるだけの同じ映像が日を変えて繰り返し何度もとか…^^;)逆に撮った当初は何でもなかった一コマが今は大切な記録になってたり(例、今は無くなってしまった建物や人と風景の移り変わりとか)、こうしてみると時間を置かないとできないこともあるんだな、それが熟成と言うものかなとめくるめく夢想のひとときでした。

さてさて、そんな作業の最中に懐かしい貴重な映像(俺限定)を発掘したのでup しておきますよ。 缶詰横丁の夕日 の中で書いたモンタレー水族館の肥大鮫の映像。肥大サメは本当に居たんだ!父さんは嘘つきじゃなかったよ、シータ!という喜びと共にご覧ください。
最初に泳いでいるのが肥大サメ。14秒あたりから普通サイズのサメとすれ違うので見比べるとその大きさの違いがよくわかると思います。

2016年10月30日日曜日

天中殺!

気がつけば一ヶ月以上も更新せずに雑事に追われておりました。
脇見運転の車に突っ込まれたり、旦那が財布を盗られたり、家電が次々壊れたり、健康診断のお知らせが多数送られてきたり、あと他に何かあったかな?家電や健診の手続きはともかくとして、事故や事件の処理は憂鬱にしてしんどいものでござんすね。
子供に「天中殺(悪いことが起こる周期)だわ」と話したところ、「何それ、ググっちゃったよ」と言われてびっくり。そうか、天中殺って昭和の流行語(今調べたら昭和54年=1979年)だったのね。
ということで今回は至近で起きた財布盗難事件について書いてみまひょ。
長く生きていると身近でドロボーに入られたことがある人の話とか、スリにやられた!とかいう話は耳にするもの。でもいざ自分の身に起きたら何から手をつけたらいいかとっさに思い浮かばない。避難訓練よろしく、その日に備えてシミュレーションの一助となれば幸い。

まず、自分の過失で紛失したかな〜?と思うとあまり大げさにはできないのが人情。思い違いかもしれないから…と思うと周囲の人に迷惑かけてまで探せないや、なんて遠慮してしまうのが日本人の美徳の致すところ。でもちょっと待ってミスターポストマン!ど厚かましい輩はそこに付け入るからこそ「結構うまく行く」と味をしめて物盗りがやめられなくなるという側面がある。これはおかしいでしょと感じた時は遠慮なく警察に通報するようにしてください

どのみち財布を無くしていたら遺失物届けをすることになるので、盗難じゃなかったとしても警察は必要。なので聞こえよがしに「あー、(遺失物)届けを出すんで警察呼ばないと…」あるいは「今からそこの交番行ってくる」と声を出すこと。これによって犯人が盗ったものを慌てて放り出してくれる、というケースもあります。なんでそんなことを知っているかと言えば、専業主婦時代に近隣の子供達との付き合いの中でそういうケースをいくつか見ているからです。悲しいことに手癖の悪い子、というのは一定の割合で存在します。彼らは成功体験(?!)を通して黙っていれば相手は強く出て来ないとタカをくくって被害者が立ち去るのを待っているんです。逆にこちらが引き下がらない姿勢を見せるとたちまちビビって獲物を身から離すために投げ捨てます。子供のケースが大人に適用できるかどうか一概に言えませんが、三つ子の魂百までと言います。人のものを盗って恥じない心根の持ち主は子供時代から連綿と同じを精神構造であるはず、と私は睨んでる。もちろんそれが元でさらなるトラブルが起きるのを避けたいと思うなら泣き寝入りも時には大人の選択かもしれませんが、そこは銘々の判断でご対処を。

さて、次に早急にやっておかなければならないこと。カードの停止手続き。自分の持ってるカードを把握してまずは紙に書き出しましょう。盗難・紛失の届けはこちらという番号をネットで調べて電話をすれば先方が次々と必要事項を聞き出してくれるので大丈夫。大抵はどこも24時間対応でフリーコール。システマティックで話も早い。
カード名義人名、確認のための生年月日と住所、通知人の氏名、これだけで停止処理が行われます。ついでに再発行の申請やカード利用履歴の照合にも応じてもらえるそうですが、これらは名義人本人じゃないとできないとのことでした。ちなみにカード再発行はアメックスが最速。紛失届けと同時に再発行を頼んだら4日後には手元に届きました。
銀行のキャッシュカードだけは再発行のために窓口を訪れる必要あり。他は電話で全てケリがついた。
全てのカード停止処理が済んだらお近くの警察署へ通報。遺失物届けを出します。「大げさだからいいよ…」と思う人も多いようですが実は警察に届けを出していないと免許証の再交付が受けられませんのでご注意を。じゃあ免許を無くしてない場合はセーフ?そうとも言えないのが現代社会の怖いところ。盗まれた物や情報を使って悪用する奴はどんなことでも思いつきます。何かが起きた時に「それは私の仕業ではありません」という証明のために遺失物届けは必要なのです。ま、警察は探してなんかくれませんけどね、ゲフンゲフン。何かがあった時には警察に通報が入った際に話が早いという程度。…もし気がついてもらえたらという話ですが、ゲフゲフ。
そして免許証の再交付。免許センターか警察署で申請できます。免許センターなら即日発行してもらえて便利でした。身分証明となる保険証、遺失物届けを出した警察署、本籍地の住所(番地番号まで聞かれるので忘れずに)、再交付手続き料に3,800円、必要なのはそれくらいかな?
おっと、忘れちゃいけない。クレジットカードの再発行をしたらカードナンバーが変わるのでカード引き落としで自動支払いなんかをしている人は各方面に通知を忘れずに
またネット検索で知りましたが、財布にポイントカードやレンタルカードを入れている人はそれらも悪用の対象になるので連絡を入れた方がいいみたいです。レンタルビデオを借りまくられて、忘れた頃に高額の延滞料請求が来たという怖い話も見かけました。本当に他人事ながらも、あったま来るな〜こーゆー話。ぷんすか。

いや〜、ひどい目にあったわ〜。なんて話を職場でしていたら、存外経験者は多いもんでいろんな話が聞けた。同僚は置き引きにあった時、後日犯人から郵送で現金だけ抜き取った財布を返却されたことがあるという。「免許証がないと困るだろうな」と犯人に最後の良心が働いたのか…いや、ありがたいような、やっぱり頭に来ちゃうような、複雑なお話。
皆様におかれましても、どうぞお気をつけてお過ごしください。

