いらっしゃいませ

にほんご べんきょう してきて ください
いらっしゃいませ。ずっと試運転中です。予告なく変更しまくるつもりが仕様変更については手付かずです。

2013年5月28日火曜日

アシロマ大義

最も象徴的な建物メリルホール
merrill hall @ Asilomar

日光金谷ホテル、帝国ホテルに続くヒストリックホテルシリーズの第三弾!と、言っていいやら、どうなのやら。それなりに歴史も曰(いわ)くもある宿なので無理矢理取り上げてみました、今回はアシロマ カンファレンスセンター@カリフォルニアでございます。
海外旅行に滅多に出かけない私が、このパシフィックグローブ=アシロマにだけは何度も足を運んでいる。それはひとえに旦那がここで行われる国際会議に不定期に出かけるから。過去の経験から夫婦で参加すると割と良い部屋をあてがわれるので、私は旦那の要望で半ば強制的に参加させられている。もちろん費用は自分持ち…まさにアシロマ大義な旅なのですが…。

まずはアシロマ会議について(wikiより抜粋)
遺伝子組換えに関するガイドラインが議論された会議。1975年開催。アメリカ合衆国カリフォルニア州アシロマにおいて開催されたことからこう呼ばれる。科学者自らが研究の自由を束縛してまでも自らの社会責任を問うたことで科学史に残る。
だそうです。以来、ここでは多種多様の国際学会等が執り行われています。元来この建物はYWCAの施設だった所。20世紀初頭にサンフランシスコで活躍した建築家ジュリア=モーガンによる自然回帰なデザインの数々は周囲の景観にとけ込んで、なんとも良い風情。て、今気がついた。この人 ハーストキャッスル を造った人なのね!!
ハーストキャッスルは『市民ケーン』のモデルになった新聞王ハーストの元居城。サンフランシスコとロサンジェルスのほぼ中間という辺鄙な場所(許せ、サンシメオン)に位置するこの住居は、今では加州が管理する観光名所。私もはるか昔に訪れたことがあるのですが、なんつーても不便な場所なんで日本人にはあまり馴染みがない。時に悪趣味とまで言われる過度に絢爛豪華なお城ですが、ネプチューンプールの歓声をあげたくなる爽快感やローマプールの祈りたくなる厳かさは是非とも機会があれば体感して欲しい。外国のお金持ちのケタ違いな裕福さにはホント恐れ入る。
さて、話が逸れた。アシロマの話ですよ、おかみさん。

百聞は一見に如かず。まずは写真をご覧じよ。
フィービーハースト ソーシャルホール
Phoebe Hearst Social Hall
アシロマカンファレンスセンターは州立公園の宿泊施設…国民宿舎みたいなものという認識で良いのでしょうかね。ビーチを目の前にした広い土地にいくつもの宿泊ロッジが点在しています。敷地の中心部には受付と売店の入った建物があるのですがそれが上の写真。大きな石造りの暖炉が印象的。今更気がつきましたが、このホールは新聞王ハーストの母親の名前を冠している。教員だったフィービーはPTAの創始者でもあったそうです。サンフランシスコで新進気鋭の女性建築家であったジュリアやYWCA(ヤングなウィメンのクリスチャン組合^^;)のパトロンとして富豪の務めを果たしてた事がうかがえる一コマ。アメリカの富豪って贅沢ぶりもなかなかのものだけど、チャリティー精神の方も相当なもの。つくづく本当のセレブの仕事について考えさせられる。
この宿泊施設は会議やイベントの貸し切りがない限り、一般の人が普通に予約をとって宿泊することが可能です。部屋や季節に依るのでしょうが日本円で一泊一部屋一万五千円前後の様子(二人で泊まればお一人七千五百円!)。ただし!リゾートホテルを想像してはいけません。あくまでも国民宿舎チック。イマドキTVも冷蔵庫もない宿なので口コミを見るとボロクソ書いてる現代っ子も多いです。彼らいわく「良いのはロケーションだけ!」ですと。でもそれが良いんです!この地にやって来て、それ以上の何が要るというのでしょう。
そんな気持ちにさせてくれる自然の粗い美しさがここにはある。手入れの行き届いた便利で快適な宿なら、目と鼻の先にペブルビーチを代表とするゴルフリゾートがあるからそちらにどーぞ行ってらっしゃいまし。そっちはそっちでまた良いものですけどね、ってそれはまた別のお話。

書いてるうちにパシフィックグローブの魅力についてオススメしたい気持ちがムクムクと沸き起こってきました。というわけでこの話、つづく!

