いらっしゃいませ

にほんご べんきょう してきて ください
いらっしゃいませ。ずっと試運転中です。予告なく変更しまくるつもりが仕様変更については手付かずです。

2013年9月27日金曜日

カーメルンの笛吹き男

もちろん、カーメルと笛吹き男には何の関係もございません。タイトルは例によって読み飛ばしてください。
誰かが海藻で落書きしていた
Love letters in the sand
カーメルはアーティストの街。正式名称はカーメル・バイ・ザ・シー。古くから芸術家肌の人々が集まり、自然回帰な生活を送るコミュニティがここに形成されていた。アメリカ人の『リタイアしたら住みたい街ナンバーワン』に挙げられる土地(約20年前情報)であり、かつてクリント=イーストウッドが市長を務めたことでも有名です。彼は現在も 観光農園やレストランを経営 しながら悠々自適に暮らしている模様。

街そのものはとても小さくて観光に手頃なサイズ。お金持ちの街なので中心部のショッピングエリアも上品系でまとまっており散策に最適。画廊めぐりやブランドショップ詣で、シティビーチの白砂を眺め海岸沿いの妖精の棲家っぽい邸宅見物をするなど物見遊山の要素が凝縮されています。
お金がない私達夫婦にはずっと無縁の観光地でしたけどね(^^;)。そもそもこの街の宿はモントレーより割高な上に連泊者しか受けつけないという奇妙なキマリゴトがあったので寄り付くこともできなかった。
奇妙なルールといえばこの街は「許可なくハイヒールを履いてはならない」とか、「郵便ポストを設置してはならない」とか、いやはや芸術家はちと違うと思わせる課題?が昔はテンコ盛りの街だった。ハイヒールは今でもそうなのか知らないけど、「ポストが無い及び住所標識を出さない(←アメリカでは異例なこと)」は今回訪れた際も徹底していた。
余談ですが、住民はポストなしでどうしているかと言えば私書箱を使う。街に届く全ての郵便物は一カ所に集まるので、そこに住民が必ず集まることになり結果的にそこが社交場になる。それはそれで素敵なシステム。小さい街だからこそ出来ることですね。

持ち手がワインコルクのデザインのバターナイフ
自立するので便利だし小ぶりだし土産に最適
カーメル観光のルートにほとんど必ず入れられるショッピングモール「カーメルプラザ」にはオススメのチーズショップがあります。 ワイン&ガーメイ 。ここ大好き〜!店の間口は小さいながら戸口からは芳醇なナチュラルチーズの香りが濁流のごとく流れ出している。それは店の前を歩いただけで「うわぁぁあ」となる位。チーズ好きな人もチーズ苦手な人も同時に反応してしまう強烈な香り。気さくな店員さんが試食を奨めてくるし、ワイン関連の小物もあるので見ているだけでも楽しい。
他にオススメは サ ラ テーブル 。シアトル発祥のキッチンツールの有名店。業界では ウィリアムズ ソノマ (こちらはサンフランシスコ発祥)に継ぐ全米第二位のお店です。ここも見てるだけで楽しいし、お土産物を物色するにも絶賛推奨。珍しくて色とりどりのキッチン用品に囲まれるのは 合羽橋 とは一味違った趣きのワクワク感(どこと比べてるんじゃ、てな話ですが)。

ビーチに行くつもりで、うっかりショッピングエリアの案内にうつつをぬかしてしまった。海に向かいますよ、おかみさん。
プラザ前の目抜き通りオーシャンアベニューを海(西)に向けて進むと道沿いにビーチパーキングが出現します。車を降りて海岸に出ると白い砂浜で有名なカーメルビーチが一望できる。過去に二度、うっかり波打ち際まで砂浜を降りたことがあるが二度ともその後で大変な後悔を余儀なくされた。それというのも、この砂浜はかなりの勾配がある。白い広大な砂浜のせいで錯視を起こすのか、人はこの勾配に気がつかない。実に往きはよいよいで復りはコワイ設計の砂浜。砂に足を取られながらの行進は蟻地獄からの脱出劇のごとし。ふらふらになりながら車まで戻ることになるのでビーチに降りる方はご用心。