2016年9月10日土曜日

解毒水2

以前、紹介した 解毒水 の続編です。
瓶が無い人は琺瑯タッパーでも
ミントと一緒なら尚おいしい
この夏は兎に角しつこく続けました。続けるうちにお気に入りができて、今日はその中のレモン水についてご紹介。

レモン水はまずもって味が爽やか。クセになる清涼感。その上、この酸味が身体にいろいろ効くそうで、脂肪燃焼、利尿作用、免疫力up、肝臓ケアとなんでもござれという話。
身体内の作用については検査しないとわからねど、実感として「おいしく水分補給」「間食が不要になる」という二点でも利用価値はじゅうぶんある。
前回書きましたが、口が寂しくなった時に甘いものをつまむ前にこのレモン水を飲む。すると歯磨き後のような清涼感があって、それが原因なのか「間食欲」がす〜っとひいていく。ずば抜けたダイエット効果があったとは思わないけど、それでも例年夏の期間は体重増加の傾向がある私が今年の夏はわずかに減量していたのは間食の量が減ったせいだと思う。

夏は食欲が失せる→なんとなく小腹空腹感→とりあえず間食→余計食事に気が乗らない
こうした良くない食生活スパイラルをレモン水が緩和してくれた。
朝の起き抜けに一杯のレモン水→折角だから健康を意識した朝食→間食いらない→食事をきちんととれる→運動もしとこうかな→寝る前に一杯→あ〜健康ライフ
てな感じで気持ちの問題とは思う。
さてここで健康を意識した朝食について追記。
起き抜けに作り置きのレモン水を飲んで、それとは別口にバナナヨーグルトドリンクを作成してごくごく飲む。朝の支度をしつつ少し時間を(30分くらい?)置いてから朝食スタート。こうすることで体内が目覚めて代謝がスムーズに行われ痩せ体質になるそうな。朝食にはタンパク質と炭水化物を忘れずに。これも痩せ体質作りに重要なのは今やダイエッターの常識でせう(←朝食を抜くと、その後は身体が危機感を持ってやたらと脂肪にして蓄えようとするようになる、てな話ね)。
内容は作り置きのゆで卵とトーストだったり、ウィンナーとご飯だったり、本当に簡単なものですが朝食をとって「健康だな〜!」と思える事が重要。

写真はライム
スクイーザーでムギュっとね
実は解毒水を始めた当初はバナナヨーグルトドリンクに入れづらいレモンは避けてました。皮にワックスや防カビ剤もついてそうだしな〜、と躊躇。しかしたまたま雑誌のコラムでショウガスライスをレモン汁に漬けた「レモン生姜」が身体に良いと読み、解毒水作成後のレモンの実はコレに使えばいいんじゃないかとモノは試しに俺式でやってみた。

皮を包丁で切り外して果肉部分だけミネラルウォーターに漬け込む
→皮は生ゴミ入れや可燃ゴミ袋に入れると良い香り。シンクを洗う時にも磨き剤として使える!

新生姜と一緒に小瓶に詰めた
写真はレモン水2回分の汁
レモンは半日では風味が付きにくいので一日漬け込み、取り出した後はミスドの景品でもらったスクイーザーでレモン汁をとりだす。そのまま生姜スライスにボタボタ注ぐ。
→生姜はかじってもいいし、レモン汁とともに調味料にしてもオッケー!生姜漬け以外にも搾り汁に蜂蜜を入れて白湯を入れて飲んでも美味しい健康ドリンクになる!

ムダが出ると思っていたけど、意外と使えるではないか、レモン!
皮はぬるま湯でよく洗えば問題ないみたいですけど、気になる人はこんな風にいろいろ再利用すればいいと思います。実際、皮に風味がつまってますしね。
というわけで、この夏のお気に入りになりましたレモン水。なんつーてもゴミ箱がずっと柑橘の香りなのが一番うれしかった。これはオススメ。

2016年8月27日土曜日

おまけの上高地

初めて上高地を訪れた時のこと。松本インターから沢渡駐車場へ向かうルートをシミュレーションしていてふと気になる蕎麦屋を発見した。あの界隈だと風穴の郷(道の駅)の道路を隔てた向かい側にある蕎麦屋も美味しいと評判でしたが、その直前にある何の変哲もない地元民御用達蕎麦屋に「手打ち蕎麦わたなべ」という店があり、これがまた不思議な評判を得ている。今回は上高地番外編としてリベンジ最終段階 稲核で蕎麦を食べるぞ!の巻をお送りします。
つるっと美味しい綺麗な蕎麦
この町は稲核と書いて「いねこき」というらしい。至近にダムがあり、山の中にひょっこりと現れる小粒ながら色々揃って住みやすそうな、そんな地域。松本から沢渡へ向かうルートの左側に店舗があり、ちょうどカーブにさしかかる所でもあるので振り返らないとそこに蕎麦屋があるとは分かりにくい立地。上高地初訪問の折りはわざわざ振り返って場所を確認したものの、結局食べずに帰宅してしまった。なので今回は沢渡入りする前に絶対に行こうと決めていた。

うん、美味しい。ずば抜けてウマいというのとは違うけど、実に良いお蕎麦。何より安価。もりそば普通盛りを二人で食べてお会計が900えん。都内なら一人前で支払う値段。蕎麦汁は醤油が効いてなんだか懐かしい味。特筆すべきは蕎麦を待つ間に出される漬け物やサラダの数々。珍しい山菜の漬け物はどれも醤油味が効いている。店内の雰囲気とあいまって、田舎の親戚の家を訪れて昼ごはんを食べているようないい感じ。
目にも楽しい木彫りの数々
一番上の獰猛そうな小動物がかわいい!
店内には家人が趣味でこしらえたとおぼしき木彫りの数々が展示されていて、これもなかなかの不思議空間を演出。いやでもこれ、なかなか簡単に彫れるものじゃありませんよ。どれも作り手の心を反映するのか愛嬌がある。

愛嬌?といえば壁に掛けられたお品書きの木札。なぜか一番端っこに「ラーメン400円」の表記…え?!…ラーメン??次に訪れる時は絶対にこれを食べようと心に決めた私であった。

