いらっしゃいませ

にほんご べんきょう してきて ください
いらっしゃいませ。ずっと試運転中です。予告なく変更しまくるつもりが仕様変更については手付かずです。

2014年10月30日木曜日

上高地 実行編だいにんぐ

おかみさーん、時間ですよ〜。さて上高地帝国ホテル、メインダイニングでのディナーのお話。こちらは2種のコース料理が用意されているのでチェックイン時にチョイスします。開始時刻も17:30と19:45の二部式で時間指定がされており、そうした点でも古式ゆかしいターブルドート形式(豪華客船のメインダイニングは今もこの様式ですね)。ちなみにアラカルトを主体にした形式のダイニングは元来「グリルルーム」と呼ばれる。メインダイニング(主食堂)とダイニング(食堂)の違いはそこにあり、常にメインダイニングは格上の場所とされてきた。昔はね。今はアラカルトにも力を注ぐメインダイニングが普通に増えたので、食事形態云々よりもホテル内の「最上級食堂」くらいの意味で「メインダイニング」という言葉は使われる(←こうした意味合いも今は廃れてるのかもしれない)。

さあ、昔話はここまでだ。目の前の食事の話をしようじゃないか。と、その前に他のお客さんが居ない間にそそくさと写真をパチリ。厨房入り口を中央壁際に据えて、左右振り分けにテーブルが並ぶメインダイニングルーム。う〜む、うろ覚えながら全部で20卓前後…というところでしょうか。テーブルは広々としているので窮屈感はない。私が通された左房には3×3で9卓が整然と並んでる。
一番奥の席から窓側席をパチリ
昭和8年の創業当時は三階建の部屋数46とのことなので、食堂の大きさが変わっていないのだとしたら納得の広さ(現在はアティック含めて四階建の74部屋)。メインダイニングでの食事が社交の一部であった時代はむしろ相席は普通に行われたかもしれませんが、現代では原則グループ毎に着席。ツアー客で込み合う場合のみ同一ツアー内での相席が発生する模様。

料理は着席の済んだテーブル毎に順次運ばれてくる。私達夫婦は普段からヒョイヒョイ食べてしまう傾向があるので周囲に合わせて「ゆっくり食べようね!」と固く誓った。誓いも空しく結局ひょいぱく食べになりましたが ^^; 。
写真ボケちゃった





紅鱒のアントレから始まってエンドウ豆のポタージュ(ヴルテ)、ポワソンはオマール海老、ヴィアンドにビーフ、ソースフランベのイベントを挟んでデセールがフランボワーズとショコラのムース。どれも本当に美味しかった。フランベは厨房口前で行われるが、左房と右房の両方の人が楽しめるように2基用意されている。
イマドキ古めかしいショータイムと笑う向きもあるようですが、同じ料理、同じ時間、同じ空間をゲストみんなで共有するための演出と考えるなら、これぞターブルドート(Table d'hôte )=ホストのもてなす食卓という本来の趣旨を守っている。「王道のメインダイニングルーム」が保持されていると言えましょう。(その後の時代の変換もあってターブルドート=定食とかコース料理と今は訳されてしまいますけどね。ぷぅぷぅ)

お酒もしっかり頂いて、ひょいぱく食べながらも時間をかけたディナーだったので離席する頃には満腹中枢は激しく活性。前日は鉄板焼きの後にバーに行く余裕があったのに、今日はもうギブアップ。ディナーの後に「もう動けない〜」となった時に部屋に戻ってすぐにゴロリと横になれるシチュエーションってなんて有り難いんでしょう。幸せな余韻にひたりながら爆睡の夜。これではムードも何もあったものではござんせん。お酒はほどほどに、ですね。ぐぅ
お客様の装いは以前書いたとおり、おおむねスマートカジュアル。初日にチラ見した時は客層が年配寄りだったせいか男女ともにジャケット着用率が高くヨソイキ感のあるご夫婦が多かったように思いますが、二日目は良い意味でフレンチに気負いがない雰囲気の客層。もしかするとみなさん、周りの様子を見ながら着るものを調整して出てきてるのかもしれない。無難にするなら女性はワンピース。男性はネクタイは要らないけどブレザーやジャケットを羽織っていればサマになる感じ。そもそもお店の人が蝶ネクタイなんだから、そこに並んだ時に激しい落差がない格好なら大丈夫。かな?

