いらっしゃいませ

にほんご べんきょう してきて ください
いらっしゃいませ。ずっと試運転中です。予告なく変更しまくるつもりが仕様変更については手付かずです。

2015年12月20日日曜日

アスカ 最終編

いよいよ下船。あっと言う間だったな〜。いつものように早起きして7時に朝食を摂る。9時には横浜港につくからそれまでに下船のチェックを済ませてのんびりと過ごす。やっておくべきことは荷物にタグをつけて部屋の外へ出しておくこと、船内支払いの明細に目を通しておくこと、忘れ物がないか部屋の引き出しを確認すること、それくらいかな。
ダイヤモンドプリンセス号
大きすぎて船だかなんだかわからない
横浜港につくとそこにはすでに先客のダイヤモンドプリンセス号が停泊している。う〜ん、大きい。この巨大豪華客船の入港時間が重なるために港周辺の道路等は混雑が予想されます、と予め告知があった。無料下船バスにしろ、タクシーにしろ、そして歩いて駅に行ったとしても駅の中も含めてごった返すのはシンドイわね〜、ということで今回は母のおごりで東京駅までの有料下船バスのお世話になることにした。
寄港地でのオプショナルツアーの案内には下船日の有料下船バスの情報が入っていたのですが、ちなみに羽田空港なら約30分1500円、新横浜駅なら約40分1500円、東京駅なら約1時間2000円で送ってもらえる。無料下船バスは横浜大桟橋から桜木町駅まで。下船時の混雑とかバス待ちの行列とかを考えると、手っ取り早く済む有料下船バスはおすすめ。有料バスを利用する人達は船内で集合して最初に船から降ろしてもえらるので混雑知らず。駅での乗り換えの煩わしさもある程度軽減される。
ティータイムのデザートは
思ったほど種類がなくて残念
ティータイムで食べたバーガー
オススメされただけあって美味しかった
混雑を避けるためには最後に船を降りるというのも一つの手。聞くところによると下船は上階スイートのお客さんから順次ということなので一番下の階ともなると下船できるのは着岸してから相当な時間がかかるらしい。着岸後も船内のお店は利用できるとのことなので、実際に時間のある人はギリギリまで船遊びを堪能して混雑が和らいでから降りるみたいです。下船を待つ間にハンバーガーとか。それもいいな、と思ったけどせっかちな私の母には受け入れられそうにない。

幻のバーガー
留守番してた子供と半分こして食べた
東京駅までのバスの中、母と旅の感想を語り合いながら余韻にひたる。母の感想は「豪華さの点では海外の船の方が格段にいい。船内の飲食も常にもの凄い数の多種多用の品物が並べられていたから正直、飛鳥の軽食は見劣りした。でも日本語が通じる点ではリラックスしていろいろなことを楽しめた」だそうな。階級社会のある外国籍の客船は上流階級の煌びやかさや規模の大きさは比べものにならないものがあるらしい。しかし言葉の壁が立ちはだかったために母とその友人はクイーンエリザベス号では船室で横になっていることが多かったそうだ^^;
クイーンエリザベス号だとぅ?!嗚呼、そうでした。親孝行なんて気張ってみたものの、私達世代が逆立ちしたって過ごせそうにない豊かな老年期を過ごしている、それがわれらの親世代だったのだ。軽くジェネレーションギャップのパンチを喰らいながら、親孝行旅行のつもりが親の方がゴージャス旅行に縁のない私にわざわざ付き合ってくれただけかもなぁ、という感想を持った。

東京駅でそれぞれの家路につくため母娘は解散。時間は10時を過ぎた頃だったかな。帰宅して食べる昼食用の弁当を買いたいという母のために大丸に寄る。そこで ブラッカウズのハンバーガー が奇跡的に売り切れていないところに遭遇。飛びついて購入した私につられて母も一点お買い上げ。
後日、旅先の写真を持参して母を訪ねた私に彼女は開口一番「アノ東京駅で買ったバーガー!美味しかったわね!!あれいいわ、なんてお店だったっけ?」旅の思い出より真っ先に矢澤ミートのお話ですか、そうですか。でも喜んでもらえて何よりです。買えると思わなかった品物が手に入って、これが親孝行した私への神様のご褒美だったかなと思っております。

