いらっしゃいませ

にほんご べんきょう してきて ください
いらっしゃいませ。ずっと試運転中です。予告なく変更しまくるつもりが仕様変更については手付かずです。

2016年7月9日土曜日

パリ一人旅 寄り道編

オランジェリー美術館を「寄り道」に入れてよいのか疑問だが、パリを離れる直前にやっぱりどうしても見ておきたい!と走って見に行った場所です。モネの睡蓮が展示されていることで有名。
『睡蓮』の写真じゃないじゃんと言われても…
シャガール『窓から見たパリ』
私が美術館めぐりに興味を持ったきっかけがモネの『睡蓮』。小学生時代の「図画・工作」の教科書はA4サイズを縦に切って横長にめくって見る変則的な形でしたが、その最初の見開きページに上野西洋美術館収蔵のモネ「睡蓮」が印刷されていた。
中学一年の美術の時間にその実物に対面した時の衝撃ときたら!あの絵だ…こんなに大きかったんだ…と釘付けになった。視界を覆われて絵の中に吸い込まれて行く感覚を持ったあの感動。美術品は実物をこの目で見ないと本当のことはわからないのだと実感した出来事だった。それをきっかけに土曜の午後は学校帰りに頻繁に上野に立ち寄るようになった。

オランジェリーは睡蓮を展示するために整備されたという小さな美術館。初めて見た時の感動にはおよばないものの、やっぱり行けて良かったです(思いがけずシャガールの絵も見られた)。この年になるとやっと人生を振り返って自分に影響を与えたものが何であったか俯瞰することができる。駆けるように生きている若い時分は何が自分に起きているのかを把握する間すらないものだ。「あの出会いがあったから」「あの出来事があったから」と思い返すことができるのは、それなりに歴史を積んだ後のことなのでしょう。この出会いがあったから私は美術に興味を持ち始めたし、その後は能動的に美しいものをこの目で見ようとしてきた。そこから広がった世界のなんと大きなことよ。「ありがとう」と心からの感謝がわき起こり、ああ、この展示室はまるで礼拝堂のようだと思う。
私は確たる宗教を持っているわけでもないし、美術を仕事にしてるわけでもないから睡蓮が人生の岐路というのとも違う。でもふざけ半分に「〇〇詣で」と言いながらどこかに出向いている時の私というのは、実は何かに感謝している気持ちがそうした言葉遊びに現れているのかな…と備忘録。

セーヌへと抜ける暗渠(あんきょ)
ここを抜けるクルーズは楽しいらしい
サンマルタン運河は映画『アメリ』に出てきたことで有名。というけど私は映画を見てない。単純にパリ中心地から宿へ戻る途中にあったから立ち寄ってみた。地元っこ達の憩いの場らしい。なるほど運河沿いに遊歩道がありそぞろ歩きにもってこい。隅田川沿いの公園ほど広いわけじゃないけど、歩を進めれば可愛らしいショップが並ぶ一角もあってちょっとした観光スポット。メトロ3,8,9,11号が通るレピュブリック駅で降りて運河に出てメトロ7号のルイブラン駅へ歩くコースをとってみた。
両岸をつなぐ太鼓橋風の階段が随所にあり、見事に若いカップルだらけ。彼らは階段に腰掛けて障害物と化している。異国情緒はあるものの、水辺の美しい風景を期待して来るとナンカチガウ感。集まった人達は何するでもなくお日様に顔を向けて時間を潰してる。ああ、そうか。水路のおかげで遮るもののないここも日当り良好スポット。地元っこはカフェ同様、ここにも太陽光を浴びるためにやってきているんだね、ということをなんとなく理解。水位調節しながら船を渡す閘門(こうもん)があったりして物珍しい風景ではありますが、時間に余裕があって地元の空気を吸う観光が好きな人向きの場所といった感じ。
通りに面してひょっこり顔を出すゲート

その名も楽しパサージュ。これこそまさに時間に余裕があったらたくさん見て回りたかったスポットです。屋根に覆われたアーケード街のことで、言ってみれば地元商店街。観光スポットととらえるなら浅草の仲見世的なものを想像…いやかなり雰囲気が違うか。←当たらずとも遠からずなんだろうけどオシャレ度が全然違うってばよ。
オルセー美術館の前に行きがけの駄賃のようにしてギャルリーヴェロドダに行ってみました。朝早かったので人影もまばらですが150年前のたたずまいを今に残す重厚なつくり。中は宝石商や画廊、美術工芸寄りの家具屋さんが入っていて通路を歩いているとうっとりします。短い通路ですが、パレロワイヤルが歓楽街だった頃は本当に賑やかで華やいだ場所だったといいます。ブルジョワ階級の憩いの場として発展したこれらアーケード街はパレロワイヤル周辺にいくつか残っています。次回があるならこうしたパサージュ巡りを存分に楽しんでみたいものです。パリにはこうした歴史あるパサージュの他にも土地の人に愛される素敵な裏路地がたくさんあって、本当に散策しだすときりがない街でした。

この駐車、本当にやってる人がいるとは…
おまけのスマート。自分の愛車と同型の車が街中を多数爆走しているのを見るのは嬉しかったです。話には聞いていたけど本当にスマート乗りが多い。頑張れ、スマート!
スマートは駐車スペースが小さくて済むので重宝してる。冗談抜きで写真のような駐車をするのが夢だった。日本の路上では絶対怒られると思って断念してたけど、さすがは本場のヨーロッパ。実際にやってる所を見られて本望であります。

0 件のコメント:

コメントを投稿