2014年10月24日金曜日

上高地 実行編みょうじん

さて二日目の夜はメインダイニングでのディナーを予定していた。食イベントに重きを置く我が家は用意周到に「その時」にそなえた。まずは腹ごしらえ前の腹ごなし?に明神池に出発だ^^ 。そうです、我々の目的は上高地ではなくて上高地帝国ホテルの食事。上高地の散策は手段にしかすぎない、なんというバチ当たり人生

前述の通り、二日目朝は大正池を散策してその後は11時くらいまで読書室。アルペンローゼの開店を待ってから早めの昼食をとり、それから穂高奥宮をめざすことにした。というわけで散策前にカジュアルレストラン「アルペンローゼ」に突撃。
リブアイステーキとピラフ 3,240えん
ビールに合うガッツリごはん
もはや上高地観光の名所の一つともいえる上高地帝国ホテル。ラウンジで一服したり、こちらのレストランで昼食をとったりと、宿泊はしなくても利用する日帰り観光客は多い。ネット上でも口コミやブログ記事が満載。そんなわけでいまさら私が言うことは何もないのですが一言「おいしゅうございました」。私のチョイスはリブアイステーキ 安曇野うどと茸の和風ピラフと一緒に。今から明神池目指しますからね、そこは肉ですよ肉!添えられたサラダのドレッシングが昨晩の鉄板焼きのサラダ同様とても上品な味。酸味が苦手な私には嬉しかった。店内は思っていたよりも、こじんまりとした感じ。開店直後でお客が半数くらいだったから山小屋風で素朴なかわいらしさがあったけど、混み合うとやや窮屈に感じるかも。そこも含めて山小屋風。
口コミに踊る「うまい不味い」という話は好みの問題だから意見が分かれるのは当然のこととして、ここに共通する話題は「値段の高さ」。でもこうしてメニューをよく見れば日比谷帝国ホテルの昼食とほとんど同じ値段ですね…。缶ジュースだって下界のものが山に登れば高騰するのが世の常。それを考えると下界の日比谷と同レベルに料金設定をしている上高地帝国ホテルって、むしろ良心的なのか?上高地観光のついでに帝国ホテルを体験できます、という企画の一つと考えればこういうのもアリかなと思う。値段まで追体験しとうないわい、と言う人がいてもそれを否定はできませんが ね ^^;
明神館でソフトクリーム
ヨーグルトブルーベリー味

さて腹ごしらえ完了。いざ明神、穂高奥宮へ。
河童橋〜明神池の往復は右岸と左岸の好きな方を各自が選んで歩くのがセオリーですが、私は起伏に富んでちょっとシンドイ右岸(岳沢湿原側)を元気ハツラツな往路で制覇し、帰路はなだらかな降り道の左岸(小梨平側)をとるルートを推奨。往きの右岸ですれ違った明神帰りの山ガール達は息も絶え絶えで、皆うんざり顔なのが印象に残った。疲れた体で登り降りは本当にシンドそうだったので「帰路が右岸」は鬼門。
河童橋のビジターセンターをのんびり覗いてから帝国ホテルに戻ると時刻は午後4時頃といった感じ。お昼ご飯から見積もれば観光の所要時間は5時間ほど。ムリのない計画でお出かけください。
岳沢登山口へ向かう山装備のグループ
気をつけていってらっしゃい
 ホテルに帰還したらラウンジ「グリンデルワルト」へ直行して一杯ひっかける。ホテルチェックイン時に飲み物券を頂いたのですが、ソフトドリンクの他にビールも選べるのが嬉しいね。心地よい疲労感に冷たいビールがなんとも美味しい〜。
一心地ついてホテルの中を見渡せば…前日の宿泊客は年齢層がかなり高めだったのに対して、本日の客層は一気に若年層に寄り切って子供(大学生っぽいのも含む)を連れた家族連れがチラホラ。気がつけば私達夫婦の両脇はどちらも赤ちゃん連れの夫婦が布陣してるではないか。赤ちゃん連れて山岳リゾートなんて、経済的にも精神的にも余裕があるパパママで羨ましいわ〜とお世辞抜きに暖かい気持ちで眺めてた。赤ちゃんを連れて遊びに出かけるのって相当シンドイことと実感してるから。だがしかしメインダイニングに赤ちゃん連れでフルコースディナーを食べに来た夫婦を見るに至って、それはちょっと…ホテルには他のレストランも用意されてるのに敢えてフルコースチョイスって体力面でも精神面でもタフすぎやしないか?幸いにも大人しい赤ちゃんだったので周囲のお客もパパママも、誰も困る事態に陥らなかったのは店にとっても僥倖(ぎょうこう)でしたが、こうしたことは本当に巡り合わせの運頼み。