2013年5月22日水曜日

イズモの諸君

ヤマトの話題の次なので出雲をチョイスしてみました。今回は『古事記』でございます。面白いんだけど前半の神様がぽこぽこ生まれるくだりとか、その名前が漢字だらけで読みづらい所とか、痛快な物語がある一方で意味不明な話が随所に混ざったり、全部を読むのはなかなかに骨の折れる作業ではありますが、日本人なら一度は読んでおきたい日本昔話(?)でございます。
オオクニヌシと妃、仲直りの場面より
そこでオススメしたいのが、 こうの史代『ぼおるぺん古事記』 
これ、感心する出来映え。←エラそうな物言いで恐縮ですが、本当に脱帽しました。何が凄いって漫画ながらも原文のまま読ませてしまう大胆な試み(下に注釈が出ているので問題なく読めます)。そして漫画ならではの手法で八百万の神を図解で(^^;)納得させる明快さ。残念ながら今のところ「上つ巻」であるところの神武天皇が現れるくだりで漫画は完結しています。全三巻。続編を切に希望する!
イザナギとイザナミの活躍からヤマタノオロチまでの一巻 天地創世
オオクニヌシの謎に満ちた国譲りまでの二巻 出雲繁栄
アマテラスがニニギを遣わして神代の終わりを迎える三巻 天孫降臨

日の本(ひのもと)の国の創世の謎を古事記を元に解きはじめると、想像の翼がとめどなく広がり実に興味深い。神ツ国である高天原(タカマガハラ)が大陸であるとするなら、そこからイザナギとイザナミがやって来て八洲(ヤシマ=日本)を造ったのは、すなわち大陸から渡来して何もない土地に居着き、明確な支配を行った「はじめの一族」がいたということ。
その子ども(子孫か?)アマテラスは高天原に返り咲いて暮らしたり、それを頼ってスサノオがやってくるが悶着(天岩戸事件)を起こして追い返されたり…そこから妄想するのは権力者やその一族が割と頻繁に大陸と日本を行ったり来たりして過ごしていたのではないか、ということ。

今回、こうした形で古事記を読み返して感じたのは、権力を武力で奪い取ったのなら西洋の記録がそうであるように、その武勇をもっと誇ってもよさそうなものなのに、古事記はむしろ「最初に居た人イザナギの後継であること」にモノ凄い執着をしているな〜ということ。『元祖』とか『最初に始めた人』に異常な程大きな敬意や畏怖を払う国民性が私達にはあるのかと古(いにしえ)の日本人の心について思いをはせる。天皇家もやたら「ずっと最初のY染色体が続いてるモン!」を主張して譲らない人が居たりするし…げふんげふん、それはまた別のお話…。

日本人の心といえば、古事記は文学的な要素も評価されていて「神語(かむがたり)」と呼ばれるまさに「神!」な美しい歌が詠み込まれているのも特徴です。子どもの頃に読んだ時はキザったらしく感じた愛の歌も、この年になると沁み入るように詠めるのもまた楽し。折に触れ、何度でも紐解いて欲しい日本の物語。是非、ご一読を。

2013年5月12日日曜日

何もかもみな懐かしい

それはもう小学生時代の夏休みといえば宇宙戦艦ヤマトの再放送。どれだけお世話になったことか。人類を救うために絶望的な使命を帯びる一方で「自分たちだけ逃げるのか」と罵声をも浴びせられ究極の選択を迫られながら地球を離れる乗員達。ナルシスト全開だけど何故か憎めないデスラー総統はじめ個性豊かなガミラス勢との死闘の数々。謎めいたイケズな美女スターシアが微笑む哀愁漂うエンディング。ロマンという言葉を初めて知ったのはこのED曲「真っ赤なスカーフ」の中で。現在、地上波放映中の『宇宙戦艦ヤマト2199』のED曲が違うのがまことに残念無念。

さて20世紀少年少女世代の私もリメイク版ヤマトには言いたいことは山ほどある。
「山本、いきなり死んでるのか…(絶句)」
ありし日の山本アキラ隊員
名誉の戦死を遂げる(/_;)
ヤマト初挑戦の人達にはネタバレも入るので、中年のノスタルジーに最後までお付き合い頂く場合はその旨ご了承ください。まあね、女性キャラを増やしたかった気持ちはわかるけどマイナーながらファンがそれなりについてたキャラを女性に変更するってどうなのよわさ。最初、山本隊員の妹キャラで女性増員かと思ったら、後に「玲と書いてアキラ」なんて名乗ってしまうし、そんじゃ彼女の最期は特攻かけて死ぬフラグですか?!
ちなみに旧作の山本隊員は序盤で古代君の熱血感を演出するためだけに使われた完全なる脇役キャラ。チョイ役だったのに何故か人気が出て二作目の「さらば宇宙戦艦ヤマト」では初めてアキラと命名され、自らの命と引き換えに活路を開く見せ場まで貰った異色のキャラクター。ええ、特攻直前の笑顔の敬礼姿にノックアウトされたチビっ子の一人が私ですじゃ。 ざんねん URL先はおわりました 。さすがは元祖エヴァと言われるヤマトの諸君。いろんなの作って金儲けしてるのね。