上高地にお越しの際は是非オススメ

2016年8月20日土曜日

ああ、上高地

デラックスなベランダからの眺望
翌日は見事に晴れて気持ちの良い天気。GWを過ぎて梅雨に入る直前のこの季節を選んで良かった。バイカモの咲く頃は7〜8月とのことなので残念ながら見ることはできませんでしたが、それは次の楽しみにいたしましょう。日向を歩くとやや汗ばむ程度で暑くも寒くもない良い気候でした。デラックスベランダからの眺望は想像以上に素晴らしく、一日中ここで山に移る陽光を眺めていたい。日暮れ時もさぞ美しかろう。
連泊したかったけれど今回は休みの都合がとれず一泊で帰宅。一泊だからお部屋を奮発したという側面もあるのですが、これだけ素敵な部屋だと実に名残りが惜しい。なので出立ギリギリまで部屋でゆっくり過ごしました。早めの朝食の後に河童橋を散策して命の洗濯。清流に心洗われ、川岸を歩いて内面の湿り気もさっぱりと乾かす。山に登るのは信仰の一つの形だという。山登りというほどのことはしていないが、それでもこれだけ清浄な気持ちになれるのは山に神様がいる証拠だなと思う。つれづれ

濃厚派
しっとり派
ではでは朝ごはん。今回はフレンチトーストにしてみました。あまり食べる機会がないから味の良し悪しは正直わかりません。普通に美味しかったです。フレンチトーストはパンケーキに比べて蜂蜜の味が際立ちますね。でも蜂蜜食べるならやっぱりヨーグルト!朝からたくさんヨーグルトを食べて余は満足じゃ。今見るとやっぱりベーコンか何か、肉類が欲しいところだが ^^;
朝食メニューはこちら
クリックで大きくなる、かな?
駆け足ですが、お土産も買っておきましょう。今回は朝の河童橋で購入。安曇野タルタルディップが大変美味しかったのでオススメです。あとは飛騨の名物らしい蜂蜜豆板。いろいろ買ったけど美味しかったのはこのあたり。
ディップは空っぽになってるし
今回もやりたい放題の上高地。リベンジその7 バーホルンでダーツ!なんかもちゃっかり達成してきました。春のパリ行きもそうだったけど、今年は盆と正月が一遍に来たみたいにやりたいことをやりたいように遂行して「私、死期が近づいてるんじゃないかしら…」とか考えてましたが、禍福はあざなえる縄のごとし。今になって来てますよ、恐怖の大魔王が。いやはや、いろんな課題が怒濤のように押し寄せてきた。
でもね、ものは考えよう。出来るうちに出来ることをやって悔いのない人生を送る。それも大事なことだなと、この歳になって思えるようになりました。心の底から楽しんだ思い出はその後の生きる糧になる。さて山の神様から遠く離れた空の下、また頑張って行きますかね。

2016年8月13日土曜日

おもいでの上高地

木がはぜる音を聞きながら
床をはじめ手入れを怠らないからこそ
続く伝統のマントルピース
リベンジその5 おもいでのマントルピースを買うぞ!前回、職場のバラマキ土産に「おもいでのマントルピース」なるお菓子を買っていこうと思ったのに売り切れで入手できなかったのです。上高地帝国ホテルの名物、マントルピースを模したこのサブレ菓子、今回めでたく自宅用土産として購入。プレーンとココア生地の二種類が入ってます。バターの風味で大変おいしゅうございました。…はっ!写真がない。またしてもお土産は撮影前にペロリとたいらげてしまった。

リベンジその6 暖炉に火が入る頃を狙え!これはリベンジという程の強い思念があったわけではないのですが、はからずもマントルピースに火を入れる時期にあたった模様(六月初旬)。通例だと夕刻になると担当者がささっと来て火を焚くだけだったようですが、今年からは宿泊客に告知して鑑賞タイムを設けるようになったそうです。
読書室で時間を潰してから早めにグリンデルワルトに向かうとすでにマントルピースを囲む形に椅子が配されていた。腰を落ち着けると飲み物を奨められたのでチェックイン時に頂いた飲み物券でホットワインをいただきます。オレンジの香りが高い美味しいワインでした。夜間はマントルピース回りは宿泊客に開放されているので、不要な人はムリにオーダーはしなくても良いようですよ。火を囲んで心ゆくまでくつろぎましょう。
暖炉に頭をつっこんで
奮闘中の新人くん
時間が近づくと若手の従業員さんがせっせと薪の支度を始め、その様子を眺めながらしばし歓談。やがて新人だという彼の自己紹介から始まって薪に火が入れられます。自分も経験がありますが薪に火を灯すのは意外と難儀な作業。簡単には灯きません。新人くんは悪戦苦闘しながらもマントルピースや薪についての説明、火を熾(おこ)す苦労話などで繋ぎつつ何とか無事に点火。観客も炎が立ち上ると拍手を送って彼の健闘をたたえます。なるほど、これはちょっとしたイベント感。その後はそれぞれが思い思いに過ごすひととき。なかなか素敵な時間でした。

就寝前に見に行くと
暖炉もまどろんでいる様子
火が揺らめいているのを見ていると、人の心は不思議と落ち着くもの。加えて薪からは燻した良い香りが立ち上って何とも言えない風情を宿に添える。位置的に見てもマントルピースから上った煙はそのまま細い管を通って三角屋根のてっぺんにそびえる煙突から天空に抜けているはず。その管の通り道に今回私達が宿泊した部屋がある。果たせるかな、食事を終えて部屋に入るとほのかな燻煙の香りが部屋に充ちていた。匂いの思い出というのは近代的なホテルでは決して味わえない懐(ゆか)しい体験。燻煙が苦手という方には向かないでしょうが、木の香りに包まれた山の中の眠りは得難いものでありました。例によって羽布団は暑かったので足元にだけ掛けて寝ましたが^^
明日は何して過ごそうか。あれをやっておかなければ、という課題から解放されてゆっくり過ごすリゾート地の休日。物見遊山とは違う寛ぎがリピート旅行にはありますね。

2016年8月5日金曜日

くうこともがな上高地

リベンジその3 鉄板焼きであわび!お待たせしました。心残りの多くは食べ物関係と決まってる。 前回の上高地録を見て頂けばわかる通り 、一度食べようと決めたものは執念深く食べるのが私達夫婦。というわけで追加項目リベンジその4 ガーリックライスの注文を忘れるな!の二本立てでお送りします。