メインダイニング、ディナー、フルコース、どれも赤ちゃんと相容れない要素…じゃないのか?今は?もしかして?この辺りのビミョ〜にしてデリケートな話題は避けるべきかとも思ったのですが、袖すり合うも何かの縁なので恐る恐ると書いてみます。ただし言葉を選んでまた別のいずれの日にか ^^; 
アメリカ都市部の話ですが近年、子供向けじゃない場所に子連れで来る層が急増し各種トラブルが生じているそうで「子供のレストラン入店を禁ず」なんて取り決めを州ぐるみで始めた所もあるとか(←テキサスだな〜 ^^; )。「行き過ぎた措置は行き過ぎた行為の代償」というのが一部識者の見解ではありますが、はてさて中庸とはかくも難しき課題か…。どちらサイドでも、何事もやり過ぎはイヤね

2014年10月16日木曜日

上高地 実行編ほてる

窓辺の読書
ぐりとぐらってこんなにあるのね
上高地帝国ホテルの謎を解明するぞ第三弾、読書室ってどんなですか?の巻。あずさ庵前の廊下を左に折れた突き当たり、宿泊者専用施設の読書室があります。バックヤードに面したこの部屋の窓辺からは、左手にロビーラウンジ「グリンデルワルト」のテラスがちらりと見える。

朝の大正池散策と朝食を終え、ハウスキーピングが入るこのひと時に読書室を利用するのはナイスな思いつきだった。窓辺の席に陣取って読書を楽しんでいると、考えるのは皆同じようで次々に利用客が読書室に入って来た。最後は満員御礼状態。寄贈本で占められた蔵書は古いものが多く、書棚もレトロでちょっと懐かしい木の薫りがする。古びた母校と同じ雰囲気に包まれて気持ちは十代の頃に立ち返る。ちなみに私が選んだ本は「穂高神社とその伝統文化」。中学の頃と好みが一貫して変わり無し。安曇一族が何故、山中で海神を祀ったかに興味があったのですが、上高地つながりの風土記的なものがこの読書室にはあるに違いないと狙いすまして来たのが予想的中。これはとても興味深い内容でしたが、そのお話はまた別の機会に。

