いらっしゃいませ

にほんご べんきょう してきて ください
いらっしゃいませ。ずっと試運転中です。予告なく変更しまくるつもりが仕様変更については手付かずです。

2014年6月26日木曜日

モノ喰えば

写真は800g。6本くらいかな
キュウリの季節到来。というわけでモノシリーズ?の最後の記事は「家庭で作るきゅうりのキューちゃんレシピ」です。
家庭菜園が趣味の母が毎年、毎年、あきれるほどキュウリを作る。いや、キュウリは作るというより出来ちゃうんだね。つか、最初に植える苗の量を調整すればいいのに何故か毎年あまった場所にありったけの苗を植えちゃうものだから自動的にキュウリ地獄真っ逆さま。というわけでここ数年、キュウリ船が着くたびにお世話になっているレシピを備忘録。大量のキュウリ消費に追われる方にオススメです。

これは5mm厚さ位
キュウリ1kg(手頃な大きさ8本ほど)を沸騰した湯に沈めて2分ぐつぐつ。火を止めたら室温になるまで鍋の中でそのまま放置。3〜4時間かな。
水を変えて同様に2分ぐつぐつ&放置プレイ。

取り出したキュウリを輪切りにして布巾でしっかりと水気を搾り取る。厚さはお好みで。私は歯応えのある厚みが好き。つーても8mm〜1cmといったところ。

絞ったところ
醤油150ml、みりん75ml、酢25ml、砂糖大さじ1.5と生姜の千切り適当量と鷹の爪一本を煮立てて絞ったキュウリにジャッとまわしかける。
あら熱がとれたらザルで濾して、つけ汁をもう一度煮立てて再度キュウリにまわしかけて完成。
冷めたら保存容器に入れて冷蔵庫保管。4人家族が毎日ポリポリしてると一週間くらいで無くなります。


キュウリ8本は意外と冷蔵庫の場所ふさぎ。これが一遍に片付いて保存容器一個分に収まるので、それだけでもお助けレシピなのであります。ウチの場合はこの漬け物とは別に一日一本ノルマでキュウリを食べないと追いつかないくらいの地獄編ですけど^^;
最初にキュウリを2回湯にくぐらせるのは…キュウリ内の水分を置換してるのかな?1回でもオッケーという人もいる。つけ汁に2回くぐらせるのは…その方が味が沁みやすい気がする。煮物もそうだけど味がしみ込むのは温度が下がっていく間と言うでしょ。つけ汁に2回火を通すことで滅菌作用もある…ような気がする。

完成品。10日くらいは持つんじゃないかな
夏の厨房は暑くて「もう一品」がしんどい季節。困った時にこの漬け物を小皿に載せれば、アラなんとなくもう一品の出来上がり。諸般の都合でキュウリ地獄に陥ってる皆さまも是非お試しください。上記のレシピはゴウヤ地獄の方にも応用できるそうですよ。私はご免ですがね。

2014年6月21日土曜日

うつくしきモノ

アルフォンス=ミュシャの話。正確にはミュシャのトランプを手に入れたのでほくそ笑みながら備忘録。

ミュシャは演劇のポスターを皮切りにパリで一世を風靡した商業美術家。今で言う所のグラフィックデザイナー。ビスケット、お酒、タバコなどの広告にも広く使われたミュシャの意匠は、ちょうど文明開化の洗礼を受けていた日本に大量に持ち込まれ浸透した。そのせいか、ミュシャの絵には日本人がウキウキと新しい時代を歩き始めた「時の記憶」とともにどこか懐かしい印象をたたえている。まずは 作品画像集をご覧じよ 

