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2012年7月13日金曜日

フェルメールを食す

上野の東京都美術館で開催中の『マウリッツハイス美術館展』に行ってきました。
父がオランダの会社(の日本法人)に長く勤めていたので、私はオランダ絵画にはちょいとウルサイ。ウルサイだけで詳しくはないんですけどね。年の瀬になるとA5版程のハードカバーの手帳?を父親が本社から持ち帰っていて、これがフランドル絵画をはじめレンブラントやフェルメールらの作品を一週間替わりで眺められる仕様のものだった。今から思えばカレンダーブックというこの手帳は携帯するには不便だし壁にも懸けられないので我が家では持て余し気味。仕舞には12月生まれの私に「お誕生プレゼントだよ〜ん」というお為ごかしと共に贈られていたものだ。
そんな関係ではからずも私はオランダ絵画にだけは慣れ親しんでいた(オランダチーズもマブダチよ^^)。フェルメールの絵は子供心にも目を引くものがあったけれど、どちらかといえば私はレンブラント派。フェルメールは確かに素敵です。惹き付けられるけど、ちょっとだけヘンな感じがして怖い、というのが小さい頃の私の感想。それはともかく、今回の感想を…上野は、もはや絵を見る環境ではないね
いつの頃からか、上野のミュージアム群は平日ですらゆっくり鑑賞できない場所になりました。本物が見られるのは本当に良いことだと思うけど、こんな見方では興醒め。どんな見方だったかと言えば、どの絵の前にも人だかりができて、少し離れた場所で見る、ということが不可能だった。風景画なんかは少し離れて見た方が絶対いいと思うんだけどな。何でみんな、あんなかぶりつきでベルトコンベアーに乗ったように流れ流れて見るんだろ。
目玉作品の前を隊列組んで歩きながら見せる、というのは目玉だけに大目に見よう。せめて他の絵はもうちょっとゆっくり見られないものかと。人出が多いから仕方ないか…。最近ではこうした問題を解消するために時間外展示を取り入れたり、 入場者数を制限して高額料金で公開 する方式もあるみたいですね(このチケットは既に完売)。本当に見たい人はこういうのに行くしかないっぽい。

アイスは溶け過ぎ^^;
さてさて、なにはともあれ花より団子。東京都美術館は4月からリニューアルオープンしてステキな併設レストランができたというではありませんか。その名も アイボリー 。特別展示にちなんだオランダ郷土料理のランチコースを頂きました。まずはニシンのマリネ。お次ぎは魚介のスープ仕立て。肉料理は牛のビール煮込み。これは食べるのに夢中で写真撮り忘れ。最後はフェルメールの真珠の耳飾りの少女をイメージしたパンプディングとアイスのデザート。どれも素晴らしく美味しかったです。
食後の飲み物チョイスにバンホーテンココアがあるのもご愛嬌。折角なのでココアを頼んだのですが、甘みを入れないミルクココアの味が食後の胃に不思議とマッチ。ちょっとクセになりそうな取り合わせでした。

追記
ベルトコンベアー方式でも「見て良かった!」と思えたレオナルド・ダ・ヴィンチの『受胎告知』。今回の『真珠の耳飾りの少女』は…残念ながら印刷物で見た時とまんま同じ程度の良さ(構図と色調の妙くらい)しか受け止められなかった。ダ・ヴィンチやモネの作品から受ける、描いた人の息吹が絵から噴き出して来る感動がなかったのは修復を重ねてきたせいなのか…。唯一「実はこんなに良い絵だったんだ」と発見した作品はピーテル・クラースゾーンの『ヴァニタスの静物』。プリンティングで見る機会は幾度かあったが、実物(ペインティング)が持つ力強さをまざまざと感じた。まさに作品から噴き出す息吹を体感できる作品だった。同伴の友人からはビミョーな顔されたけど。まあ、結局のところ芸術鑑賞なんて好き、嫌い、そして、どうでもいい、の三種類。これから行かれる方には、どうぞご自分の好きな絵との出会いがありますように。

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