いらっしゃいませ

にほんご べんきょう してきて ください
いらっしゃいませ。ずっと試運転中です。予告なく変更しまくるつもりが仕様変更については手付かずです。

2012年8月26日日曜日

此岸と彼岸のはざまで一服

喫茶店は良いですね。カフェじゃなくて喫茶店。私の中ではカフェは人が入れ替わり立ち替わりする気ぜわしいニュアンスがあって、喫茶店とは何か違う感じ。私のイメージする良い喫茶店とは、店主の個性が感じられ、扉の内外で時間の流れ方が違う店

店主の個性は店の設え(しつらえ)に現れるし、メニューに独創性があればそれはもう間違いない。大切なのは画一的なもの(あるいは大量生産的なもの)からは距離を置いているということ。これが結果的には結界となり、店内に入った時に時間の流れが変わる魔法を醸し出しているんだと常々思う。
トーストも喫茶のたしなみ
Let's make a toast ?!
学生の頃まではそうしたお気に入りの喫茶店をいくつか持っていて、その日の気分で渡り歩いたり友人と紹介しあったりして楽しんだもの。社会に出るとそうした時間を持つこともなくなり、親しんだ店自体も畳まれたり今風に改築されたりで足を運ぶことも無くなった。一番の決定打は昔ほど胃袋が大きくなくなったことでしょうけど(^^;)

さてそんな私が久方ぶりにアンテナ立っちゃう喫茶店に巡り会いましたよ。つくばエクスプレスみどりの駅にほど近い、と言いたい所だが実はちょいと距離がある 珈琲店 カ タ ミ 。これがなんというか、荒野の一軒家。な〜んにもない所にぽつねんと建っていて最初は全然気がつかなかった。この沿道には個性豊かな店が他にもあって、その名も「生そば もとむら」。昭和の喫茶風店構えにして「そば」の暖簾を掲げ、その横には「うどん」ののぼりアリ。さらにあろう事か夏になると駐車場に「冷やし中華はじめました」の旗まではためかせる始末。こちらに目を奪われていたため珈琲店の存在は完全にかすんでしまっていたわけです。
興味はあるものの、もとむらに入る勇気は到底なく、その変わりと言ってはなんですが黄色い荒野の一軒家に初トライ。むせるような夏の日差しから逃れ、駐車場から店に入ると思いがけず広々とした吹き抜けの下、清潔なカウンター席が目に飛び込む。お店には可憐な印象の女性二人が涼やかな接客でお出迎え。一歩店内に入ったら別世界。これよ、これぞ喫茶店の醍醐味!結界の中に踏み込んだ確かな足応え。この世のあの世はここにある。

結界を破りし者、決してそこに長く留まってはならない。必ず元の世界に戻ることが肝要。喫茶店の不思議時空に浸りながら、私のこの一ヶ月が異界に暮らすようなものであったことに思いを馳せた。時に自分の立ち位置を確かめるためにも、違う時間の流れに身を置くのは大事。良い喫茶店にはそんな浄化作用があるんです。
さて、しっちゃかめっちゃかだった8月に別れを告げて、此方と彼方を行きつ戻りつゆらゆらと我が道を見失うことなく進みましょうぞ。
来月は旅の話なんかを重点的にしたいと思っています。お楽しみに〜

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