あずさ庵の鉄板焼き。今宵の鉄板紳士は熟練の空気漂う貫禄ある調理人。腕に覚えあり感がアリアリとみなぎっている。実際、その手際の良さには幾度も目を奪われてほれぼれした。話術も巧みで日比谷帝国ホテルでのエピソードからテレビドラマの裏話まで話題に事欠かない。作る人と食べる人という構図よりは3人で楽しくわいわいと鉄板を囲んだという風情があった。
食材が良いのも大事だが、味は調理の手際に負うところも大きいと今回の鉄板焼きで感じ入った次第。さて前置きが長くなった。今夜の饗宴をご覧じよ。
前菜はお上品。箸をつけている間に調理人が現れてご挨拶。テキパキと準備が整います。
前菜 じゅんさい、胡麻豆腐、鱧茄子
梅酒も付きます
フォアグラ!いい香り
フォアグラは美味しい!と思わず口に出た。あわび目的だったのに、あわびが出る前から「このチョイスにして良かった〜」と幸せを噛み締めた一品。しつこい所が一つもないイケメンなフォアグラでした。ワインのお供にいつまででも食べられそうな味。
お待ちかねの活き鮑のステーキ
あわびはすぐに固くなってしまうので新鮮さが命との由。伊勢の海女小屋でたやすく噛み切れる鮑を食べた経験からさもありなん、と思っていたけれど今宵のあわびも至福の食感。あおさの香りとあいまってなんて美味しいんだ。でも一番惹き付けられたのはやはりその手さばき。サラサラシャラン、と薄くスライスする様は手品師のカードさばきのように目が離せない。見とれてる間に一品を完成させるとこの出来映え。あっぱれ!としか良いようがない。
あわびの肝、エスカルゴ風
肝を利用した小皿。日比谷帝国のラ ブラスリーでリピーターが多いというエスカルゴに使用するガーリックバターでささっとおつまみ。もー、この人持って帰りたい!なにこれ、美味しい!添えられたトーストでバターをぬぐい取って後ろ髪ひかれるように完食。

ここで小休止のサラダ。その間に焼き野菜が供されます。おぅ!写真撮るの忘れてる。野菜なんて飾りです、エライ人にはそれがわからんのですなんてうそぶいてるからこういう事態を招く。焼き野菜はアスパラガスと椎茸と、ん〜思い出せない。私も老いたな。どれも程よい塩加減が美味しい。しかもこの椎茸は口に含むとバターの風味が広がる。驚いた。ずっと鉄板での焼き作業を見ていたのにいつの間にこの椎茸にだけバターを施したのか…。野菜でひと心地ついた所でお肉が登場。
美味しさ広がる焼き加減
本日は二人ともフィレ肉チョイス。宮崎牛でございました。前回は肉に辿り着く頃にはかなり満腹感があって、鱸が絶品だった事と相まって肉の印象がやや薄かった。この日はフォアグラ、あわびと贅沢が続いたからお肉はどうかしら?と思っていたけど…美味しい!いくらでも行ける感じがするこれが職人技か。肉の印象がまるで違う。塩と胡椒が添えられて、たしか醤油なんかも出された気がするが、供されたこのままでぱくぱくと夢中になって食べた。お肉の味わいが深くて後を引く美味しさだった。
炊き込みご飯みたい
季節のお菓子 水無月
さて今日は注文を忘れなかったガーリックライスの出番です。すり下ろしニンニクを取り出して鉄板に広げた…と思いきや、これが微粒子サイズに刻みこまれたニンニクだった。どうやったらそんなになるまで刻めるのか…。鉄板紳士が手早くご飯をまとめて良い香りが立ち上る。赤出しと一緒にいただきます。ふうぅ〜〜、美味しい。再訪して良かった。ガーリックライスは脂ギッシュな仕上がりになりがちだけど、これは全然違う。ほんとうに炊き込みご飯みたいにもくもくっとした味わい。鉄板の仕舞いを終えた紳士はここで退場。ありがとう、ごちそうさまでした。
やり遂げた感に包まれ一息ついたところでデザートの和菓子。この水無月というお菓子は氷室の氷を模したもの。宮中行事では六月に氷を食べる風習があり、庶民がそれに倣ってういろうの上に小豆(魔除け)をのせて食べたのが始まりとか。暑気払いと厄払いを兼ねた季節のお菓子。風雅な気分で締めくくり。ああ、日本人で良かった。

夢の饗宴は決して安い買い物ではありませんでしたが、ああ神さま、銀婚式の記念ディナーだったので多少の贅沢は許しておくんなまし。普段ならやらない贅沢ですが、おかげで目いっぱい&お腹いっぱい堪能しました。どんなものでも後悔しない買い物はよい買い物。今でも、そして多分これからも、思い出すたびに幸せな気持ちを反芻できるから、私の場合は十二分に元が取れてると思います。←こーゆーところが小市民的なのよね〜

さて、次回はマントルピースのお話など。お楽しみに

2016年7月29日金曜日

いまひとたびの上高地

今一度の逢うこともがな上高地。前回9月の曇天の中で出かけた上高地ですが、晴れ渡る穂高の空を見ようと思い6月の上高地へ出かけてみました。そのリベンジ記録でございます。御用とお急ぎで無い方は見てね〜。
これが六月の風景。雲一つ無し
初日のさわんど駐車場は雨模様。タクシーの運転手さんいわく「先週末は好天で道路が大渋滞だったけど、今日みたいな天気はバスも数本しか走らないよ」とのこと。なるほど日帰り客が多い上高地は朝から雨だと出足も遠のくというわけか。バスの臨時便がなくなるので道路は走り易くなる模様。駐車場もスカスカだったので地下通路のそばに車を置けたから雨の日出発は却って良かったかも。「雨が上がった後の晴天は気持ちいいから明日はきっといい感じじゃないかな」という運転手さんの話に気を良くしてホテルに到着。そうです、ホテルはリバーサイド…じゃなくて上高地帝国ホテル。リベンジその1 上高地帝国ホテルのデラックスベランダへ!以前、 勾配屋根とベランダを兼ね備えた部屋と紹介した あの憧れだったお部屋に泊まることができたんです。も〜感無量。
写真はパノラマ撮影なので若干湾曲して見えます
お部屋は広々!眺めも最高。初日は曇天ですが^^; オルゴールも心無しか大きくなってる。部屋には以前同様に双眼鏡と記念品のお皿、そしてコンパスと星座表も添えられていたのが嬉しかった。リベンジその2 上高地の星空が見たい!こちらも夜は雲が晴れたので実現することができました。夜のベランダに出るとそこは満天の星空。こんなにハッキリと「あれが北斗七星だ〜」と自分で見つけたのは初めての経験でした。星が沢山見えていたら星座なんて識別できないじゃん、なんて思っていた私は本当の星空を見た経験が皆無に等しかったんですねぇ。シロウトの私にもそれとわかる程に一等星は他とは段違いに輝く星なのだと知った瞬間でした。決して他の星に埋もれたりなんかしない、それが本当の星座だとこの空が教えてくれた。最上階ベランダだったので振り仰いで南側の空も屋根越しに少し見られたのも嬉しかった(ベランダ部屋はほぼ全て北面です)。
ベッドにごろんとして撮る風景
戸口側から見たベッドスペース
夜のベランダは静かに出入りするの推奨。窓が閉まっていれば聞こえる感じはしませんが、ベランダの会話は窓辺に居ると人の気配としてかなり伝わります。廊下側はこの部屋の構造上、ベッド位置と廊下の間にバスルームや前室的に広いクローゼットスペースが配されていたのでほとんど何も聞こえてきませんでした。ですが他の階層では廊下を歩いていると部屋の中のおばさまの談笑が明確に聞こえることもあったので戸口付近では騒がない方がいいかもしれません。
てな感じで次回、リベンジ3へ続く

