いらっしゃいませ

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2016年7月2日土曜日

パリ一人旅 オペラガルニエ

正確にはオルセー見学の日の帰路に立ち寄ったオペラ座。オルセーの展示室の一角にオペラ座のコーナーがあり、そこを見て発作的に立ち寄った。ミュージアムパスが使えない施設でしたが11ウーロ払って見る価値は十分ありました。
こんな感じ
やっと会えた天井画
オルセーに飾られたオペラ座断面模型
建物内部に限定するとヴェルサイユ宮殿よりはオペラガルニエの方が私の心を魅了した。それは多分、オペラ座が今も現役の劇場として機能しているからかも。聯綿(れんめん)と続く時の声を拝聴する感覚。「つわものどもがゆめのあと」な現在のヴェルサイユはどこか作り物めいたものを感じてしまう。事実、フランス革命後の宮殿内の諸々は略奪や破壊を受け、その後ナポレオンが住まうようになって彼好みに手を入れられている。その後、王妃の寝室などは観光施設になってから復元されたものだと聞く。まあそれを含めて歴史の足跡ではあるのですが。

さて、オペラ座。この日、学童期のグループがいくつも見学会を行っていた。男女に分かれた集団の男子グループの凄まじい騒がしさには苦笑いの連続。引率の大人達がひっきりなしに「しーーっ」「しーっ」とやってる息づかいの音までが騒音の一つになっていてダースベーダーの集団かと思いましたよ。
この団体は良い子達
大人の言うことを一切聞かず騒ぎ続ける男子集団を避ける方向で見学。男子組が観覧席を陣取っている間、書庫へ行ったりして時間を潰してからやっと客席に足を入れるとそこには入れ替わりに女子の集団が入っていた。こちらは全く対照的で静かに引率者の説明に聞き入っている。時折、質問女子が手を挙げて何事か質問をしては先生が丁寧に答える。静かな集団に混じって私も劇場内を鑑賞。小さい時からこうした美術、芸術品に触れる教育を受けられるなんて素敵なことだな〜としみじみ。オルセーでも美大生っぽい人達が彫刻デッサンをしていたりして、芸術の都を体現する現場をしばしば目にした。
女子が陣取ってるのでシャガールの天井絵が見られないけど、じきに彼女達もいなくなるからそれからじっくりと拝見、と思っていたら…しかし女子は女子で長っ尻。最初は好意的に見ていたが、いつまでたっても終わらない説明に違和感。「ちょっと時間かかり過ぎ?」「日本なら教室で予習してから見学に来るけどな…」様式の違いに戸惑いを感じながら待つ事15分。男子は5分と持たずに退散したというのに女子組の先生は一から懇切丁寧に説明してる風情。そこへ持ってきて特定の質問女子が張り切って次々質問をかます。フランス語はわからねど、様子を見てるとどうも「先生、あの絵のあそこにあるあれは犬?」「ねえ、あれって天使に見えない?」みたいな話をしているとしか思えない質疑応答の様子。そのたび先生は「どれのことかしら?うーん、よく見えないわ」みたいに答えてる。おい!その家族の団らんみたいな会話はそろそろ終わりでいいんじゃないかな?女子組の外側では見学を諦めて引き返す一般客も多数続出。私は私でここまで待ったからには、とムダな意地をみせて結局トータル30分近く子供達に囲まれて見学会に参加した。抑えのきかなくなった男子組から人が呼びにきて女子組退場。やっと…やっとシャガールの天井画を拝める。
劇場に向かう階段
迷宮の如し
オペラ座外観
憩いの場になってる

少しすさんだ気持ちも落ち着いて鑑賞タイム。来て良かった。思い返せば初めて見たオペラは中学の学校行事で行ったモーツァルトの『魔笛』。日比谷の日生劇場ですけどね^^; こんな劇場で魔笛を見たならたちまち魔法にかけられてしまうことだろうと思う。先刻の子供達も長じて大人達があれこれと心を砕いて教育を施してくれたことを思い返して感謝する日がくるだろうか。
感無量になって外に出るとオペラ座前の石段に人々が憩うている。パンテオンの前でも、公園広場でも、ヨーロッパの人は隙あらば日光浴をするのが大好きなのね。日曜のカフェなんて冗談ぬきにガラパゴス諸島のイグアナみたいに人々が日光に向かってずらりと並んでいて感心した。所変われば人も文化も違うもの。太陽の光を享受する人々の幸せそうな様子を見てオペラガルニエ参詣はおしまい。

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