いらっしゃいませ

にほんご べんきょう してきて ください
いらっしゃいませ。ずっと試運転中です。予告なく変更しまくるつもりが仕様変更については手付かずです。

2016年6月26日日曜日

パリ一人旅 ヴェルサイユ飯

圧倒的ではないか、ヴェルサイユ!TVや書籍で何度も目にする宮殿ながら、まさに百聞は一見に如かず。実際に行ってみると圧倒されますね。特に庭園は度肝を抜かれた。
今まで西洋の庭園を見る機会に恵まれなかったからというのもあるけれど、造形の違いはもちろんのこと植栽の仕方からして何もかもが違う。こんなにみっしりと生け垣のように樹木を植え付けるなんて…と庭園内の回廊を歩きながら物珍しく思ったが、帰宅してから案内図を見て実はその生け垣の中に多種多用のミニ庭園が隠されていたことを知り驚き倍増。とても全部を見てまわる事は不可能だったから今回の散策はコレはこれで良しと思うけど、もしも次回があるなら庭園のひとつひとつをじっくりと見てまわりたいものです。
大水路と噴水を臨む
林の中にはいくつもの庭園が隠されている
ミニ庭園の様子。オベリスクの木立、
列柱廊の木立とか各々名前がついている
今回、旦那がやたらと張り切って庭園を歩き回った。グラントリアノン(離宮)やプティトリアノンは本殿からは1.5kmも離れており歩いて25分。さらにその奥にある王妃の村里に行くのだって10分くらいは歩く。建物内部の見学も含めれば相当量歩くから離宮への移動くらいはトラムを使えばいいのに結局全行程を歩いた。ちなみにこの日の歩行距離は13kmほど(帰路にモノプリで買い物とかしてますが)。ルーブル見学の日とほぼ同じだった。歩きまわる予定の人は旅行前のトレーニングをおすすめします。

鳥のさえずりが気持ちの良いテラス席
王道のガレットを白ワインとともに
さて、午前中にヴェルサイユ本殿の見学を終え庭園に降り立つ頃には昼時を迎えた私達。アポロンの泉の向こう、水路のほど近くに建つ一軒家レストラン「ラ フロッティーユ」でご飯ですよ。ここはルイ14世が宴席を開くために作った小館を改装したお店。絶対にヴェルサイユでご飯を食べてやろうと画策していた私は猫まっしぐらに入店。しゃれた店内を横目にテラス席に陣取る。ゴージャスなハンバーガーにもそそられたけど、折角来たんだから土地のものを食べようということでガレット。土地のものか?と聞かれればガレットは正確にはブルターニュ料理ですが細かいことは気にしない。オルセーで食べた牛のブルギニョンだってブルゴーニュ料理だけど、日本に来た異人さんも東京でとんこつラーメンやお好み焼きを食べるだろうよ。そういうもんでしょ、と逆ギレ気味に旦那に主張。そうこうするうち料理が運ばれてきて至福の時間。フランスはどんな飲食店もハズレがないのが嬉しい。何を食べても美味しかったです。しかもヴェルサイユで食べるご飯なんて、一生もんの思い出です。
お腹も気持ちも満たされて午後は離宮にお散歩さんぽ。離宮を一渡り見学してさすがに疲れた。王妃の村里に行く気力は尽きかけているものの、旦那がどうしてもそこは見たいというのでもうひと頑張り。途中、ヴェルサイユ杉の花粉に旦那が襲われてムスカになりながら(←目が〜目が〜、ってやつね)なんとか到着。え、アレがそうなの?あれって…
王妃の村里がほどなく見えて来た
もっと簡素なのを想像してた…
改装中だった王妃の館は
村里で一番大きな建物
言うなればそこはトゥーンタウン的テーマパーク。イマドキの商業ベースに乗せても遜色ない農村パークが広がっている。成田空港そばの「千葉房総のむら」よろしく、そば打ち体験や鎧甲冑着付けコーナー的なものがあればばっちり集客できるクラス。王妃のお遊びのためだけにコレを作ったのだから、貧困にあえぐパリ市民がこれを見たら「むっ」としちゃうのもムリないだろなと思う。息の詰まる宮廷生活だっただの、遠く離れた祖国オーストリアの農村を再現して心を慰めただのなんて言い訳しても、こんだけやり過ぎちゃうと説得力を欠いてしまうわねぇ。
村里からの帰路はマリーアントワネットという女の一生についてそれぞれが感慨に浸りながら歩いた。彼女は当時の王族社会の世相からすればボロクソ言われるほどの悪事や散財をしたわけでない。かと言って近年見直しがされて揺り戻しのように褒め称えられる感じの人とも思えない。王族に生まれ王族として考えなしに遊んで暮らした人というのが実情ではないかと思う。彼女の母上や兄上がそうだったように王族の義務(ノブレス オブリージュ)を念頭に暮らしてたなら、フランスの王室もまた違った道筋を歩んだかも…と、それはまた別のお話。

宮殿に辿り着くころは夫婦ともにへろへろ。これから電車に乗って宿に帰る前にお茶にしましょう、そうしましょう。間食に良い顔をしない旦那もこの日はさすがに疲れた様子で抵抗しない。そんなわけで行けるとは思ってなかったサロン ド テを突発的に初体験。ココシャネルも通ったというパリの老舗「アンジェリーナ」のヴェルサイユ店が宮殿内にあるんですよ。宮殿の中でお茶ですよ!これは行くしかないでしょう。
フランス伝統菓子のサントノレ!
お店の入り口で「食事?飲み物?」と聞かれ、つい「飲み物」と答えたらドリンクスタンドへ誘導されてしまった。折角のサロン ド テのチャンスを潰してなるものか!と執念で「いやいや、サロン ド テを使いたかったんです〜」と入店し直す。かようにイートインコーナーと喫茶室の2系統あるのでお好みで使いわけてください。
アンジェリーナはモンブランで有名ですが、それはプランタン銀座の店舗でも食べられるのでここはサントノレで!やった。サントノレは正真正銘パリ発祥のお菓子。こんどこそ本場の料理。型くずれしないしっかり目のクレーム・シブーストと、カラメルの飴掛けでカチカチに固まったシュー皮。これが本場の味か、と大感激。
「普通はここ来たらモンブラン食べるんじゃないの…」という旦那を尻目に、食べたい時に食べたいものを食べる。これぞマリーアントワネット級に贅沢な現代人の生き様なのであります。


0 件のコメント:

コメントを投稿