さて現在のアニメ事情にすっかり疎い私としては今回のヤマトのリメイク版は原作(小説)通りにするのか気になる所だったのですが、純粋にTVまんが(あえてアニメとは言わない^^)のリメイクの様子なので安心して小説のネタバレなんかを書いてみますよ、と。
原作あるいは石津ストーリー(?)と呼ばれる小説版を読んだのはかなり大きくなってからですがコレが結構イケる。長きにわたり周囲にオススメしてるのですが、さすがに今は入手困難?我が家にある文庫もほぼ風化(^^;)しており、人様に貸し出すにも躊躇する程。それだけ時を経たということ。ホント何もかも皆懐かしい
この本には、ヤマトに来てもらわねばならなかったイスカンダルの切実な理由や、ガミラスの至近にありながらイスカンダルが手付かずだった謎、すべて辻褄のあう説明がされ、またそれが見事にSFゴコロを刺激する構想で書かれている。あ〜、ヤマトとナウシカは絶対原作路線でリメイクするべき!

ここからネタバレ
滅びの星となったイスカンダルにたった一人生き残り続ける謎の女性、スターシア。その正体はかつて繁栄を極めたイスカンダル人によって作られた完全無欠のマザーコンピュータだった。「ガミラス」はその「スターシア」によって構築された防衛システムの名前。
ガミラスはその役目を粛々とこなすが、やがて少しずつ狂いを生じ知的生命体の住む星全てをイスカンダルを脅かす敵と認識し攻撃を始める。その暴走をシステムが無敵すぎるためにスターシアは止めることができない。最終的にスターシアがはじき出した解答は「自死」。しかし鉄壁の防衛システム「ガミラス」が自死をも否決するためにイスカンダルはニッチもサッチもいかない状態。そこでヤマトの諸君の出番ですヨ。ありもしない放射能除去装置をエサにヤマトの諸君をおびき寄せ、防衛システム「ガミラス」の包囲網をかいくぐり、どうか私イスカンダルを宇宙の藻くずにしておくれよ…というのが実はスターシアの心からのお願いだった、というわけ。どっとはらい。作中、真田さんが何者かに殺されちゃったり、島くんが連れ去られてスパイとして改造されちゃったりと、おきゃんなスリルとサスペンス(^^;)の要素もてんこ盛りで楽し…める…かな?
入手可能で興味のある方は是非ご一読ください。古い作品を何度も楽しめるのはまた悦(たの)しからずや。

2013年5月6日月曜日

三菱地所を見に行こう

 

さて、GWですよ。予定は無かったけど思い立ったが吉日、三菱地所を見に行こう♪ということで今回は 丸の内ブリックスクエア でございます。

日本最初のオフィスビル、三菱第一号館は鹿鳴館でお馴染みのジョサイア=コンドルの設計によるレンガ造りの建物。となれば、この読み物はヒストリックホテルシリーズの一環に入るかと思いきや残念ながら一度この建物は解体されています。保管されていた資材やら設計図やらを使用して数年前に復元(レプリカ)という形でお目見え。以来、オフィス街+ちょっとした観光スポットとして人気を集めている。
もっとも私が惹かれたのは「ロブション」「エシレ」「グリルうかい」等の食べ物系店舗ばかりですが(^^;) それでは華麗なる三菱地所遊びをご紹介。行ってみよ〜!

幻のクロワッサンを求めて
無塩、有塩、通常の3パターン
ハムサンドにしてみた
私が エシレ の店前を通るのは、大概昼の用事を済ませた後。芳醇な焼き菓子の香りを放つこの店には何度か吸い込まれるように入店している。しかしパンはいつも品切れで一度として見たことがない。今日は一つ朝イチに押し掛けて美味しいと評判のクロワッサンを買ってみようじゃないか。クロワッサンは売れ切れご免販売(朝焼いた分しか売らない)だから開店同時に買わないとダメと聞いたので十時開店に合わせて出かける。九時過ぎに東京駅に降り立ち、駅舎を軽く眺めてからエシレ入り。この時、AM9:20頃。まだ早かろうと思ったが既に20人程の人の数珠。慌てて並ぶ。並んでる間に行列はみるみる伸びて入店時にはブリックスクエアの敷地をはみ出して行列は外の道へと折れ曲がって続いてた。恐るべし。やはり早起きは三文の徳。早起きのせいで無駄遣いをしているともとれるが…。
入店後はコンベア式で一人ずつカウンター前を通過しながら注文するので並んでる間に何を買うか品定め。クロワッサンとサブレ…と思っていたけど並んでるパンがどれも美味しそうで狂おしいほどに悩む。ショーケースにはケーキもあるし目移りするのが忙しい。そのお陰で待ち時間の短いこと!缶入りのサブレやガレットは夕方でも入手できるので焼き菓子とクロワッサン3種を一つずつ。ちなみにクロワッサンの購入はお一人6個までです。決して欲張らずに後ろの人にも配慮して仲良く買いましょう。と、思ったら大概の人は3種を一つずつ買ってました。通常バージョンと、無塩バターたっぷり使用、有塩バターたっぷり使用の三種を食べ比べ。私は有塩がイチオシかな。やっぱり塩は大事ね。