2016年7月22日金曜日

解毒水

パリのお話が長引いたので少し一息いれましょう。まあ、水でもどうぞ。ということで今回のお話はとっくに旬を過ぎた?デトックスウォーターの話なんぞを。

できた水をアイスキューブで保存
一頃流行った水を2L飲めダイエットって今でも続いてますかね?2Lってさすがに半端ない量だし「むりむりむり」と笑うだけで試したわけじゃないけれど、しかし水分補給というのは実際に大切なこと。今調べたら「一日に約1L位は食事その他で補給できているので実際に意識的に摂取する水の量は1Lで良い」そうな(体重x0.04マイナス1Lで各人の必要量を算出してください)。
高血圧、動脈硬化、血管系の病気を持っている人は水をどんどん飲むのが肝要らしく、そういえばうちの旦那はソレ系なので水をよく飲む。それに比べると私の水分摂取量は微々たるものなので「水を飲めー水を飲めー」と事ある毎に妖怪みたいに注意される。まあ夏が来ることですしね、意識的に水を摂ろうじゃないですか。

そんな折りに目にしたのがデトックスウォーターの記事。これも一頃流行った系のお話みたいので、何を今更とお思いでしょうが今しばらくお付き合い下さい。
野菜や果物のスライスをミネラルウォーターに漬け込んでガブガブ飲むというダイエット法だそうで、なんでも著名なナイスバディさんが多数愛用のお水だそうな。続けてる人がどれくらいいるかは不明ですが。
成る程、写真を見ると水に浮かんだフルーツは色鮮やかで目にも楽しい。でも漬けた後のフルーツの残骸ってどうするの…。その時ひらめいた!
「花粉症にヨーグルトが効く」&「むくみ防止にバナナが効く」と小耳に挟んだ健康食品情報を元に我が家では10年近く毎朝バナナヨーグルトドリンクを作って愛飲している(ヨーグルト花粉は気持ちの問題程度だけどバナナむくみは本当に良く効きます)。
このヨーグルトドリンクに漬けカス果物(酷い言い回しだ)をぶちこんじゃえばいいんじゃない?
というわけで俺式デトックスウォーターレシピ
レモンやオレンジ等の皮にワックスや農薬浸しになってそうなものはよく洗ってから使用、漬けた野菜や果物は一日経過したら取り除くこと、これらが鉄則
俺式は半日漬け込みでやってます。手持ちの広口瓶が7~800mlのものなのでここに皮をむいたバナナをごろん。冷凍もののブルーベリーやミックスベリー、パイナップル、手近にある果物を適当に突っ込んでミネラルウォーターを注ぐ。これを夜のうちに用意すると寝ている間に約半日漬け込みウォーターのできあがり。
ザルにあけて水はボトルにつめてその日のうちに飲み切るペースで水分補給。果物類はヨーグルトと一緒にスティックミキサーにかけて作り立てをごくごく。簡単!ムダなし!
パイナップルローズマリー
果物は本来新鮮なものを漬けた方が良いのでしょうが、手に入る時はナマモノ、そうじゃない時は冷凍品を利用。カットフルーツも酵素の力は弱まるんでしょうけど手軽なのでパイナップルはよく利用します。また休日の朝にハーブ水を仕込んで夕刻に製氷器で凍らせて保存しておくと、仕込みが間に合わなかった日にも手軽に飲めます。

私のオススメは
バジル水 ミント水 パイナップル水 この辺は爽やか
ローズマリーはかなりクセがあるけどアイスキューブで常備してスパイス的に少量使ったりする
バナナはどうしても甘みがでる。同じ甘みでもパイナップルの方が清涼感upでオススメ
でもバナナはむくみ防止のためにどうしても外せないのよね〜
キウィは少しエグみが出る感じがするのでバナナ併用を推奨
パクチーは実物があれだけ匂うのに漬けるとそうでもないので拍子抜け。食べた方が断然おいしいから漬けずに食べる^^
未使用ですがこれからの季節はスイカも試してみたい。利尿作用でむくみに良いそうです
むくみにはキュウリもオススメ。意外とこれも爽やか
と、そんな感じ。デトックスウォーターは起き抜けと寝る前に飲むのが効果的ですってよ。んで、一ヶ月くらい続けたけど効果のほどは…水飲んだだけで痩せるわけがないでしょ
本来、野菜や果物の酵素に新陳代謝を高める効果があるからそこ提唱されたこの健康法。せっかく摂取するなら新陳代謝を促すような食生活や運動も意識的に取り入れましょう。ということで水を飲み始めてから一日に最低でも20分以上の継続した運動もするよう心がけました。その程度の体重減量はあったかな、という感じ。
こすらずキレイとか、飲むだけで減量とか、そんな甘言に惑わされちゃダメだおと諫言する次第でござる。
ただね、ジュースを飲むよりはずっといいはず。んで、水あるからコレ飲んでおくか…という形で飲んでると口の中が爽やかになるんで、不思議とその後間食の欲求があまり起きない。そういう効用ならあるのかもしれません。意識的に生活改善する、それに勝る王道はないと思いますよ、奥さん。

2016年7月16日土曜日

パリ一人旅 買い物編

わんちゃんが主人を待つの図
パリの旅記事もそろそろおしまい。お土産でも買いに行きましょうか。ブランドショップや免税店とは縁遠い人間なので、もっぱら地域密着型スーパーとかそんなのばっかりですが、行ってみよう!

