ノートルダムのゼロ地点 観光名所もスリが集まるのでご用心 |
空港の白タク野郎
シャルルドゴール空港からパリ市内の宿まではタクシーを利用した。ちなみに 2016年の春から空港〜パリ市内間のタクシー料金は一律になった そうでリンク先によるとスーツケースを乗せた場合の手数料なども廃止だそうです。つまり明朗会計!セーヌ川北側ならどこでも間違いなく50ウーロぽっきりで運んでもらえます。ただしこれは正規のタクシーに限る。白タクや雲助にはくれぐれもご注意を。んでその白タク被害に遭いそうになった時のお話。
空港の到着ゲートに着くと「Taxis」というゼッケンを付けた職員が乗り場に誘導してくれます。タクシー乗り場には職員が待機していてキチンとドライバーに引き渡し作業をしてくれる。必ず正しいタクシーブースから乗るようにしましょう。私達は旦那のトイレ休憩を待っていたので人波が薄れた頃にタクシー乗り場へと歩き出したのですが、そこに「タクシー!タクシー!」と手招きするノーゼッケンの男が出現。言葉の壁で断る術を持たぬ悲しさよ、細い通路へ強引に連れていかれそうになる私達一行。何としても阻止せねば、と感じた私は仁王立ちして決死のお断りジェスチャー開始。「Really?!マジかよ」「I'm not sure!よくわかんねーな」「This plate is Train! No Taxi !! ここ電車って書いてあんじゃん、タクシーじゃないじゃん」と雲助が誘導する通路に書かれた掲示板を指さしてnon,non,nonの破れかぶれ英語。も〜ヤケクソです。すると遠くからこれを聞きつけたタクシーゼッケンが駆けつけて「Taxi !」こっちこっちと私達をガードするように誘導を始めた。
ほらね、やっぱり白タクだ。ホッとしながら歩きだしたら同行のお嬢さんが一言「でもこのゼッケンも嘘だったら、アウトですね」いやいやいや、そうなったらオバチャンお手上げよ。もう何を信じたらいいかわからんです。幸い正規のタクシーブースに誘導され事なきを得た。(ちなみに電車だと一人10ウーロくらいでパリ市内に行けます。時間帯にもよるけどどちらを選ぶかはケースバイケース。メトロ駅至近の宿なら電車もいいだろうけど、駅から宿まで荷物もって歩くことを考えると宿に横付けのタクシーは安心。鉄道は区間によってはワルそうな輩も乗ってるのでかなり緊張します。)
タクシーは英語が通じる場合もありますが、行きたいホテルの住所を見せて「ア セッタドレス シルブプレ(この住所にお願い)」というのが一番間違いない。
メトロのサル軍団
お次ぎはメトロを徘徊するワルガキどもについて。先述の「ワルそうな輩」というのはメトロ入り口にたむろってます。仲間が揃った適当な頃合いに切符も買わずに改札ゲートに押し込み強盗のように侵入してきます。券売ブースの職員はそれを目前にしても何も言いません。猿のごときものに人語など通じないと心得ているのでせう。で、彼らが何をしでかすかというとおそらく集団スリです。事前に読んだ凡例集で子供の集団に取り囲まれて財布をすられるというものがありました。旦那、私、お嬢さんの3人でメトロに乗った日にお嬢さんが電車に乗るのを見届けてる間に少女の集団に割って入られ私だけ乗れないようにされました。戸口上部に手をかけて無理矢理押し入り「パルドン、ごめんなさいよ」と言いながら奥へ行こうとするのに少女達はスクラム組んで動かない。「?意地悪されてる?」と思ったのと「これは子供に囲まれた状態だ!」と悟ったのが同時。瞬時に鞄をおさえるとすでに真横に張り付いた少女の手が私の鞄の中に入ってるじゃあ〜りませんか!!!閉じてあったチャックが開けられてるのも何と言う早業!
その後は考えるより先に身体が動いた。「No!」と大きい声が出て、驚いてドアから逃げようとした少女の腕を「ぐわしっ」と掴んでいる私がいた。なんせ鞄に手が入ってましたから、何か盗られてたなら絶対に車外に逃がしたくない。
ドアに挟まりながらも逃げようとする少女を仲間が「やめろ、もういい」みたいに制止する。私は盗られたものがないか鞄の中をチェック。幸い財布もパスポートも所定の位置に落ち着いていた。その間、少女は私に向かって申し開きのようなことを言っている。いや、むしろ開き直った風情で多分ロクなこと言ってない感じ。この時ばかりは「言ってること全っ然わかんないし〜」と言葉の壁に感謝した。
落ち着きを取り戻して少女の顔を見るとこれがまあ映画のワンシーンみたい。真っ赤な口紅をさした別嬪さんが私に何か訴えてる。でも彼女はどう見ても女児。馴染んでない化粧が七五三じみている。地方の少女が目一杯のオシャレして仲間と街へ繰り出し、ハメを外して遊び感覚で悪さをしている印象。こういうのイキってるというのでしょうかね。その点、犯罪事例に出て来るようなロマ(ジプシー)というのとまるで違う。
小言の一つも言いたいがその手のフランス語は習得してこなかったのでひたすら「めっ!めーっよ」という顔で少女達と対峙。次の駅で彼女達が降りてゆくとここで今まで気配を消していた旦那がす〜っと実体を現し「何も盗られてなくてよかったじゃない」ですと。ちっとも良くないよ!何、他人のふりして固まってんだこのスットコドッコイ!
この件で実感したのは犯罪例を読んでいたからキケンを察知できたということ。事例を知らなかったら多分、盗られてました。箸箱を…。財布はすぐに取り出せる場所には入れず、必ず財布の上部に何かを乗せておきましょう。教訓です。
善意につけこむ例
日曜日のサンルイ島 大道芸に気を取られてる間に 盗られることもあるそうです |
私は駅のコーヒーショップでエクレアを物色中に12〜3歳くらいの少年に声をかけられ相手をするところでした。子供だからつい話を聞いてしまうのですが、そもそもフランス語がわからない。すぐに「ジュヌ コンプラン パ 私わからないのよ」と言って諦めてもらおうとしたのですが彼は諦めず両替をせがんでくる。うっかり話にのりそうになって気がついた。彼は「チェンジ 両替」と確かに言った。でもね私の数少ないフランス語レパートリーに「両替 シャンジュ」という言葉ありき。大人ですらロクに英語をしゃべらない国で、こんなチビッコがカタコトの英語で外人マダムに話しかけてくるのってヘンじゃない?こりゃ触ってはいけない子だ、と悟って「Sorry, ジュヌ コンプラン パ〜〜〜やねん」とそっぽを向いて相手しない姿勢をとると少年はプイッと居なくなった。
ふいに話しかけられた時は、注意がそれてる間にそばに近づいてくる人物がいないかと気をつけてください。
人を見たら泥棒と思え、とは世知辛い世の中ですが、嫌な思い出を作るとその国に嫌な印象を残してしまう。パリでは親切にされて心なごむ交流もあったので、そうした思い出を大切にするためにも自衛に努めるようにいたしましょう。
次回からやっと本題の旅日記が始まるよ〜