ビーチの駐車場は混んでいますが左に折れてシーニックロードを南下すれば道沿いに点々とパーキングスペースが用意されています。適当な場所で停めてはキョロキョロ、降りてはフラフラと独り気ままな海辺のドライブを楽しんでいたら、今回は思わぬ収穫を手にいれた。
というか何のことはない。引き返せない性格の私が一方通行に入り込んで、どこまでも車を走らせていたら初めての場所に行き当たった、というだけのことなのですが…この感動は一言で表せられない。知ってるつもりでいたカーメルビーチが、あんなに美しい場所を隠し持っていたなんて!道に迷うとすぐに補正したがる旦那と一緒に居たなら、絶対に見つけられなかったであろう美しい風景と出会えた、その偶然の妙が今回の旅に大きな彩りを添えた。(※一人でフラフラできるのも安全な街ならでは。安全だという確証がない限り、海外で知らない街を一人でウロウロするのはやめましょう。良い子のお約束)

では次回、楽園のようなカーメルビーチの様子を紹介!お楽しみに〜

2013年9月20日金曜日

だ〜れも居ない海♪

『17才』にひっかけた細かすぎて分かりにくいタイトルでお送りしております。ちなみに私は森高世代。旦那は南沙織世代。そんなことはどーでもいい。
約束通りに17マイルドライブの話、後半戦です。まずはグーグルマップさんにお願い!ざっとですがドライブルートのお奨めスポットを紹介します。
既出のとおり、ここは全長30kmほどのルートに20カ所ほどのビューポイントが点在している観光名所。全ポイントで停まっているとせわしないことになるし、似たような風景が続くこともあるのでココがイイ!という場所を独断と偏見でチョイスしてみました。

ゲートは全部で三カ所(だったはず)。モントレー側(北)からカーメル側(南)に海沿いを走るコース取りが視界を遮られないので一番お奨め(右側通行だからね。皆、海側を走りたいでしょ)。
A地点のパシフィックグローブゲートから入って、しばらく林の道をうねうねと進みます。右手に海の気配がしてもまだしばらくは海は見えません。でもね、気を抜かないで!既にこの辺りから高級住宅のかほりが漂っている。アメリカのお金持ちのテイストを住宅から体感してみましょう。
やがて右手に海が見え始めたらスパニッシュベイロードで右折。ここからあとはずっと海岸線の絶景です。
孤高のティーグランド。こんな感じ
さて、B地点前回も出てきたポイントジョー。ここの見所はゴルフ場のティーグランド。海に突き出た岩場の突端部に無理矢理グリーンが敷かれていて、そこから南にむけてゴルフコースが広がってます。百聞は一見に如かず。グーグルさんで上から見てみましょう。この愉快な感じは是非一度、自分の目で確かめてみて欲しい。

さてお次はC地点あたり。バードロックとシールロックは外せない。文字通り、バードとシール(アシカ)がたむろってる岩礁を遠目に見るだけのポイントなのですが、そのタムロ具合がハンパ無い。晴天の日の方が壮絶に集まってる気がするのは気のせいでしょうか。バードロックのパーキングエリアにはリスがたくさんいて、その子達のベストショットを撮るのも楽しい。しつこいようですがエサは与えないでね。しゃがんで写真を撮っているとあいつら膝に前足をかけてクレクレと可愛くおねだりしてくるけど触るのも厳禁。野生動物と馴れ合うのは危険ですなの。(/_;)

さて名も知らぬD地点。ここは私の最もお気に入りの穴場的な場所。サンセットポイントというのが正式なのでしょうか。サイプレスゴルフコースを過ぎて二叉路に出たら右手に進んでください。袋小路になるのであまり車が入っていかない様子ですが、ここには金網越しに小ぶりなビーチを見下ろす広い駐車場があります。金網にとりついてビーチを見ると、そこにアザラシの群れが。そしてビーチ右手にはケルプが繁る場所があり、そこには野生のラッコがうじゃうじゃといるんです。親子ラッコの様子が見られるチャンスがたくさんあるのはここだけだと思う。ただし、ここも晴れの日の方が動物をたくさん見られる傾向あり。ココ、本当に教えたくないくらいオススメ。人も少ないからね。
動画から取ったので画質ワロシ(数年前のもの)
この日はアシカの親子が戯れていた

ここを過ぎるといよいよローンサイプレスのE地点。ガイドブックに必ずといってよいほど写真が掲載されるアレです。
日本的にはよくある風景。一本松とか名前つけられちゃうんだろうね。こちらは直訳すれば一本檜。ヒノキの仲間のイトスギというのが正式名称らしい。ウッドデッキを降りて鑑賞するお立ち台みたいな場所もあるけれど、そこまで行くと近すぎてキレイな写真は撮りにくい。アローンな感じも全くしない。なのでパーキングスペースの割と離れた場所から撮影すると良いかも。

