そんなオシャレからほど遠い私の持ち物で一つだけ「あら、それちょっと見せて」と人から求められ誉められるアイテムが今回のモノがたり。 カルティエのリング「トリニティ」 でござんす。
スリーゴールドトリニティ 現在はウェディングリングのシリーズ |
そういう経緯で品物を手に入れるなんて、正直私の趣味じゃない。だってソレを見るたびに大激怒した嫌な思い出まで甦ってしまいそうじゃないですか。装備したら大変な事が起こりそう。そんなの呪いの指輪ですよ。冗談じゃ〜ない。
20年以上前のナンチャッテ三連リング 傷だらけだけど思い出の品 |
愛をあきらめたものだけが鍛造できる覇者の指環はラインゴールド(ニーベルングの指環)。家庭を支配しよう、と思ったわけではないけれどゴールドの指環がいいな…という安直な発想が涌き起る。
その時、一つの指環がひらめいた。学生時代、仲の良い友人がはめていたのがトリニティデザインを模した三連リング。私は人の所持品を欲しいと思ったことはないのですが、この指環だけは唯一の例外品。シンプルでありながら存在感があって、手持ち無沙汰な時には指でくるくる回して遊べるのも楽しい(傷がつくからこのアソビはあまりオススメしない^^)。すっかり友人のリングに魅了された私はマネして購入する許しをもらい、プランタン銀座で手に入れた(当然カルティエには行けないのでナンチャッテ三連リングですよ)。
あの指環を中指につけていた頃の私は元気ハツラツな学生で、自分の将来が明るくて何でも出来るという(裏打ちのない)万能感に溢れていた。三連リングをくるくると弄びながら友と夢を語ったあの日々よ、もう一度。つか、今度はマネっこリングじゃなくて本家本元のカルティエさんでトリニティリングぷり〜ず!
つけたらこんな感じ |
さてここでトリニティのいわくを復習しましょう。詩人のジャン=コクトーが身につけていたこのリングは、友人であるルイ=カルティエにデザインを依頼した『愛する人のためのリング』と言われています(←しかしこれは日本限定のガセネタ説もある。しかも愛する相手はオホモダチだった)。カルティエ公式HPにおいてはこのリングの三色ゴールドを「ピンクは愛情、ホワイトは友情、そしてイエローは忠誠を表す」としています。
この逸話を読んだ時に、仲直りの印にこのリングを選んで良かったと思いました。以来、身につけるたびに結婚生活に必要なものを思い出させてくれる。愛と友情と忠誠のリング。すんばらしいじゃないか。もうゴングは鳴らさないでね。(今年の正月に一悶着起こしたけどね ^^;)
総括。
モノを買う時はそこに付随した物語をこそ買え。物語は色あせない。そして失われることもないから。
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