いらっしゃいませ

にほんご べんきょう してきて ください
いらっしゃいませ。ずっと試運転中です。予告なく変更しまくるつもりが仕様変更については手付かずです。

2018年5月4日金曜日

病院へ行こう

退院後は日常生活をバタバタと送り、あっというまに三ヶ月経過。約束していたMRI検査を受けに行って、これでやれやれ一段落と思っていた私が甘かった。
検査後の診療で示された画像には、前回よりも狭窄部位が一層やせ細ってしまっている右脳の血管が写っている。右脳の血流が実際にはどうなっているのかを調べる必要があると言われた。
放射性物質を注射して脳内に流し込み、その動向を追跡して血の巡りを確認するという。あー、シンチレーションカウンターって放射線使った実験を昔やったなー。微生物に放射性物質与えて代謝の様子を調べるやつ。あれを自分の体でやる日が来るとはな…。
放射性物質注入という話の時点で拒否反応を示す人も中にはいるようだが、自分が微生物相手にやってきたことなので抵抗はなかった。てゆーか、こんなところで因果応報?
母親はヒロシマ被爆者だし、今更放射能でどうこうは思わない。検査そのものは興味もあって受けることはやぶさかではないのだが、しかし検査後の治療となると話は別だ。
医師は丁寧に今後の予想される流れについて説明してくれた。退院の際にかいつまんで聞かせてくれた話を再度ここで繰り返してくれる。
脳内の内頚動脈が塞がる原因不明の病気。塞がった血管の代わりに毛細血管が発達して血流を補い、もやもやとした陰影に見える微細血管群を形成する。しかし本来細い血管に無理をさせるので脳出血のリスクも高くなるし細い血管のせいで脳梗塞リスクも増す。要するに突然死の可能性が高くなる病気。原因不明だから治療法はないが対処療法として血行再建手術が行われる。(血行再建術の適用には各種ガイドラインがあるっぽい)

血流が確保できていれば良いが、血流検査の結果いかんでは血行再建術の必要がある。その際はカテーテル検査をして実際の血管の状況を見極めて、その上でどのような治療に当たるかを検討する。カテーテル手術で済む場合もあるし、事によると開頭手術で脳の内外の血管を繋げる場合もある。
ざっとこんな流れ。すでに工場のラインに乗せられた気持ちで、しかしながら検査をしないことには始まらんと思い速攻で検査予約を入れる。血流確保が確認できてれば当面は済む話なのだ。
検査で自分の置かれた状況を把握するのはいいだろう。だけどそれと大仰な治療を施すかどうかは別問題。突然死の可能性が高い病気と言われても、人はいつかは死ぬようにできている。死ぬ時というのはいつだって誰にとっても突然なんだから。
治療をしなければ突然死ぬかもしれないけど、死の直前まで何食わぬ顔で普段の生活ができるのであればそれは本望だ。嗚呼、私が愛したあの猫のように!
(注:この段階では愛猫はまだ存命)もし治療を受けることで100まで長生きできたとしても、体に負担をかけてまで日々衰弱しながらじっくり時間をかけて死を迎えるのであるなら意味を見出せない。それに治療というのはそう簡単なことではないと思うから逆に命を縮めることだってありうるのだ。
自然に任せるわけには行かないのだろうか?
「あんた血管が閉じてる段階ですでに体に負担かけてるわけだからさ」と夫には呆れられ、「猫だって腎不全の時に輸液をいれて治療したさ」と説得され、手術を拒否りそうな私を警戒した夫はシンチグラフ(血流検査)の診断結果を聞く時に付き添ってきた。

シンチ画像はこんな感じ
赤いのは血流ブンブン
黒いのは…しーんとしてる
結果は右脳のやつ、サボってやがる。サーモグラフのように映し出された血流は右側真っ黒。てゆーか、私は左半身をどうやって動かしているんでしょうかね?
この画像を見て説明を受けてそれでもなお「このまま何もしないという選択はありますか?」という質問をしたら夫に「この状況でバカなのー!」と怒られた。
でも医師は「そういう選択もあります」と言ってくれた。あくまでも患者の意思は尊重されるらしい。むしろそう言ってもらえたことで決心はついた。
次の段階であるカテーテル検査を受けることにして、これはもう完全に工場のラインに乗ったな、とベルトコンベアーに乗って流れていく自分を想像しながら病院を後にした。

0 件のコメント:

コメントを投稿