結論としてはバスは発車時間まで待たねばならず、また山道のバスはゆっくり走行になるので早く着きたい場合はタクシーがいいのかもしれない。タクシー運転手さんに上高地のことをいろいろ聞きながら釜トンネルへ。このトンネルひとつとっても上高地の歴史物語が刻まれていて、走行中にちょっと感銘を受ける。なんといってもトンネル内がすごい高低差。冬山登山の人はここを歩いて通ると言うから驚きだ。しかしながら冬場は当然積雪があるので、雪がないトンネル内はむしろ登山者にとって歩き易い極楽ルートなんでしょうかね。
ほどなく大正池。その手前に穂高を望む最良の撮影スポットがあるようですが、その日は稜線に雲がかかって景観はイマイチ。なので運転手さんは「ん〜、残念だー」と言いながらその場を通過。なるほどタクシー利用だと運が良ければ撮影ポイント停車というおまけも付くっぽい、と。
さて上高地帝国ホテルへ続く坂道を降りてタクシーは車寄せへ。林の中から赤い屋根と重厚な石垣が見えると気分が自然と高揚する。時刻はチェックインタイム開始の2時をまわった所。実にナイスなタイミング。車を降りた時にはすでにベルマンが私達の鞄を持って玄関に控えていた。この辺の忍者的な流れは日比谷と一緒。そこからあれよとカウンターでチェックイン。さわんどの閑散とした様子が嘘のようにホテル内は人で賑わっている。その喧噪から逃れてエレベーターに乗り込み、ほっと一息。客室部分はグランドフロアとは一線を画してとても静か。落ち着いた内装には少し懐かしさすら感じる。何だろう、この感じは滞在中に何度か味わった。あとから思えばこれはヨセミテのアワニーホテルに共通した部分があったからだと気がついたが、それはまた別のお話。私はスイスの山岳ホテルに泊まったことがないけれど、行った人ならきっとスイスのホテルを想起したかもしれない。古き良きヨーロッパの様式を踏襲して、カリフォルニアや長野にそのエッセンスが飛び火していることが何とも面白い。
ホテルバックヤード 右手の小路をゆくと田代橋へ 左手に見える石壁がメインダイニング |
こちらヨセミテのアワニーホテル ちょっとしか見えてませんが^^; |
エントランス側から 穂高面を通ってバックヤードへ |
その前に…私には解明したい謎が一つあった。ホテルエントランスを出て右手に進むと田代橋へ向かう小路があります。ここを通る人は多く、ここからホテルを撮った写真はネット上に氾濫している。つまり上高地帝国ホテルで検索すればホテル正面、バックヤードからのホテル全景、そしてホテルの焼岳側の景観はいくつも見られるのだ。ところがですよ、穂高側のホテル景観はなかなかお目にかかれない。誰もup しないということは推して知るべしな風景だけど、これがも〜気になって仕方ない。雑木林に埋もれて前人未到の地なのか?!とか妄想がつきない。過去に 日光金谷ホテル第二新館の謎に迫った 私が、再びここで謎の解明をしないと!これが今出来るのは宇宙で私だけ!
アサギマダラでしょうか |
蝶道の群れ。現世(うつしよ)と常世(とこよ)を行き交い、古来日本ではカワヒラコと呼ばれたコウモリのこどもたちよ。今は映像、画像で世界中どこの景色もバーチャルに楽しむことができるけど、こうした幽玄はやはりそこに居合わせないと決して味わえないものだなと感慨深い出来事だった。
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