窓からの風景
椅子の上に立って撮りました^^;
さてついでと言ってはなんですが他の謎も解明しておきましょう。議題は部屋からの眺望ってどんなですか?三階アティックルームからの眺めをup する人がブログ上あまり見当たらないので、これは私の使命と思いトライしてまいりました。そもそも何故この部屋の眺望があまり取りざたされないかといえば窓が高い位置にあるからなんでしょうね。私の伸長は160cmほどですが窓辺に立つと窓枠の下辺がちょうど目の高さ。窓の外を見たければ幼稚園児が電車のシートに身を寄せて伸び上がるみたいな姿勢で覗き込まねばならない。
身を乗り出せば煙突と風速計が見える
が、この体勢はオススメしない
窓辺に立ってみるとこんな感じ
この日、霧が稜線を走って幻想的
ベッドに腰掛けて見る風景
そんなわけで写真は椅子の上にのっかってお子ちゃまみたいに撮影しました。しまいにゃ窓への映り込みを避けるために窓下の梁部分(ヒーターの上に桟が通してある)に膝をついて窓外に上半身を乗り出して撮ったけど、良い子は絶対にマネしないでください^^; かなりみっともない有様です。
部屋が梓川サイドだった今回は窓外の正面は焼岳から西穂高に連なる稜線部が見える配置。山のことは不案内ではありますが、割谷山と槍見台というのでしょうか、その辺りの風景と思われます。ベッドサイドに腰掛けて窓を見上げれば、その稜線が見える塩梅(あんばい)。窓辺に椅子を置いて立ち上がり、真左を見れば焼岳が真右を見れば穂高が見える。落ち着いた状態で景色を楽しむなら、やはり一階共有ベランダに行きましょう^^; 。共有ベランダには年代物のゴツい双眼鏡が置いてあって、それに触るだけでも価値あり。

2014年10月9日木曜日

上高地 実行編あるくたべる

9月初旬、朝7時前の大正池
朝もやがわずかに残り、水面がさざ波立つ前の刹那な刻限
二日目の朝が来た。曇天の朝だ。「大正池は朝もやの風景が美しい」と聞いていたけど天気予報の感じでは一日モヤってそう。夜に降りたもやが朝日に照らされて散開する様は想像するだに美しいけど、肝心の朝日が射さなくては霧も晴れようがない。また、朝日が昇り切った後には湖面にさざなみが立つので鏡面になった大正池に写る焼岳を拝むなら、やはり早朝の到着を目指したい。な〜んて聞いてたけどこれだって焼岳に陽が当たらねば実現はムズカシイ景観。まことこの世は一期一会の世界であることよな。
さて上高地に出かける前から↑こんだけ耳年増(^^;)になっていたので、二日目の朝は無理に早起きはしないで起き抜けの天候を見てから出立、と決めていた。前日の夜にホテルが枕元に置いてくれる「明日のお天気票」によれば日の出は5時半頃。そんなわけでその刻限に起床して窓の外を見てみる。予想どおりの曇天。だけど一階の共用ベランダに偵察に出てみると焼岳方面に所々青空が出現する。これはもしかしたらチャンスかな?と思って急遽出立。結果的にこの判断は正しかった。
湖面を乱して水鳥がゆく
この日、天気は一日中曇りで朝のうちだけ晴れ間が射すといった具合。三日目の翌朝ときたら雨がしとしとで時折ざん降りという有様。山のお天気は運次第。晴れてるのに越したことはないけど「雨なら雨の楽しみ方をしよう」と気持ちにゆとりを持つしかないですね。その点、上高地帝国ホテルには読書室があったので雨天ならそこでのんびり本を読むつもりでいた。読書室についてはまた後日。
さてさて大正池ですよ。片道30分の旅。川べりの道を梓川の水の清さに目を奪われながら歩く。写真は例によってほぼ割愛^^ 。帰路は林間コースをとる。どっちがオススメ?と問われれば実際どちらも良かったです。林間部は水が染み出ているような場所や草露が触れるような所もあるのでやはり足元はしっかり覆われた状態で出かけたい。前日には子熊の目撃情報もあったようですが、サルにもクマにも遭遇せず。モモンガ的な小動物が小路を素早く横切ったくらい。往路は人影もまばらでしたが大正池には団体さんを含めてすでに20人くらいの観光客。7時近くなると下界からバスで到着した人が増え出して復路はすれ違う人も増加。やはり上高地の朝は早い。田代湿原と田代池も堪能してからホテルに戻ったのは8時前かな。野良着からホテル着に替えたらメインダイニングで朝食を。軽い運動の後の上げ膳据え膳って優雅な気分で本当に素晴らしい。