なんだかヘンテコなオチがついて、飛鳥II旅行記はこれにておしまい。また行くか?と聞かれれば金銭的にアレなんですけど、でも旅先から帰ると常に「あ〜、おウチが一番ね」と思う私が今回に限ってそれがなく、荷解きするにも疲労感がほとんどない。してみるとやはり通常の旅よりは快適で余力を残して帰宅できた旅だったのでしょう。来年は葵祭りを見に行けるクルーズがあるみたいですね。行かれる方はどうぞ良い旅を。
長きにわたりのご清聴ありがとうございました。

2015年12月13日日曜日

アスカ 乗客編

最終夜のデッキ。とても静か
楽しかった旅ももうすぐ終わり。実に名残惜しい。夜の船内をウロウロしながら誰もいないデッキで夜風に当たり、しばし独りの時間を楽しむ。ここらでいっちょ目先を変えて、船で出会った人達のお話など。
初めての場所に行く時は「場違いだったら嫌だな〜」なんて周囲の様子が気になるもの。これから飛鳥IIに乗ってみたいとお考えの中にはそうした不安をお抱えの人も居るでしょう。というか、自分がそうでした。てなわけで船内の乗客事情をざっとご紹介。

まず最初に驚いたのは車椅子のご老人が意外といらしたこと。実際にはある程度歩行が可能だけど簡便だから移動は車椅子で、という方がほとんどだったかもしれませんが足元がおぼつかなくても旅には行きたい!というそのバイタリティの高さに感心しました。お金があるお年寄り、という条件の他にバイタリティがあるというのも旅の極意なのでしょう。お金があるからバイタリティが高いのか、バイタリティがあるからお金を引き寄せる力があったのか、なんとなくその両輪を感じるそんなお年寄りを多数散見。あやかりたいものです。
次に「意外と多い」と感じたのは一族郎党を引き連れた旅人。祖父母世代とその子供夫婦with 孫世代という大所帯がダイニングの円卓を囲んでる風景がちらほら。豊かな老年世代のおこぼれに一族が預かってる雰囲気。というのもこの手合いは祖父母世代が多いに張り切ってる。もちろん子供世帯が奮発して老親世帯を歓待してるのかもしれませんが、その辺は定かではない。
お部屋担当者はフィリピン女性
一生懸命書いたカタカナが微笑ましい
かくいう私達親子も「親子旅なんて素敵ね。いいお母さんで羨ましいわ〜」と案に母のおごりで乗ってる風味に声をかけられることが多かった。母娘の組み合わせも多かったようですが、してみると母が出資して娘と…というパターンが多いのでしょうかね?実際は娘の私が有り金はたいて母を招待したわけですが、肝心の母が「母の奢り」という勘違いを否定せず澄ましているので、これも親孝行の一つと心得てそういうことにしておきました。 閑話休題

にぎやかな女性グループも見かけましたが、やはり圧倒的に二人一組、特に老親介護を終えた世代のご夫婦が一息入れて乗船してる、というパターンが多かったように感じます。そうしたご夫婦と食事でご一緒した時には「いかに健康を維持してポックリ逝くか」というお話を多数うかがえました。足腰の筋力を鍛えることが寝たきり期間を短くするコツだそうです。う〜む、頑張ろう。
もちろん、お一人でご乗船の方もいらっしゃいます。男性だと老年の方、女性だと中年〜初老といった感じの方が気ままでリッチな一人旅を楽しんでいる様子でした。実際、友達同士で飛鳥IIに乗ろうなんて企画は、資金面で足並みを揃えるのが難しそうだからなかなか実現しそうにない。罪なやつだぜ、アスカ。