monoprix モノプリ
東急ハンズとか無印良品とか、それ系のお店ですかね。そんな印象でしたが、今調べたらフランス大手のスーパーマーケットですと。イトーヨーカードー的な位置付けでいいんでしょうか。街のいたる所にあったので色々入りましたが店舗によってかなり趣向が違う。中でもメトロ7号ピラミッド駅至近の店舗(オペラ店)はお土産スポットとしても紹介されていたのでマルセイユ石鹸を買いに行ってみましたよ。なるほど楽しい。バラマキ土産に最適なお菓子の類いやちょっとした小物類に目移り。中でも地下にある総菜売り場には心惹かれた。お土産というわけには行きませんが、滞在が長ければここで色々買って部屋で食事するのも楽しそう。写真のモノプリはリュデュバック駅近くの店舗かな?ちょっと記憶あいまい。電池が欲しくて入ったけど意外と高かったのであきらめた記憶がよみがえってきた。モノプリは買い物袋を置いてないからエコバッグ必携よ。
アールヌーボーの丸天井

ギャラリーラファイエット パリオスマン店
オペラ座裏手の高級百貨店!デパ地下で総菜買って帰ろうと思った。折角だから天窓を鑑賞。帰りにスリに遭遇したのは多分ここの総菜袋を持ってたせいではないかと思う。お高いお店でお買い物をしたら即エコバッグで覆うように隠しましょう。物珍しい総菜や美味しそうなお菓子の数々に同行のお嬢さんと一緒に大興奮したひと時でした。ドゥーサングラム シルブプレ(200gください!)というフランス語を覚えて言って本当に良かった。しみじみ

ルボン マルシェ リヴゴーシュ
気の利いた物が揃ってる
ケーキ!
世界最古のデパートですって。最終日に独りで駆け足で行ってきたのですが、ここは心残りポイントの一つ。もっとゆっくりと見てまわりたかった。とにかく素敵!食材売り場しか見てませんが^^; モノプリ同様、お土産を探すのに良いのではないでしょうか。洒落た食材売り場が好きな人なら絶対に行くべし。メトロ12号セーヴルバビロン駅を出たら目の前にあります。

エリックカイザー!
入店はしていないけど、メゾンカイザーの開祖、エリックカイザーの一号店を見かけたのでパチリ。確かシテ島のそばにありました。こんな小さな店舗から始めて、おいしいパンで今や世界中にその名を轟かせるなんて憎いよこのど根性パン兄弟!パリはこうした小さなパン屋が辻々にあって、しかもほとんど必ずケーキのショーケースがあるので外から眺めても楽しい。もちろん美味しいものアンテナが立つようなら入店してジュプランサ(これください!)と買うのも楽しい。宿の側のパン屋ではパリブレストを見かけて買ったらハンバーガーみたいに紙にくるんで渡してくれたのも、ちょっとしたカルチャーショックで良い思い出です。
開けるとパリブレスト
お持ち帰りケーキ
カルチャーショックといえばワインはいたる所で買えるのに、いざビールを買おうとするとなかなか見つけられなかったのには驚いた。以前も書きましたがヴザヴェ デ ビエール?(ビールあります?)という文例を頭に叩き込んで行った甲斐がありましたよ。人から笑われても、自分にとって必要だと思う最低限の文例や単語の数々は予習しておくと良いですね。特に旅先で食いっ逸れたくない人は食べ物の名前くらいは読み取れるようにするの推奨^^
最後はやっぱり食べ物の話で終わったか…という感じですが、パリ旅行記はこれにておしまい。帰国後にフランス革命の勉強したりといろいろおまけはあるのですが、それはまた別のおはなし。

2016年7月9日土曜日

パリ一人旅 寄り道編

オランジェリー美術館を「寄り道」に入れてよいのか疑問だが、パリを離れる直前にやっぱりどうしても見ておきたい!と走って見に行った場所です。モネの睡蓮が展示されていることで有名。
『睡蓮』の写真じゃないじゃんと言われても…
シャガール『窓から見たパリ』
私が美術館めぐりに興味を持ったきっかけがモネの『睡蓮』。小学生時代の「図画・工作」の教科書はA4サイズを縦に切って横長にめくって見る変則的な形でしたが、その最初の見開きページに上野西洋美術館収蔵のモネ「睡蓮」が印刷されていた。
中学一年の美術の時間にその実物に対面した時の衝撃ときたら!あの絵だ…こんなに大きかったんだ…と釘付けになった。視界を覆われて絵の中に吸い込まれて行く感覚を持ったあの感動。美術品は実物をこの目で見ないと本当のことはわからないのだと実感した出来事だった。それをきっかけに土曜の午後は学校帰りに頻繁に上野に立ち寄るようになった。

オランジェリーは睡蓮を展示するために整備されたという小さな美術館。初めて見た時の感動にはおよばないものの、やっぱり行けて良かったです(思いがけずシャガールの絵も見られた)。この年になるとやっと人生を振り返って自分に影響を与えたものが何であったか俯瞰することができる。駆けるように生きている若い時分は何が自分に起きているのかを把握する間すらないものだ。「あの出会いがあったから」「あの出来事があったから」と思い返すことができるのは、それなりに歴史を積んだ後のことなのでしょう。この出会いがあったから私は美術に興味を持ち始めたし、その後は能動的に美しいものをこの目で見ようとしてきた。そこから広がった世界のなんと大きなことよ。「ありがとう」と心からの感謝がわき起こり、ああ、この展示室はまるで礼拝堂のようだと思う。
私は確たる宗教を持っているわけでもないし、美術を仕事にしてるわけでもないから睡蓮が人生の岐路というのとも違う。でもふざけ半分に「〇〇詣で」と言いながらどこかに出向いている時の私というのは、実は何かに感謝している気持ちがそうした言葉遊びに現れているのかな…と備忘録。

セーヌへと抜ける暗渠(あんきょ)
ここを抜けるクルーズは楽しいらしい
サンマルタン運河は映画『アメリ』に出てきたことで有名。というけど私は映画を見てない。単純にパリ中心地から宿へ戻る途中にあったから立ち寄ってみた。地元っこ達の憩いの場らしい。なるほど運河沿いに遊歩道がありそぞろ歩きにもってこい。隅田川沿いの公園ほど広いわけじゃないけど、歩を進めれば可愛らしいショップが並ぶ一角もあってちょっとした観光スポット。メトロ3,8,9,11号が通るレピュブリック駅で降りて運河に出てメトロ7号のルイブラン駅へ歩くコースをとってみた。
両岸をつなぐ太鼓橋風の階段が随所にあり、見事に若いカップルだらけ。彼らは階段に腰掛けて障害物と化している。異国情緒はあるものの、水辺の美しい風景を期待して来るとナンカチガウ感。集まった人達は何するでもなくお日様に顔を向けて時間を潰してる。ああ、そうか。水路のおかげで遮るもののないここも日当り良好スポット。地元っこはカフェ同様、ここにも太陽光を浴びるためにやってきているんだね、ということをなんとなく理解。水位調節しながら船を渡す閘門(こうもん)があったりして物珍しい風景ではありますが、時間に余裕があって地元の空気を吸う観光が好きな人向きの場所といった感じ。
通りに面してひょっこり顔を出すゲート