後味がサックリして美味しかった
丁寧に仕上げた新鮮果物

前日のディナーを鉄板焼きにするため、初日のホテルは素泊まりプランを採用。というわけで朝食は何を摂っても自由だ〜。喜び勇んでパンケーキをチョイス。アラカルトにはハム、ベーコン、ウィンナーの文字も踊ってる。パンケーキは私にとっては卵料理の範疇、なのでここにウィンナーを添えてもらう。旦那は私のこのオーダーに戸惑いを見せたが、これは日系アメリカ人だった祖父宅で出る朝食の定番。すなわち私にとってのアメリカンブレックファストは元来がこの形。だいたいアメリカの国際会議の朝食だってパンケーキにカリカリベーコンが付け合わせで出るじゃないか(しかもベーコンにメープルシロップが容赦なくかけられる仕様^^;)忘れたのか?旦那。私の力説に納得し、彼も同じものをオーダー。するとウィンナー自体は一皿に4本つくとのことで「2本ずつにお分けいたしましょうか?」と給仕さんが聞いてくれた。こういう所が至れり尽くせりでなんとも有り難い。
余談ですが、帰宅後に「日本のパンケーキの歴史」について書かれたコラムを偶然読んだ。そこには外国人客が多い日比谷帝国ホテルが朝食用に供したハムやベーコンを添えたパンケーキ。これを甘いおやつとしてメニューに載せたのが1953年云々という記述が。ほらね、じっちゃんの名にかけてこのスタイルは正当な洋式朝食なのだよ。えっへん。
さてパンケーキは レセゾンで食べたもの より後味がサックリした印象が強くて私好み。ホイップドバターは文句なく美味しいし、三種類あるシロップも少しずつ試した。ウィンナーはそのスパイシーさが箸休めとしてナイスコンビネーション!というか、ウィンナー美味しいわ〜。お酒が欲しくなる^^
パンケーキ&ウィンナーだけで空腹は満たされたけど、なんとなくフルーツ添えヨーグルトもオーダー。ここに散らした果物群がどれも瑞々しくて美味しい。テーブルに添えられてたジャムもヨーグルトにまぜて楽しむ。あ〜、優雅な一日の始まりを予感して希望の朝だ。この後は何をするのも、しないのも自由。2連泊ならではのこのゆとり。大奮発して2泊予約して正解でした。来週からまたがっつり働こう^^
パンケーキとヨーグルトの値段は失念。珈琲や紅茶が付く分アメリカンブレックファストが若干お得なだけで、金額にあまり違いはないのではないかな?ウィンナーは950円とかそんなだったはず。シンプル系のパンケーキ好きには絶対おすすめ。

2014年10月1日水曜日

上高地 実行編てっぱん

上高地帝国ホテルの謎を解明するぞ第二弾、あずさ庵の鉄板焼きってどんなですか?の巻。あれ?河童橋散策の話はないの?と思った方。するいどいですね。他の人がじゃんじゃんup してる写真はあえて載せないのれす。私のカメラはしょせんiPhone 。構図も露出もバッチリな他の人の写真にかなわないので、それらは全て凄腕ブロガーさん達にお任せよ^^;

その代わり、あまり見かけないショットを稚拙ながら数点ほど出してお茶を濁しますぞよ。まずは田代橋を渡ってウェストンレリーフに向かう道を右に進まずあえて直進、西穂高登山口へ行ってみよう。登山はしないけどあずまやをくぐって二三歩行進。ここからは人の気配が消えて深閑とした空間が広がる。登山口脇には大山神社があると聞いていたので、まずは社に「お山にお邪魔しますね」と最初のご挨拶。
登山道は一気に足場が悪くなる
神社というより祠ですな…
河童橋からの穂高ショットは誰もが撮りますが、私が気に入ったのは河童橋から右岸道(岳沢湿原)に向かう道をちょいと進んだ所、白樺荘入り口を回り込んだところにある休憩スポットです。混雑していないし、見晴らしも良い。
左手に休憩所が見える。右手に見える建物はビジターセンターかな?
河童橋までの往復一時間+α(土産物屋をひやかし)を終えてホテルに戻ると食事の30分前。川べりはヒンヤリするものの湿気もあって自前の天然パーマはくるんくるん(/ _ ; )。夜用に身だしなみを整えてからいざ、あずさ庵へ。