利用しなかったけどルームサービス表
スイートは内容が違うらしい
さて最後に賭博編でもさらりと触れた、最終夜のカジノ台で遭遇したブルジョワ層のお話も備忘録。ご一緒したのは3人の女性。
私の右隣に陣取った常連と思しきマダムは身につけているもの全てがゴージャス。社交的で華があって一緒に居ると楽しい時間が過ごせるエンターテイナータイプ。場の雰囲気を牽引していく力がある。ひそかに「マダム芦屋」と命名。芦屋住まいかどうかは知らないけど^^
左隣は寡黙で一見地味だが宝飾品はかなり意匠あるデザインの良い品を身につけていらっしゃる。こだわりの強さを感じさせ、また一番年かさの様子なのに眼光鋭く勝負師の気配も漂わせている。この方は私の見立てでは「女社長」。長らくビジネスの世界で丁々発止のやり取りを続けて来たような貫禄ある御婦人だった。
娘さんと思しき人物に見送ってもらって一番奥の席に着席した女性は「大奥様」。物腰が柔らかく育ちの良さを感じさせる上品な笑顔。それでいて一人でカジノ台に出向く茶目っ気も持っている。
三者三様の齢(よわい)の重ね方が見て取れて実に興味深い。何よりも各人が物怖じせずに独りで参戦してくるその心意気よ。心の底からこの時間を、そして人生を謳歌しているその姿。たまんないね!
自分が年老いた時、どんな姿になっているだろうか。境遇という点では運次第なところもあろうが、せめて心意気だけでも素敵な女性でいたい。独りでも行きたいところへ出向いてゆく気っ風の良さを持っていたい。この夜、カジノ台をともにした女性陣のキラキラ感が眩しくて、年老いてゆく上での一つの目標になった。
ちなみに私が一番憧れたのは大奥様。自己主張することがないもの静かな印象なのに、勝負どころで私が勝ったときなどアイコンタクトで賞賛してくれたりして一緒にいて心和む女性だった。またちょっとした所作がいちいちチャーミング。おそらく良いところのお嬢様が良いところに縁付いて、良き時代をつつがなく過ごされた、そんな穢れのなさを感じさせる天真爛漫な老婦人。こういう方の所作を間近で拝見できたのが飛鳥IIに乗船した一番の収穫だったかもしれません。

旅は道連れ。たくさんの人生が一つの船上ですれ違う。百聞は一見にしかず。どんな経験もやってみるものですね。皆様も良い旅を。次回で下船いたします。

2015年12月6日日曜日

アスカ 参詣編

おかげ詣りだ、ええじゃないかの巻。船旅もいよいよ終盤。大阪港の次、二つ目の寄港地は鳥羽でございます。こちらはお伊勢参りのオプショナルツアーが用意されていました。
人生初のお伊勢さん。音にも聞くお伊勢詣りには死ぬまでに1度は行けるといいな〜くらいの気持ちでいたけれど、こんな形で実現するとは五山送り火に続いて嬉しい瓢箪から駒体験でした。こういうツアー形式の旅もいいものでござんすねぇ。
お伊勢さんの何が嬉しいって、ここには赤福の総本山があるんですよ!行かねば。行って本店の赤福餅を拝まねば!という、すこしピントのズレた目的でまかり越しました。
赤福総本山?!を撮りたい私と
おかげ横丁を撮りたい人達とのせめぎあい

オプショナルツアー自体はお伊勢さんとお陰横丁(門前の土産物屋地区)を見物するコースの他にもチビッコ連れに人気の鳥羽水族館を訪れるコースやさらに足を伸ばして志摩観光ホテルで鮑ステーキを食べるコースなんかもありました。母は黒鮑のステーキに並みならぬ意欲を見せていたのですが、こちらのコースは人気がある上に少人数しか受けつけないので無念の抽選落ち。そうです、オプションは申し込み順ではなく希望者多数の場合は抽選で決められます。母はガッカリしてましたがお陰でお伊勢さんに行けたから、私としてはこれが本当のおかげ詣りということで…さて、お後がよろしいようで、てけてんてんてん。

