ミュシャは演劇のポスターを皮切りにパリで一世を風靡した商業美術家。今で言う所のグラフィックデザイナー。ビスケット、お酒、タバコなどの広告にも広く使われたミュシャの意匠は、ちょうど文明開化の洗礼を受けていた日本に大量に持ち込まれ浸透した。そのせいか、ミュシャの絵には日本人がウキウキと新しい時代を歩き始めた「時の記憶」とともにどこか懐かしい印象をたたえている。まずは 作品画像集をご覧じよ 。
うっとり〜。
特に好きなのは屏風絵を彷彿とさせる4枚の連作もの。『四芸術』や『四つの宝石』も素敵だけどこの『四つの星』は色合いが他の作品とは趣きを異にして心惹かれる。
連作『四つの星』より スペード:宵の明星 ハート:月 クラブ:北極星 ダイヤ:明けの明星 |
「うつくしきもの。瓜にかぎたる稚児のかお」清少納言の頃の「うつくし」とはすなわち「可愛らしい」ものを指していた。では問題です。当時、美しいものをなんと表現していたか。
答えは「うるわしき」。ああ、なんと麗しき言葉。ミュシャの絵と対峙するとき、まさにこの麗しき気持ちがふつふつと涌き起る。優美にして妖艶。女たるもの、かくありたいものでござんす。私の内なる無い物ねだりな気持ちがミュシャを求めるのかしらねぇ。。
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