その名も楽しパサージュ。これこそまさに時間に余裕があったらたくさん見て回りたかったスポットです。屋根に覆われたアーケード街のことで、言ってみれば地元商店街。観光スポットととらえるなら浅草の仲見世的なものを想像…いやかなり雰囲気が違うか。←当たらずとも遠からずなんだろうけどオシャレ度が全然違うってばよ。
オルセー美術館の前に行きがけの駄賃のようにしてギャルリーヴェロドダに行ってみました。朝早かったので人影もまばらですが150年前のたたずまいを今に残す重厚なつくり。中は宝石商や画廊、美術工芸寄りの家具屋さんが入っていて通路を歩いているとうっとりします。短い通路ですが、パレロワイヤルが歓楽街だった頃は本当に賑やかで華やいだ場所だったといいます。ブルジョワ階級の憩いの場として発展したこれらアーケード街はパレロワイヤル周辺にいくつか残っています。次回があるならこうしたパサージュ巡りを存分に楽しんでみたいものです。パリにはこうした歴史あるパサージュの他にも土地の人に愛される素敵な裏路地がたくさんあって、本当に散策しだすときりがない街でした。

この駐車、本当にやってる人がいるとは…
おまけのスマート。自分の愛車と同型の車が街中を多数爆走しているのを見るのは嬉しかったです。話には聞いていたけど本当にスマート乗りが多い。頑張れ、スマート!
スマートは駐車スペースが小さくて済むので重宝してる。冗談抜きで写真のような駐車をするのが夢だった。日本の路上では絶対怒られると思って断念してたけど、さすがは本場のヨーロッパ。実際にやってる所を見られて本望であります。

2016年7月2日土曜日

パリ一人旅 オペラガルニエ

正確にはオルセー見学の日の帰路に立ち寄ったオペラ座。オルセーの展示室の一角にオペラ座のコーナーがあり、そこを見て発作的に立ち寄った。ミュージアムパスが使えない施設でしたが11ウーロ払って見る価値は十分ありました。
こんな感じ
やっと会えた天井画
オルセーに飾られたオペラ座断面模型
建物内部に限定するとヴェルサイユ宮殿よりはオペラガルニエの方が私の心を魅了した。それは多分、オペラ座が今も現役の劇場として機能しているからかも。聯綿(れんめん)と続く時の声を拝聴する感覚。「つわものどもがゆめのあと」な現在のヴェルサイユはどこか作り物めいたものを感じてしまう。事実、フランス革命後の宮殿内の諸々は略奪や破壊を受け、その後ナポレオンが住まうようになって彼好みに手を入れられている。その後、王妃の寝室などは観光施設になってから復元されたものだと聞く。まあそれを含めて歴史の足跡ではあるのですが。

さて、オペラ座。この日、学童期のグループがいくつも見学会を行っていた。男女に分かれた集団の男子グループの凄まじい騒がしさには苦笑いの連続。引率の大人達がひっきりなしに「しーーっ」「しーっ」とやってる息づかいの音までが騒音の一つになっていてダースベーダーの集団かと思いましたよ。
この団体は良い子達
大人の言うことを一切聞かず騒ぎ続ける男子集団を避ける方向で見学。男子組が観覧席を陣取っている間、書庫へ行ったりして時間を潰してからやっと客席に足を入れるとそこには入れ替わりに女子の集団が入っていた。こちらは全く対照的で静かに引率者の説明に聞き入っている。時折、質問女子が手を挙げて何事か質問をしては先生が丁寧に答える。静かな集団に混じって私も劇場内を鑑賞。小さい時からこうした美術、芸術品に触れる教育を受けられるなんて素敵なことだな〜としみじみ。オルセーでも美大生っぽい人達が彫刻デッサンをしていたりして、芸術の都を体現する現場をしばしば目にした。
女子が陣取ってるのでシャガールの天井絵が見られないけど、じきに彼女達もいなくなるからそれからじっくりと拝見、と思っていたら…しかし女子は女子で長っ尻。最初は好意的に見ていたが、いつまでたっても終わらない説明に違和感。「ちょっと時間かかり過ぎ?」「日本なら教室で予習してから見学に来るけどな…」様式の違いに戸惑いを感じながら待つ事15分。男子は5分と持たずに退散したというのに女子組の先生は一から懇切丁寧に説明してる風情。そこへ持ってきて特定の質問女子が張り切って次々質問をかます。フランス語はわからねど、様子を見てるとどうも「先生、あの絵のあそこにあるあれは犬?」「ねえ、あれって天使に見えない?」みたいな話をしているとしか思えない質疑応答の様子。そのたび先生は「どれのことかしら?うーん、よく見えないわ」みたいに答えてる。おい!その家族の団らんみたいな会話はそろそろ終わりでいいんじゃないかな?女子組の外側では見学を諦めて引き返す一般客も多数続出。私は私でここまで待ったからには、とムダな意地をみせて結局トータル30分近く子供達に囲まれて見学会に参加した。抑えのきかなくなった男子組から人が呼びにきて女子組退場。やっと…やっとシャガールの天井画を拝める。
劇場に向かう階段
迷宮の如し
オペラ座外観
憩いの場になってる

少しすさんだ気持ちも落ち着いて鑑賞タイム。来て良かった。思い返せば初めて見たオペラは中学の学校行事で行ったモーツァルトの『魔笛』。日比谷の日生劇場ですけどね^^; こんな劇場で魔笛を見たならたちまち魔法にかけられてしまうことだろうと思う。先刻の子供達も長じて大人達があれこれと心を砕いて教育を施してくれたことを思い返して感謝する日がくるだろうか。
感無量になって外に出るとオペラ座前の石段に人々が憩うている。パンテオンの前でも、公園広場でも、ヨーロッパの人は隙あらば日光浴をするのが大好きなのね。日曜のカフェなんて冗談ぬきにガラパゴス諸島のイグアナみたいに人々が日光に向かってずらりと並んでいて感心した。所変われば人も文化も違うもの。太陽の光を享受する人々の幸せそうな様子を見てオペラガルニエ参詣はおしまい。