伊勢のATMすてき!
伊勢の猫にゃん
「おかげ詣りだ、ええじゃないか」という歌のフレーズでお伊勢詣りをおかげ詣りと言うのだな〜というのは知ってましたが、今回ガイドさんいわく伊勢参拝は願い事をするお詣りではなく「ああ、おかげさまでここまで来れました」と来し方を感謝して参るのが基本、とのお話。なるほど〜と思いながらもよく考えてみたら私自身は神社やお寺でお願い事をする習慣がなかったや。小さい頃から手を合わせながら「ありがとさ〜ん」しか頭になかった。願掛けとお詣りって別のものだよね?むぅ宗教ってよくわからん。

お伊勢さんは参道の静謐さが感動的でした。実際には人がぞろぞろ歩いてて静かなわけじゃないんだけど、いにしえの森に分け入って木々に見守られながら歩く時間は心を洗われる気持ちになる。今度はもう一度ゆっくりと朝の時間帯なんぞにうかがいたい。
さて参拝を終えたら集合時間まで土産物屋を物色です。念願の赤福本店を覗いて撮影村みたいに情緒たっぷりの横丁遊び。当然、赤福餅を平らげて…と思っていたのに実際は伊勢神宮に向かう前に立ち寄った海女小屋でたらふく海鮮の網焼きを振る舞われたのでもうお腹に餅を入れる余裕が無かった(/_;) やはり赤福リベンジのためにも伊勢にはもう一度行かねば。

人と島と音楽と美しい風景
9時半に開始して15時半に港に戻るショートトリップは終了。船室に戻って一息ついた16時半から出港です。鳥羽港出港時のイベントは鳥羽観光協会(←憶測)の皆様による遊覧船が並走しながらの赤いハンカチ振りのお見送り。なんでも真珠王ミキモト氏が渡米の折りに赤いハンカチを振って別れの挨拶をしたことに由来するものだそうで、飛鳥と遊覧船でそれぞれ赤いハンカチが配られて互いに振り合います。遊覧船からはトランペットの音が流れ、好天に恵まれ夕暮れせまる美しい島影が映画のワンシーンのように脳裏にやきつく。遊覧船の上には海女さんの姿も見受けられ、昼の海女小屋での歓待も思い出される。「いや、しかし場所的にあの海女さん達じゃないから扮装したバイトさんなんだろうな」とか、よこしまな気持ちがかすめながらもお見送りの演出をしてくれるその気持ちが素直に嬉しい。横浜港出港の時もそうだったけど、海で大きな声で別れの挨拶を呼ばわりあうのは意外とスッキリするから不思議。ありがとう鳥羽。また行けるといいな。

伊勢エビかぶりつき
この日のディナーは鮑のステーキ。良かったね、母上。しかし親娘ともに海女小屋の網焼きが尾をひいてお腹はパンパン。空腹ならもっと美味しく食べられたはずの鮑にごめんなさい。もちろん残さず食べましたけどね。
おまけですが、海女小屋体験のツアーをする人はポン酢を持っていくといいかも。ここではサザエ、桧扇貝、アサリ、鮑!伊勢エビ!!を目の前で網焼きにしてくれるのですが、その新鮮さから美味しいのは折り紙つきながら調味料が醤油しかない。素材本来の味もいいんだけど、最後の伊勢エビあたりでは満腹も手伝って「ここに味ぽんがあればもっと美味しくなるはず、むむむのむぅ」となったのも事実。こんなに贅沢素材を無造作に食べた^^; のは初めての体験。とにかく豪快。そしてお年を召した海女さん達の元気いっぱいな様子が愉快で爽快な気分を味わえました。