レトロな空間がお好き
美術館展示にちなんだメニュー
印象派なテリーヌ
店舗中央の席をゲット
弥太郎チックな雰囲気
戦利品を抱えて中庭で一休み。行儀が悪いけど出来立てクロワッサンを一口かじってみる。周囲を見回すとお仲間多数発見。さてこの時AM10:30少し前くらい。次の予定は創業当時の銀行営業室を再現した カフェ1894 で早めのランチだ。さすがにこの時間にランチ行列はできていないので皇居外苑方面を散策。11時開店の5分前にカフェ前に引き返すと、うわっ!行列できてる!慌てて並ぶ。なんとか最初のロットでの入店を果たすが外はドンドン人が詰め掛けて長蛇の列。おそろしあ。やはり先んずれば人を制す。腹が減っては戦もできませぬ。美術館の展示に併せたメニューで芸術鑑賞前に腹芸で印象派を予習。

たまねぎ剣士
さて、食事を終えると12時を過ぎた頃。人々が昼餉に向かう時刻を狙って施設内の 三菱一号館美術館 に突入。素晴らしき時間差攻撃!30分待ちと言われましたが概ねソレ以内に入館ができました。が、中が大変。小さな展示室に人がみっしりで絵を見るためにはそれなりに順番待ち状態。上野の美術館群然り、ここも自然発生的ベルトコンベア式なのねん。
さて嘆きながらも今回の収穫を。印象派で好きなのは断然モネ船長、もとい、クロード=モネ。今回の展示の目玉は多分、ルノワールなんでしょね。魅惑的な少女達が微笑む巨匠の作品。悪くないけど私の趣味じゃない。ところがですよ!ありましたよ、ビッと私のハートをキャッチした絵画。それがピエール=オーギュスト ルノワール作『タマネギ』何が凄いって、タマネギのクセにちゃんと画風がルノワール。言われて見ると、Oh~~ ルノワールの筆遣い!!魅惑の微笑みでタマネギ達がこちらを見ているではないか! 画像検索でご覧じよ 。わかりますか?ああ、こんな時、絵画にリアルに対面する必要性をつくづく感じる。臨場感って大事だわ。プリント画像では得られない息吹というこの感じ。会期は5/26まで。美術館に急げ!
ルノワールは人物に目が行きがちだけど、今回少女を飾る花の美しさに驚かされた。ルノワール自身、人物画よりも花を描いている方が好きだと言っていたそうです。ジェームズ=ティソの『菊』もハッとする衝撃でオススメ。でもコレ、印象派ではないよね?

パンに始まりパンによりて暮れる
ガレットは季節メニューのバレンシアオレンジ
シードルを添えて
美術館の規模は最適。大きからず、小さからず。部屋の容積はもう少しあった方がいいかも、という程度。結局、人が入りすぎるんだよね。いずこも一緒ですが。
心が満たされたあたりで小腹も満たしましょう。ということで本日最後のイベントは  ラ ブティックドゥ ジョエルロブション です。舌かみそう。端的にロブションのパンで良かろう。エシレのパンで身悶えして苦しんだのは、帰りがけにここでパンを買うつもりだったから。どんだけパンを買うんだ、ってな話ですがココだけの話、 東京駅でもあんぱん を買うかどうか悩んだくらい今、私にはパンのビッグウェーブが来てる(^^)。余談ですが美術館のチケットブース横にコイン返却式のロッカーがあるので芸術鑑賞はお買い物の後でも大丈夫。
心ゆたかな食卓こそが贅沢品
ロブションのカフェテラスでガレットを堪能して夕食用のパンを買って、この世のGWを満喫。もう一花咲かせられる所で余力を持って明るいうちに帰宅。何事も早め早めに動くが肝心。
夕食はロブションのパンとチーズとテーブルワイン。時は連休後半戦の初日。予定は何にも無いけれど明日も明後日ものんびり過ごせると思うと、あ〜なんて贅沢で至福の時。ありがとうGW。来年もヨロシクね。

そして体重が…んがごご