うっとり〜。
特に好きなのは屏風絵を彷彿とさせる4枚の連作もの。『四芸術』や『四つの宝石』も素敵だけどこの『四つの星』は色合いが他の作品とは趣きを異にして心惹かれる。
連作『四つの星』より
スペード:宵の明星 ハート:月
クラブ:北極星 ダイヤ:明けの明星
むぅ〜、いいわ〜。今回入手したこのトランプはオーストリア製。紙質、印刷、いずれも日本人的にはイマイチな出来ながら連作ものをいくつも採用しているのが嬉しい。
「うつくしきもの。瓜にかぎたる稚児のかお」清少納言の頃の「うつくし」とはすなわち「可愛らしい」ものを指していた。では問題です。当時、美しいものをなんと表現していたか。
答えは「うるわしき」。ああ、なんと麗しき言葉。ミュシャの絵と対峙するとき、まさにこの麗しき気持ちがふつふつと涌き起る。優美にして妖艶。女たるもの、かくありたいものでござんす。私の内なる無い物ねだりな気持ちがミュシャを求めるのかしらねぇ。。

2014年6月15日日曜日

モノ見る目

月の裏側が見えないからといって、その存在を否定することはできない。アインシュタインの有名な対談。『見えようが見えまいが、月の裏側は厳然として存在するのだ』
真理は厳然として存在する。認識と対象が一致するものを真理と呼ぶ。ところが芥川龍之介『藪の中』のように、人(ヒトの見る目)によって異なる認識が一つの対象にまとわりつくのもまた世の理(ことわり)。見えたり見えなかったりしちゃう真理。真実はいつも一つ!…のはずなんだけどね。

さて今回は、 以前のブログ記事 を読み返してつくづく自分には見る目がなかったことよな〜、と思わされる出来事があったので一筆啓上。多分に愚痴が含まれる話題なので手短かに行ってみよう!
気配り上手で親切と思っていた人物が、実は特定の個人に対してだけ別の表情を見せていました。ウラ読み師(?!)の私が二年近く観察した結果、導き出された答えは「周囲に過剰に親切に振る舞うことで、特定の個人に疎外感を与えるイジメに興じてた」というもの。
そりゃ、波長の合う合わないで多少の個人的好嫌があるのは仕方ないことと心得ておりますよ。しかし人を動かし職場を動かす立場の人間がコレをやってはイカンでしょう、と遺憾に思う次第。

今から思うと、採用面接の際「一番大事なのは人間関係。そこを円滑にできる人を採用したい」なんて言われたのですがコレ実は求職活動上の要注意項目なんですよね。
バイトその他の求人広告において「職場は和気あいあい。働き易い雰囲気デス」とわざわざ書いてある所は人間関係の破綻が原因で辞める人が後をたたない(から求人が出る)というジンクスがあるくらい。
「人間関係を大事に」と言ってる本人が率先して職場の人間関係をブチ壊していたというオチに脱力。何でそれが発覚したかと言えば、誰かをイジメる→イジメられた人が辞める→辞めた人と組んで仕事してた人をイジメる→その人辞める
ハイ、スパイラル入りました〜。ふと気がつけば職場人口が普通じゃない勢いで減少してる…つか私、気がつくの遅すぎ…。
ちなみに極小スペースで飼育される家畜は集団中で一番弱いものを標的にしてストレス解消を行う行動が見られ、これらは「豚の尻尾かじり」や「鶏の尻つつき」と呼ばれます。自分が誰かをイジメてた事実を知られるのではないかという疑心暗鬼が、順次誰かを職場からイビリ出す行為に繋がっているようですが、私には何かこの家畜関係の行動に通じるものを感じてしまうのよね。ブヒブヒ

え?私はイジメられないのかって?
当たらなければ、どうということはないby 赤い彗星
イジメの内容が的外れ過ぎるとイマイチ乗れないのよね〜。相手もつくづく私を見る目がなかったと言えましょう。