コレね。離れ気味のパーキングエリアから撮影
トリのF地点は、やはり名門ゴルフコースのペブルビーチをば。最終ラウンドのグリーンが見たければロッジ正面玄関の右脇に小路があってそこから観覧スペースに行くことも可能です。でもなんといってもここで私がオススメしたいのはショッピングエリアのトイレそばにある不動産広告の掲示板。日本ではお目にかかれないブルジョワジーなコテージや邸宅の写真と、これまたトレビアーンでベラ〜ボゥなお値段の広告を眺めるのが密かな楽しみだったりする。お連れ様がトイレ休憩の合間に是非、ご高覧くださいませ。
前方にペブルビーチ最終ラウンドコース
ロッジの右手の小ゲートから自由に入れます
さて駆け足ではございましたが、ドライブコースはこれでおしまい。お帰りはお好きなゲートから俗世にお戻りください(^^)。一般的にはカーメルゲートから出てカーメル観光に流れるのが定番っぽい。
てなわけで次回はカーメルビーチに停まります。←世界の車窓風

2013年9月13日金曜日

浜千鳥足

海岸散策の話を以前しましたが、肝心のアシロマビーチの紹介がまだだったので今から南下していきまーす。
砂の小路を降りると広い砂浜に出ます。開放的!
受付棟と食堂棟の前の小路をなだらかに下っていくと、デューン(砂堆地)の中をはしるボードトレイルに出る。このボードを道なりに進むと目の前がアシロマビーチ。白砂の浜が視界に広がると誰の心も開放感でいっぱいになります。波が高すぎるので泳げる状態の海ではありませんが、この景観を眺めるだけでじゅうぶん楽しい。
ビーチの北側に行くと岩場がひろがり始める
ね、波が高いでしょ
 ビーチを右に進めば岩場がひろがり、そこでは磯遊び(というか岩場歩き?)もできるのでウォーターシューズや足拭きタオル持参を推奨。砂地と岩地が入り交じるので波打ち際を素足で歩くのも気持ちいい。
ビーチを左手に進めば17マイルドライブに向かってボードウォーキングを楽しめる。この浜辺の天気の良い日の爽快感といったらたまらな〜い!
ボードを南下して振り返りアシロマビーチ全景を撮影。
右側にはスパニッシュベイゴルフコース
深い青色の海に白い波頭。反対側には眩しい緑のゴルフコースとそれを縁取るデューンの植生。周りの景色を楽しんで、ジョギングや犬の散歩ですれ違う人々と道をゆずり合いながら(ボードは幅がやや狭め)無心にどこまでも歩いてしまおう。と、20~30分ほどでポイントジョーに到着。その名をご存知の方はお気づきでしょう。ボードを黙々と進むと、観光名所17マイルドライブに歩いて来られるんです!

17マイルドライブコースはゴルフリゾート内を疾走する風光明媚なルートで、ゴルフ場の他に高級住宅が建ち並び色んな意味で目の保養になる場所。このルートに車で入る際はトールゲートを通らねばならず、住んでる人やゴルフリゾートの宿泊者以外は通行料を払わないと入れません。たしか今は$9.50くらい。走り抜けてしまえば20分ほどのルートなんですが、いたる所にビューポイントが用意されていて、各自が思い思いの場所で停車して風景を楽しめる人気の観光スポットです。一見、高額!と思うかもしれませんがブルジョワジーの豪邸を垣間見ることのできるドライブルートは一度は走る価値ありです。
霧が出ると途端に寂寞感
ポイントジョーにて
晴れていればリスもサマになる
バードロックにて
さて左はポイントジョーの写真。これは上の晴天の海辺写真と同日午後に撮影したもの。見事に曇天模様。そうですここの難点は天気が目まぐるしく変わってしまうこと。霧で見え隠れする海岸も風情があって良いものですが、やはり訪れるからには絶景を堪能して欲しい。なので、霧が晴れるのを待ったり、翌日に出直したり、余裕を持ったプランで17マイルドライブに臨めると良いと思います。右は数年前に出かけた時の写真。やはり晴れてる時の写真の方が断然記念写真映えするってばよ。

さらりと飛ばして次回はカーメルビーチの紹介に行こうと思ったけど、やっぱり17マイルドライブの俺式お奨めスポットも紹介したくなってきた。なのでこの話、つづく!

