いらっしゃいませ

にほんご べんきょう してきて ください
いらっしゃいませ。ずっと試運転中です。予告なく変更しまくるつもりが仕様変更については手付かずです。

2014年9月25日木曜日

上高地 実行編しょにち

さわんどバスターミナルはオフシーズンの平日とあって閑散。山側にシャトルバス乗り場があり、そこにバスが停車中で数人のお客さんが見える。「バスでいいんじゃない?」と思わないでもないが旦那がタクシーでホテルに乗り込みたがっているのでぐっとこらえる。タクシーの手配ブースは第三駐車場の地下通路を上がってすぐ左手にあるのでそこで配車をしてもらう。
結論としてはバスは発車時間まで待たねばならず、また山道のバスはゆっくり走行になるので早く着きたい場合はタクシーがいいのかもしれない。タクシー運転手さんに上高地のことをいろいろ聞きながら釜トンネルへ。このトンネルひとつとっても上高地の歴史物語が刻まれていて、走行中にちょっと感銘を受ける。なんといってもトンネル内がすごい高低差。冬山登山の人はここを歩いて通ると言うから驚きだ。しかしながら冬場は当然積雪があるので、雪がないトンネル内はむしろ登山者にとって歩き易い極楽ルートなんでしょうかね。
ほどなく大正池。その手前に穂高を望む最良の撮影スポットがあるようですが、その日は稜線に雲がかかって景観はイマイチ。なので運転手さんは「ん〜、残念だー」と言いながらその場を通過。なるほどタクシー利用だと運が良ければ撮影ポイント停車というおまけも付くっぽい、と。

さて上高地帝国ホテルへ続く坂道を降りてタクシーは車寄せへ。林の中から赤い屋根と重厚な石垣が見えると気分が自然と高揚する。時刻はチェックインタイム開始の2時をまわった所。実にナイスなタイミング。車を降りた時にはすでにベルマンが私達の鞄を持って玄関に控えていた。この辺の忍者的な流れは日比谷と一緒。そこからあれよとカウンターでチェックイン。さわんどの閑散とした様子が嘘のようにホテル内は人で賑わっている。その喧噪から逃れてエレベーターに乗り込み、ほっと一息。客室部分はグランドフロアとは一線を画してとても静か。落ち着いた内装には少し懐かしさすら感じる。何だろう、この感じは滞在中に何度か味わった。あとから思えばこれはヨセミテのアワニーホテルに共通した部分があったからだと気がついたが、それはまた別のお話。私はスイスの山岳ホテルに泊まったことがないけれど、行った人ならきっとスイスのホテルを想起したかもしれない。古き良きヨーロッパの様式を踏襲して、カリフォルニアや長野にそのエッセンスが飛び火していることが何とも面白い
ホテルバックヤード
右手の小路をゆくと田代橋へ
左手に見える石壁がメインダイニング
こちらヨセミテのアワニーホテル
ちょっとしか見えてませんが^^;
部屋に案内されてまず最初にした事は荷物の中味をクローゼットに格納すること。備え付けパジャマが収納された小さなチェストがあったのでそこに各自の着替えを仕舞い、吊るすものは吊るす。ハンガー類はじゅうぶん量ありました。化粧ポーチの類いは洗面台へ。キャリーバッグを空にしてクローゼットの隅っこに放り込むと、ようやく「私達の部屋」のできあがり!箪笥の一番下にはランドリーバッグが入っていたのでなんとなく手をつけなかったのですが、ターンダウン後にはベッドスプレッドが収納されていたのでここは空けておいて正解っぽい。

エントランス側から
穂高面を通ってバックヤードへ
さてここで時刻は午後3時前。夕食は5時半スタートにしたので河童橋(ホテルから歩いて30分ほどの距離)くらいには行けそう。ホテル周辺の探索も兼ねて出かけてみましょう、そうしましょう。
その前に…私には解明したい謎が一つあった。ホテルエントランスを出て右手に進むと田代橋へ向かう小路があります。ここを通る人は多く、ここからホテルを撮った写真はネット上に氾濫している。つまり上高地帝国ホテルで検索すればホテル正面、バックヤードからのホテル全景、そしてホテルの焼岳側の景観はいくつも見られるのだ。ところがですよ、穂高側のホテル景観はなかなかお目にかかれない。誰もup しないということは推して知るべしな風景だけど、これがも〜気になって仕方ない。雑木林に埋もれて前人未到の地なのか?!とか妄想がつきない。過去に 日光金谷ホテル第二新館の謎に迫った 私が、再びここで謎の解明をしないと!これが今出来るのは宇宙で私だけ!

アサギマダラでしょうか
というわけで、ホテルを右に出る人の流れにさからって私達は一路左側の穂高面へと歩を進める。どきどき。あずさ庵の前を通りすぎコーナーを曲がると…ありましたよ、ちゃんと壁沿いに歩くスペースが確保されてる。こちらはあずさ庵の厨房になっているのですね。飲食店厨房の特有の香りがただよい、勝手口様の開口部もある石垣がバックヤードへと続いてる。「こうなってたんだ〜」と長年の疑問(←おおげさ)が解決した満足感でそぞろ歩いておりますとそこに蝶の群れが現れた。5、6片の見慣れない色の蝶がひらひらとあずさ庵厨房の石壁に群舞している。なんとも幻想的。カメラをむけるが動く生き物を撮る難しさよ、結局1枚だけなんとかファインダーに納めることに成功してその場を後にした。
蝶道の群れ。現世(うつしよ)と常世(とこよ)を行き交い、古来日本ではカワヒラコと呼ばれたコウモリのこどもたちよ。今は映像、画像で世界中どこの景色もバーチャルに楽しむことができるけど、こうした幽玄はやはりそこに居合わせないと決して味わえないものだなと感慨深い出来事だった。

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