2014年6月5日木曜日

モノをめとらば

今日は物欲のお話。食い道楽系の私は身につけるものに無頓着。服はもちろん、鞄も靴も気に入ったアイテムが各カテゴリーに一点ずつあればそれで良くて、文字通り擦り切れるまで使い倒したら次の一点を物色して乗り換える形式で生きてきた。
そんなオシャレからほど遠い私の持ち物で一つだけ「あら、それちょっと見せて」と人から求められ誉められるアイテムが今回のモノがたり。 カルティエのリング「トリニティ」 でござんす。
スリーゴールドトリニティ
現在はウェディングリングのシリーズ
 このリング、私にとってはいわくつき。そこそこ長い結婚生活の中で旦那が私を大激怒させたことがありまして〜その話は長いから割愛 ^^; んで、その後仲直りの際に旦那から「一つだけ高価なものを君に買うよ」と提示されて私の所にやってきたリングがコレ。
そういう経緯で品物を手に入れるなんて、正直私の趣味じゃない。だってソレを見るたびに大激怒した嫌な思い出まで甦ってしまいそうじゃないですか。装備したら大変な事が起こりそう。そんなの呪いの指輪ですよ。冗談じゃ〜ない。
20年以上前のナンチャッテ三連リング
傷だらけだけど思い出の品
でもその時だけは仲直りのための儀式みたいなものと思い、素直に旦那の提案を受け入れた。と、こ、ろ、が、ですよ。高価なものと言われても前述のように美味しい物以外の欲しいものなんてさっぱり思い浮かばない。貧弱な発想で高価=指環かしらねぇ…と相成りました。

愛をあきらめたものだけが鍛造できる覇者の指環はラインゴールド(ニーベルングの指環)。家庭を支配しよう、と思ったわけではないけれどゴールドの指環がいいな…という安直な発想が涌き起る。
その時、一つの指環がひらめいた。学生時代、仲の良い友人がはめていたのがトリニティデザインを模した三連リング。私は人の所持品を欲しいと思ったことはないのですが、この指環だけは唯一の例外品。シンプルでありながら存在感があって、手持ち無沙汰な時には指でくるくる回して遊べるのも楽しい(傷がつくからこのアソビはあまりオススメしない^^)。すっかり友人のリングに魅了された私はマネして購入する許しをもらい、プランタン銀座で手に入れた(当然カルティエには行けないのでナンチャッテ三連リングですよ)。
あの指環を中指につけていた頃の私は元気ハツラツな学生で、自分の将来が明るくて何でも出来るという(裏打ちのない)万能感に溢れていた。三連リングをくるくると弄びながら友と夢を語ったあの日々よ、もう一度。つか、今度はマネっこリングじゃなくて本家本元のカルティエさんでトリニティリングぷり〜ず!
つけたらこんな感じ
来て見て触って吟味して、三連リングの弱点はこすれてかなり傷がつくこと。そんなわけでくるくるアソビは出来ないけれど、トリニティの意匠を取り入れたモダンデザインのタイプを最終的にチョイス。店員さんによると新しく立ち上げたデザインとの話でしたが今HP見たらトリニティリングシリーズからは消えていて、現在はウェディングリングシリーズ(スリーゴールド)として扱われているっぽい。ちなみにお値段はHPに出ているものよりもっと安かったですよ。金の重量が違うのか、あるいは金の価格が上がったせいなのか…。

さてここでトリニティのいわくを復習しましょう。詩人のジャン=コクトーが身につけていたこのリングは、友人であるルイ=カルティエにデザインを依頼した『愛する人のためのリング』と言われています(←しかしこれは日本限定のガセネタ説もある。しかも愛する相手はオホモダチだった)。カルティエ公式HPにおいてはこのリングの三色ゴールドを「ピンクは愛情、ホワイトは友情、そしてイエローは忠誠を表す」としています。
この逸話を読んだ時に、仲直りの印にこのリングを選んで良かったと思いました。以来、身につけるたびに結婚生活に必要なものを思い出させてくれる。愛と友情と忠誠のリング。すんばらしいじゃないか。もうゴングは鳴らさないでね。(今年の正月に一悶着起こしたけどね ^^;)

総括。
モノを買う時はそこに付随した物語をこそ買え。物語は色あせない。そして失われることもないから。