2016年6月26日日曜日

パリ一人旅 ヴェルサイユ飯

圧倒的ではないか、ヴェルサイユ!TVや書籍で何度も目にする宮殿ながら、まさに百聞は一見に如かず。実際に行ってみると圧倒されますね。特に庭園は度肝を抜かれた。
今まで西洋の庭園を見る機会に恵まれなかったからというのもあるけれど、造形の違いはもちろんのこと植栽の仕方からして何もかもが違う。こんなにみっしりと生け垣のように樹木を植え付けるなんて…と庭園内の回廊を歩きながら物珍しく思ったが、帰宅してから案内図を見て実はその生け垣の中に多種多用のミニ庭園が隠されていたことを知り驚き倍増。とても全部を見てまわる事は不可能だったから今回の散策はコレはこれで良しと思うけど、もしも次回があるなら庭園のひとつひとつをじっくりと見てまわりたいものです。
大水路と噴水を臨む
林の中にはいくつもの庭園が隠されている
ミニ庭園の様子。オベリスクの木立、
列柱廊の木立とか各々名前がついている
今回、旦那がやたらと張り切って庭園を歩き回った。グラントリアノン(離宮)やプティトリアノンは本殿からは1.5kmも離れており歩いて25分。さらにその奥にある王妃の村里に行くのだって10分くらいは歩く。建物内部の見学も含めれば相当量歩くから離宮への移動くらいはトラムを使えばいいのに結局全行程を歩いた。ちなみにこの日の歩行距離は13kmほど(帰路にモノプリで買い物とかしてますが)。ルーブル見学の日とほぼ同じだった。歩きまわる予定の人は旅行前のトレーニングをおすすめします。

鳥のさえずりが気持ちの良いテラス席
王道のガレットを白ワインとともに
さて、午前中にヴェルサイユ本殿の見学を終え庭園に降り立つ頃には昼時を迎えた私達。アポロンの泉の向こう、水路のほど近くに建つ一軒家レストラン「ラ フロッティーユ」でご飯ですよ。ここはルイ14世が宴席を開くために作った小館を改装したお店。絶対にヴェルサイユでご飯を食べてやろうと画策していた私は猫まっしぐらに入店。しゃれた店内を横目にテラス席に陣取る。ゴージャスなハンバーガーにもそそられたけど、折角来たんだから土地のものを食べようということでガレット。土地のものか?と聞かれればガレットは正確にはブルターニュ料理ですが細かいことは気にしない。オルセーで食べた牛のブルギニョンだってブルゴーニュ料理だけど、日本に来た異人さんも東京でとんこつラーメンやお好み焼きを食べるだろうよ。そういうもんでしょ、と逆ギレ気味に旦那に主張。そうこうするうち料理が運ばれてきて至福の時間。フランスはどんな飲食店もハズレがないのが嬉しい。何を食べても美味しかったです。しかもヴェルサイユで食べるご飯なんて、一生もんの思い出です。
お腹も気持ちも満たされて午後は離宮にお散歩さんぽ。離宮を一渡り見学してさすがに疲れた。王妃の村里に行く気力は尽きかけているものの、旦那がどうしてもそこは見たいというのでもうひと頑張り。途中、ヴェルサイユ杉の花粉に旦那が襲われてムスカになりながら(←目が〜目が〜、ってやつね)なんとか到着。え、アレがそうなの?あれって…
王妃の村里がほどなく見えて来た
もっと簡素なのを想像してた…
改装中だった王妃の館は
村里で一番大きな建物
言うなればそこはトゥーンタウン的テーマパーク。イマドキの商業ベースに乗せても遜色ない農村パークが広がっている。成田空港そばの「千葉房総のむら」よろしく、そば打ち体験や鎧甲冑着付けコーナー的なものがあればばっちり集客できるクラス。王妃のお遊びのためだけにコレを作ったのだから、貧困にあえぐパリ市民がこれを見たら「むっ」としちゃうのもムリないだろなと思う。息の詰まる宮廷生活だっただの、遠く離れた祖国オーストリアの農村を再現して心を慰めただのなんて言い訳しても、こんだけやり過ぎちゃうと説得力を欠いてしまうわねぇ。
村里からの帰路はマリーアントワネットという女の一生についてそれぞれが感慨に浸りながら歩いた。彼女は当時の王族社会の世相からすればボロクソ言われるほどの悪事や散財をしたわけでない。かと言って近年見直しがされて揺り戻しのように褒め称えられる感じの人とも思えない。王族に生まれ王族として考えなしに遊んで暮らした人というのが実情ではないかと思う。彼女の母上や兄上がそうだったように王族の義務(ノブレス オブリージュ)を念頭に暮らしてたなら、フランスの王室もまた違った道筋を歩んだかも…と、それはまた別のお話。

宮殿に辿り着くころは夫婦ともにへろへろ。これから電車に乗って宿に帰る前にお茶にしましょう、そうしましょう。間食に良い顔をしない旦那もこの日はさすがに疲れた様子で抵抗しない。そんなわけで行けるとは思ってなかったサロン ド テを突発的に初体験。ココシャネルも通ったというパリの老舗「アンジェリーナ」のヴェルサイユ店が宮殿内にあるんですよ。宮殿の中でお茶ですよ!これは行くしかないでしょう。
フランス伝統菓子のサントノレ!
お店の入り口で「食事?飲み物?」と聞かれ、つい「飲み物」と答えたらドリンクスタンドへ誘導されてしまった。折角のサロン ド テのチャンスを潰してなるものか!と執念で「いやいや、サロン ド テを使いたかったんです〜」と入店し直す。かようにイートインコーナーと喫茶室の2系統あるのでお好みで使いわけてください。
アンジェリーナはモンブランで有名ですが、それはプランタン銀座の店舗でも食べられるのでここはサントノレで!やった。サントノレは正真正銘パリ発祥のお菓子。こんどこそ本場の料理。型くずれしないしっかり目のクレーム・シブーストと、カラメルの飴掛けでカチカチに固まったシュー皮。これが本場の味か、と大感激。
「普通はここ来たらモンブラン食べるんじゃないの…」という旦那を尻目に、食べたい時に食べたいものを食べる。これぞマリーアントワネット級に贅沢な現代人の生き様なのであります。