日比谷帝国ホテルでおなじみの鉄板焼き「嘉門」。あずさ庵の鉄板焼きの調理人はそこから派遣されている。嘉門なら以前、お得なランチコース企画(5、6千円クラス)を利用したことがある。美味しくて楽しくて鉄板焼きのエッセンスは堪能できたけど、若かりし日に奮発デートで体験した「神戸牛みその」のインパクトには及ばなかった。てな話をしたら旦那から「みその(一万五千円)と今回のランチは値段が全然違うってばよ!」と涙目で抗議された。そんなこんなでお試し版なんかじゃ〜ない嘉門の本気を見せてもらおうじゃないか上高地で!と相成りました。
結論から言いましょう。それは夢のようなひと時。大手ツアー2社の団体客が居合わせたその夜、メインダイニングはもちろんのことあずさ庵の和食コーナーも大盛況でした。その賑わいから引き戸で隔てられた鉄板焼き室に通されるとそこはもう別店舗の雰囲気。月並みな言葉で言うなら「VIP感まんさい!」(←はしたない^^;)広々とした空間には8人掛けの特設テーブルが2卓だけ配されて、窓の外にはバス停に伸びる坂道が見える。旅行記風に言うなら「観光客の姿がひけたエントランス周辺は静寂に包まれ、薄暮の坂の風情が旅心を心地よくくすぐった」(←かっこつけ^^)
バブル期に入れたというゴツい厚みの特注鉄板
すずき 
一番インパクトがあった
焼き野菜とお肉
サラダはドレッシングの口当たりが上品
お通し 柿なます
ご飯と赤出汁、香の物

冷やし汁粉
アクセントの霰と胡桃の味わいの調和が素晴らしい
鉄板のお世話をするは熟年の紳士。手際よい調理と上品で楽しい会話。これぞ鉄板焼きの醍醐味。食前酒には美味しい梅酒が付いた。お通しの柿なますを楽しむ間に見事な鱸(スズキ)に丁寧に火が入れられて行く。聞けば日比谷の嘉門は洋食部門が全てを仕切るが、上高地あずさ庵の鉄板焼きは仕入れを吉兆が担当するとか。そのため洋食部には手を回せない老舗の和食にだけ許された上物の魚介類が手に入るんですと。うわ〜ん、夕食の予約を入れる時に「アワビはいかがいたします?」と聞かれたのに丁重にお断りして普通の鉄板焼きコースにしちゃったよ!鮑を食べにまた来なくちゃいけないわっ。
肉厚で形のしっかりしたスズキが焼き上がり、目の前で繊細な盛りつけが始まる。にこごり使用という特性餡を掛けて「さあ、どうぞ」。このとろみ餡の美味しいこと。朝食のお粥についた餡と共に記憶に残る味となった。
お肉は私がヒレ、旦那がサーロインを希望。何も言わないのに鉄板紳士は「せっかくだから半分ずつにお分けしましょうかね」と尋ねてからそれぞれの肉を半分に取り分けてくれた。この心遣いが嬉しいわ〜。特性ガーリックチップの謎やこれまた謎に包まれた寮生活のこと、不躾な質問にも暖かい回答をしてくれたことに感謝しつつご馳走さまでした。
「焼き」が終わると丁寧に鉄板を片付けて紳士は退場。その後は心ゆくまでお肉を味わいデザートへ。あ〜、鉄板焼きって食べた後にやり遂げた感があるわ。本当に楽しい。また食べたい。あ!ウソウソ!!やり遂げていないわ。ガーリックライスを注文するのを忘れてた。これはやっぱりリベンジしなくちゃだわ。
あずさ庵の鉄板焼きは16,200円〜。仕入れの都合があるので事前に予約が好ましい。というか、先日up した ラブラスリーの件 で懲りたので絶対に食べたいものは事前に押さえておくことをおぼえた ^^