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2018年4月30日月曜日

朝の気配

「あなたにはその自覚がないでしょうが、重篤な病気ではあるので我慢してください」
入院中に毎朝回診にくる医師は「早く退院できないか?」と聞く私にそう言った。
確かに、脳梗塞を起こした人は多かれ少なかれ脳細胞の一部が死んでしまうわけで、その死んだ部位に応じて何かしらのリハビリが必要になる。
以前も書いたが私は右脳の大脳辺縁系の一部がお釈迦になっている。この部位は元々何を担っているか現代科学では未知の領域のために、私の失われた能力が何だったかは未だに不明。思ったことが瞬時に口から垂れ流しになるところがあった私ですが、脳梗塞後は一呼吸置くようになったから、無くして良い能力が失われたのかな?
と、前向きに捉えて2週間分の点滴を打つためだけの入院生活を余儀なくされた。

実際には入院中に脳梗塞の原因となった病気を抱えていないかどうか色々な検査をすることになります。主に血栓発生源となる心臓疾患を持っていないかとか、動脈硬化の兆候はないかとか、そんな各種検査を日替わりであれこれと。でもさすがに2週間はかからない。私にとっては寝ている他にやることがない長い2週間になったけど、リハビリが必要な人にとっては回復に向けたがむしゃらな期間になったことと思う。後から聞いたことだけど、リハビリは問題発生時から時間が経過するほどに回復力が落ちるのだという。なるべく早い期間にできるだけ多くの能力を再獲得するべく奮闘する必要があるらしい。集中治療室を出た後、同室になったご婦人は歩行訓練が終わると次は計算問題、字を書く練習と入れ替わり立ち替わりリハビリの先生が現れて大忙しだった。大変な思いをしている人の前で「お家に帰りたいよー」と寝てるだけの私が言うのもおこがましいので以降は口を慎んだ。

脳に傷を負った重篤な病気だから、退院しても2週間は自宅療養を、つまりは脳梗塞の後一ヶ月は様子をみてゆっくりしてくださいとの由(退院の1週間後には予行演習してから職場復帰しちゃったけどね)。血液をサラサラにする抗血小板薬を処方され、流血しやすい体になっているから怪我に注意ということも言われた。その他には血管がキュッとなるような寒暖差のある場所に注意。それ以外はお酒を飲んでも飛行機に乗っても問題ないとのこと。退院前の諸注意はそれくらい。あとは脳の検査結果画像を指し示して脳血管の狭窄部位が認められ、それが今後引き起こすかもしれない病気の可能性について説明があって、三ヶ月後の経過観察検査予約をしてまずは退院。衝撃の病気告知の始まりなんて、こんな風に何気ない会話の中で予告されているのね。
この時は何の不安も感じずに、退院の喜びと共に生きていることに感謝して普段の生活へ帰って行った。

退院後に起きた変化といえば毎朝起き抜けに病院の朝食の匂いがすることくらい。入院中は病院の厨房から漂う朝食の香りで目覚めていたけど、あれは実はご飯の匂いではなく私の脳内で朝になると勝手に起きる不思議現象だったらしい。この不可解な生理現象はほどなく消えた。嗅覚を司る脳細胞は私の死んだ脳組織のそばにあることを後で調べて知った。脳みそって不思議。有り体に言って豆腐の味噌汁みたいな匂いだったんだけど…

さて今回のおさらい。入院中の諸注意としては早期のリハビリ!そして私のように寝てばかり生活になると顕著に筋肉が衰えるので筋トレに励みましょう。筋肉の衰えはてきめんに腰痛を引き起こします。私はご飯を食べてるだけで腰が痛くなったことに衝撃を受けて療養期間中はひたすら筋トレに励みました。
後もう一点。入院期間中に高額療養費の限度額適用申請を必ずやりましょうね。脳の外科処置は半端なくお金がかかるから、限度額以上の出費は是非とも抑えましょう。
入院のお金の話は こちらも参照ください 

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