祝い事があったのでハレの日飯。というわけで帝国ホテル地下のラ ブラスリー、今回はアラカルトからチョイスの巻。
ムニュ(コース)狙いで何度か足を運んだし、伝統料理祭り(そんなタイトルじゃないが ^^; )で名物といわれる料理も一通り口に運んだ。それではいよいよ憧れのアラカルト航路へ。というわけで前から気になってたお目当て料理に猫まっしぐらの夫婦ふたり。
ところがどっこい。乾杯の飲み物が用意される間、メニューに目を通し初志貫徹を決意、いざオーダー!となったところでまさかの品切れ宣告。今週の買い付け分がちょうど昨日出払った、とのことでギャルソンは半身をよじって嘆いてくれた。こちらも思わず「なんてこった!」と逆回転で半身よじり。こんなこともあるので目当ての料理がある時は予約時に「あれが食べたい!」とあらかじめ申し添えておくといいらしい。
さてここからがギャルソン氏の本領発揮。一緒に本日の献立を組み立て始めてくれた。まずは目当ての品が魚だったので、それに代わるメイン料理を提示。内容量のことも含めてメインに合うアントレ(前菜)やメニュー構成も提案。スマートな対応であれよと本日の会食内容が組み上がりました。百聞は一見にしかず、写真をどうぞ。
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美食家のためのサラダ 2,700円を二人で |
美食家のためのサラダがスンバラシかったです。量が多いのでフルサイズをお取り分けにいたしましょう、と奨められたのですが写真はその取り分けた一人前。テーブル横でドレッシングをかけてサーブしてくれたのですが、サラダの美味しさもさることながらレードルでキラキラとドレッシングを落として行く所作のなんと美しき!思わず見とれてしまった。ご注文の際は是非ご注目を!レタス、インゲン、蟹、フォアグラそして生マッシュルーム。酸味のない上品なドレッシングとフォアグラの風味がなんとも言えない美味しさで気分はもう『ガルガンチュワとパンタグリュエル』。巨人の一族になってぺろりと完食。ハーフサイズは1,600円とのことなので次の機会があったらアントレにはこれを選ぶかも。ただマッシュルームはもっと厚みがあってもよろしくてよ。生をもきゅもきゅと食べるのが好きなんで。
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定番のダブルビーフコンソメ2,000円 |
さてスープは旦那がダブルビーフコンソメ大好き人間なので付き合いでなんとなく頼んでしまった。同じものを食べるって大事よね。最初は乗り気じゃなかったけど、でもでもやっぱり口にすると美味しい。肉々しい風味の正体が不明でコレ苦手という人もいるようですが、いっそ肉料理と位置付けてもいいんじゃないかと思うくらいのスープ。とはいえ私はお酒と一緒にスープは要らないと思ってしまうクチ。これからは旦那がスープを飲んでる間に上述のハーフサラダを頼もうっと。うひひ。
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石巻産平目の詰め物 ハーフポーション 2,500円 |
ここで乾杯グラスが空になったので白のグラスワインを追加。そして程なくメインのポワソン登場。手の込んだ料理に思わず微笑む。なるほどこれは取り分けで形を崩すのはモッタイナイお料理。各々がハーフを頼んで正解でした。こうした相談や助言はすべてギャルソン氏が如才なくやってくれます。ありがとう、ムッシュー。
さて料理の方は刻んだオリーブの風味が楽しい一皿でした。平目そのものよりはオリーブの勝ち。単に私がオリーブ好きだからか…。
メインがポワソンで全体的にサッパリとした流れ。だけど随所にフォアグラがあったりビーフのエキスが入ったりで程よく濃厚感も得られて満足まんぞく。さてデザートはどうします?という所でふと見れば策士の旦那はチーズのためにワインをちゃっかり温存している。しまった、やられた!またしても飲み干してしまったよ。てなわけで私にはポートワインをください。
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チーズ1切 600円〜 |
さて、フロマージュを所望すると本日のおすすめチーズを一通り口頭で説明して「しかしながら実物を見ていただいた方がよろしいでしょう」ということでワゴンが運ばれてきました。ウォッシュかシェーブルに心が動いていたのですが、お目もじしたフルムダンベールの状態の良さに思わずそちらをチョイス。やはりチーズは一期一会。チーズと面会させてくれるこういうサービスは本当にありがたいですね。目の前で丁寧に切り出してくれました。やはり所作が美し〜い。無粋なお願いをして写真を1枚撮らせていただきました。
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チーズにはドライフルーツとパンが付く
光沢のあるフルムダンベール |
この日、祝い事ということで食前にはシェフからアミューズが、そして食後の珈琲を頼むとキレイに盛りつけたミルフィーユのお皿がサービスされた。こうした心遣いは嬉しい。本日はアラカルト注文のお陰で積極的にお店と関わった充足感もあった。「料理のオーダーが楽しい」というのはなんとも得難いことである。
食前のグラスシャンパン、グラス白ワイン、食後酒のポートワインそして珈琲、これらのドリンク類と上記の料理をあわせて一人当たり12,000円(料理だけなら一人7,000円)くらい。お値段的にはレ セゾンのランチと遜色ない。どっちがいい?と聞かれれば、どっちも好き!ハレの日ですもの。ありがたや、と感謝して満足して食べたもの勝ちなのでございます。
以前、
セゾンの黒服(給仕)の方が好きとか書いちゃったけど、やはりこちらも素敵でした。お陰で楽しい時間を過ごせた。それが何よりのご馳走。