2013年9月6日金曜日

森の仲間たち

アシロマビーチの施設内を歩いていると実にさまざまな動物達に遭遇する。一番目をひくのはシカ。奈良公園よろしく敷地内の茂みの中をゆったりと歩いて草を食(は)んでいます。彼らは人の世話を受けていない正真正銘の野生鹿の様子。近づくとそっと逃げてゆくので、こちらも驚かさないようにしてそっと写真だけ撮らせてね。
鹿は朝方に遭遇率が高い。
昼も木陰でよく鉢合わせする
ロッジは道路を挟んで海側と丘側に分かれますが、丘側で遭遇率が高いのがリス。ただしリスはこの国では公園界隈にカラスなみに常駐してるのであまり珍しい感じはしない。森の風景にとけ込んでいるし、ベンチや小路に飛び出して来ない限りそばに居ることに気がつかない人も多い。
気づかれない動物といえば、その筆頭は食堂床下をうろつくアライグマ。厨房の残飯バケツを漁っているのか、はたまたそこに住み着いているのか、食堂の外通路を歩くと雑草をかきわけて逃げて行く姿を見ることができる。もともと夜行性なので夜に出歩かない限り出会うことは少ないのですが。

では夜に動物観察に出かけますか、と行きたいところですが、夜行性のもっともっと恐ろしい動物に遭遇する例もあるそうな。敷地の随所には「マウンテンライオンに注意」という看板がたっている。ライオンなんてアラやだ、そんな…というか何?マウンテンライオン。今でこそアップルのOS名で馴染みのある言葉になってますが、初めて聞いた当時は何のことだかさっぱり。イメージとしては山猫?みたいな?なんて思ってたらとんでもない。辞書で調べたらピューマじゃござんせんか。さすがに撮影する機会には恵まれなかったので画像検索をご参照ください。これに夜、ロッジで遭遇したらさすがにイヤかも。2000年には施設内で鹿が襲われたことがあったとか…。見かけた方はパークレンジャーにお知らせください、とのことです。

さてトリは今回遭遇した動物の中で一番感動したものをチョイス。
まずは事情を説明させてくだされ。ある日私はルームクリーニングの間に部屋を空けるためスーパーマーケットで時間潰しをしていたのでございます。大好物のマッシュルーム入りブリーチーズを購入して部屋に戻るとそのタイミングで掃除の人がやって来た。だもんで、あわててチーズをベランダに置いて退室したのでございます。既出の通り、この宿泊施設には部屋に冷蔵庫がありません。この一帯は春先は外気温が低いので、常連さん達は昔っからベランダを冷蔵庫代わりに使用する習慣があったのでそうしたのですが、再度部屋に戻ってビックリ。何者かにチーズをかじられている!「しまった〜」と思いながらリスだか野鼠だかが齧ったチーズを泣きぬれて撮影しているとファインダー内にひょっこり入りこむ蒼い影。ごん、お前だったのか…
野生動物にエサは与えないでネ
それは一般にブルージェイと呼ばれる青い鳥 (これは正確にはスクラブジェイ=アメリカカケス。ブルージェイはアオカケスといって頭が冠状になっているらしい)。こいつが目の前30cmのところで私をチラ見しながらチーズをつんつん。
あまりのことに呆気にとられたが、逃げる様子がないので動画をとったり連写したり、間近で野鳥観察ざんまい。時々頭上でカタカタカタという不思議な音がしているのは耳に入っていたけれど、目の前の愛くるしい小鳥の様子に気をとられて頭を上げることはしなかった。と、いつの間に帰ったのか部屋の中からカメラを手にした旦那が登場。とても興奮していて、しかし努(つと)めて小さな声で「は、はちどりっ!」と目線で私をうながす。そこで初めて軒下を見ると…
なんということでしょう。カタカタいう音の正体はハミングバードの羽音。大人の人差し指くらいの大きさしかない小鳥中の小鳥。しかも臆病で俊敏。なかなか見られる機会がなかったのですが、ついに、ついに初めて対面できました。感無量。旦那も鳥を驚かさぬよう静かなる大興奮でシャッターをきる。しかしいかんせん動きが素早くて結局1枚も写真に収める事はできませんでした。必死にカメラを操る旦那を撮った私の1枚にだけ偶然映り込んだ軒下のハミングバードは本当にスズメバチほどの大きさ。拡大するとホバリングしている羽の様子をかろうじて見る事ができます。こうなると良いカメラが欲しくなる。アシロマにお出かけの際は一眼レフ推奨!
野鳥に観察されている旦那
というか、この1枚。結構お気に入り。
幸せの青い鳥はいつだってすぐそばに居るものですね〜。